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障がいと投薬

2015年01月13日 | 時事
子どもに向精神薬処方増…注意欠如などで2・5倍
最近は色々な薬が出ているようですね。

通常学級で投薬している子にはまだ会ったことがありませんが、特別支援の時には何人かいて、薬の名前も色々と覚えました。基本的には興奮を抑えたり気持ちを落ち着かせたりする薬が出されるので、うつや統合失調症などの薬とかぶることが多いようです。当然この手の薬は病気のように「治す」というものでなく「症状を一時抑える」と言う効果しかないので、比較的長期間服用することになってしまいます。まあどんな薬でもそうですけど、常用すると効果が薄くなり、効かなくなってしまうため、早いうちからの投薬に反対の声があるのも事実です。
しかし学校現場で重要視しているのは、「こうした障がい特有の二次的な障がいを軽減させることで、教育効果を高めたほうが将来にとって有効に働くのではないか」という考え方です。学校は集団活動の場なので、どうしても回りの刺激に対し過剰に反応してしまい、誰かに迷惑をかけたり叱られたりなど、落ち着かないことによる不利益を被りかねません。人間誰しも叱られれば自尊感情が傷つき、劣等感を持ちやすくなってしまいます。特にこういう子達はできないことも多く、必然的に叱られることも多くなり、余計に反社会的行動を繰り返すと言う傾向があり、成長するにつれてこの悪循環から抜け出せなくなってしまうのです。我々でもたまに「嫌な思い出」がフラッシュバックすることがありますが、自閉症の子などはそれが特に顕著で、成長してからも突然不安定になったりするわけです。まさにそういった思い出を蓄積させるのを防ぐために投薬が必要なのではないかと思うわけです。

二次的な障がいとは、障がいそのもののの生き難さではなく、それに伴う劣等感やトラウマ、周りとのトラブルや差別偏見などを差します。先天的な障がいそのものを治すことは今の所できませんが、後天的なこれらは周りの理解や適切な対処によってずいぶんと軽減させることができるものでしょう。薬を飲むことで落ち着いて学習に参加できれば、叱られることも少なくなり、やる気やできることがどんどん増えていきます。これは決してその場しのぎでも、教師が楽したいからでもありません。薬の効果は一時的なものかもしれませんが、そうして身につけた力は成長してから大いに役立つのです。何もせず、学ぶ機会を逃して成長してしまうと、大きくなってからでは取り返しがつきません。ホルモンの関係で、ADHDの子は成長するにつれて落ち着くことが多いわけですが、いざ落ち着いた時にできることがたくさんあるか、「嫌な思い出」がたくさんあるかの違いだと言えるでしょう。そういった事情も知らず、当事者でもないのに「子どもを薬漬けにして…」などと一方的に嫌悪を抱くのは明らかに勉強不足です。
ただし、子どもに対する投薬は非常に難しく、大人と同じように効くのか、副作用はどうなるのか、まだまだ分からないことも多いようです。頻繁に薬を変えて何が効くのか試している子もいましたし、自分も何か実験されているような印象をもったこともあります。まあこうした障がいについての理解もここ10年ぐらいでやっと進んできた感じですし、原因を突き止めて適切な対処をする、その方策の一つに投薬が注目され出したのは大きな進歩だと言えるでしょう。投薬の教育効果も含め、研究は今まさに活発に進められている所だと思うので、今後も障がいのある子ども達に積極的なサポートが生まれることを期待したいですね。

問題は保険適用外の薬が結構あることですが・・・
コメント
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