ようやく、映画『インビクタス/負けざる者たち』を観ることができた。
いやあ、観てよかった。
監督:クリント・イーストウッド
出演:モーガン・フリーマン、マット・デイモン
舞台は94~95年の南アフリカだ。
出獄したネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は大統領となり、問題山積のこの国を再生するための活動を開始する。
その課題の一つが、長く続いたアパルトヘイト(人種隔離政策)の影を、少しずつ解消していくことだった。
マンデラが注目したのが、ラグビーのワールドカップだ。
南アは開催国ではあるが、そのナショナルチーム「スプリングボクス」は決して強くない。
マンデラはボクスを応援する。
主将のピナール(マット・デイモン)もまたマンデラを敬愛するようになり、選手たちの意識も徐々に変化していく。
やがてワールドカップ開始。
その熱狂。
ボクスは、ついにニュージーランド代表との“運命の一戦”を迎えるのだ。
まず、このドラマチックな物語が、実話であることに驚く。
マンデラの、政治家としてだけでなく、人間としての魅力も十分伝わってくる。
そして、何より、ラグビー試合のシーンが素晴らしい。
その臨場感、選手たちの動きを追うカメラワーク、憎いほど緩急のツボを押さえた編集。
トータルでいえば、やはりイーストウッド監督の演出は見事だ。
試合中も何度か泣きそうになった。
その前に、黒人の子どもたちが選手たちに駆け寄ってくるシーンで泣けてきた。
「インビクタス」は、獄中のマンデラを精神的に支えた、ウイリアム・アーネスト・ヘンリーの詩のタイトルだ。
その詩の最後の部分には、こう書かれている。
I am the master of my fate:
I am the captain of my soul.
私は我が運命の支配者、
我が魂の指揮官なのだ