昨日(3月21日)は、昨年秋に亡くなった加藤和彦さんの誕生日だった。
1947年生まれの団塊世代。
お元気であれば63歳になっていたはずだ。
KAWADE夢ムック文藝別冊『<総特集>追悼・加藤和彦~あの素晴らしい音をもう一度』(河出書房新社)を入手した。
加藤さんへのロングインタビューやエッセイ、小田和正や細野晴臣との対談、何人もの追悼文、論考などが集められている。
インタビューが行われたのは6年前の今日(3月22日)だ。
その中で、「常々、僕言ってるんだ。全部任せられるプロデューサーがいたら任せたいって。いないから自分でやってきたわけで」と語っているのが印象的。
確かに、加藤和彦をプロデュースできるプロデューサーは、探すのが難しい。
というか、加藤和彦を加藤和彦以上にプロデュースできるプロデューサーは、なかなかいないだろう。
それくらい音楽に関して“一筋縄のひと”じゃなかったわけで。
「世の中は音楽なんて必要としていないし。私にも今は必要もない。創りたくもなくなってしまった。死にたいというより、むしろ生きていたくない。生きる場所がない、という思いが私に決断をさせた」(一般向け遺書)
加藤さんは、ずっと自分の「場所」は自分で創ってきたから、やはり誰かが用意したそれではダメだったかもしれないなあ。
自分の仕事、生活に関して、細部に至るまで“完璧主義のひと”だったと思うが、自身の「これから」についても完璧であろうとしたのかもしれない。わからないけど。
一日遅れですが、加藤さん、誕生日おめでとうございます。