碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

連休初日の本屋さんで・・・

2022年04月30日 | 本・新聞・雑誌・活字

 

連休の初日、

本屋さんに行ったら、

沢木耕太郎さんの『作家との遭遇』が

新潮文庫の

「新刊」として

出ていたので、

入手しました。

 

2018年の単行本には

23人の作家が

登場していたのですが、

この文庫では19人。

 

カポーティなど

4人の外国人作家が、

”収納”の都合で

入らなかったようです。

 

でも、

井上ひさしさんに始まる

19人のラインナップは

十分魅力的で、

作家論として、

また

連休中の読書への

入口としても

最適かもしれません。

 


【気まぐれ写真館】見上げれば、 藤の花

2022年04月29日 | 気まぐれ写真館

 


「パンドラの果実」新機軸のサイエンスミステリー

2022年04月28日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

ディーン・フジオカ主演

「パンドラの果実」

ありがちな設定の一作と思っていたら…

 

科学捜査物と聞き、ありがちな一作と思っていたので驚いた。「パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~」(日本テレビ系)は、新機軸のサイエンスミステリーだ。

第1話。ロボット開発会社の経営者が社内の密室で殺害される。死因は呼吸困難だった。被疑者は介護ロボット、LEO(レオ)。何と「私が殺しました」と自白したのだ。

捜査を担当するのは、新設された「科学犯罪対策室」。メンバーは警視正の小比類巻(ディーン・フジオカ)、ベテラン刑事の長谷部(ユースケ・サンタマリア)、そして協力者の天才科学者・最上(岸井ゆきの)だ。

まず、介護ロボットの犯罪というSFチックな設定を、現実にあり得る出来事として物語化していく手腕が見事だった。最先端の科学技術はどこまで進んでいるのか。それを応用した犯罪に、従来の捜査システムで対応できるのか。いわば、このドラマの世界観を視聴者に知らしめた形だ。

次に、「科学に対する認識」という深いテーマにも注目だ。小比類巻は、亡くなった妻(本仮屋ユイカ)の遺体を密かに海外で冷凍保存し、未来に運命を委ねている。そんな彼にとって科学は「希望の光」だ。

一方、科学が人類に対する最大の脅威であることを知る最上は、科学を「絶望の闇」と考えている。この2人の対比が、今後の物語展開に奥行きを与えていくはずだ。

(日刊ゲンダイ「テレビ 見るべきものは!!」2022.04.27)

 


言葉の備忘録280 みんな・・・

2022年04月27日 | 言葉の備忘録

すみっコぐらし「とかげ(本物)」

 

 

 

みんな 好きに 生きて

 

 

津野海太郎

新潮社『波』2022年4月号

 

 


TVerが、CMで「同時配信」アピール

2022年04月26日 | 「日経MJ」連載中のCMコラム

 

 

歴史的転換、本音で決意

TVer「もっと、今をつなぐテレビへ。」

 

2022年4月11日は放送史に刻まれることになるだろう。

この日、民放テレビ局10社の番組が、放送と同時にインターネットでも見られるようになったのだ。TVer(ティーバー)でのリアルタイム同時配信である。

1953年にテレビ放送が始まって以来、番組は電波を受信してテレビ受像機で見るものだった。

もちろん、これまでも録画や転送による視聴は可能だったが、テレビ以外でのリアルタイム視聴は出来なかった。今回の取り組みは歴史的大転換と言える。

これを告知するCMが「もっと、今をつなぐテレビへ。」のシリーズだ。

出演はテレビの申し子、笑福亭鶴瓶さん。印象的なモノクロ画面の中、テレビというメディアの現在について、本音で語る。

たとえば「テレビは変わらにゃあかんて、何年言うとんや。でも、ほんまに変わるんなら今やと思うで」。

また、「テレビって何なんやろな。(自分は)見てる人の青春になりたいて思てるけど」。

確かに、テレビもこれからが第2の青春かもしれない。

(日経MJ「CM裏表」2022.04.25)


【気まぐれ写真館】 朝の三日月

2022年04月25日 | 気まぐれ写真館

2022.04.25

 

 


日刊ゲンダイで、「元局アナの転身」について解説

2022年04月24日 | メディアでのコメント・論評

 

 

 

富川悠太→トヨタ、久代萌美→吉本興業

元局アナが選んだ

「企業専属」ウィンウィンの構図

 

この春、テレビ局を去ったふたりのアナウンサーが新天地で始動した。  

テレビ朝日を3月末で退社した富川悠太(45)は、自身の公式サイトを開設。「トヨタ自動車の所属ジャーナリストとして新たな一歩を踏み出しました」と報告。「これまでの現場経験を生かした『本当のこと』への追求と挑戦を続けていく覚悟です」と記している。

一方、フジテレビを3月末で退社し、吉本興業とマネジメント契約を結んだ久代萌美(32)は20日、東京本社で行われた「吉本興業110周年感謝祭 西川きよしのコツコツ全国ツアー」発表記者会見で司会を担当。お笑い芸人の陣内智則(48)と一緒にソツのない進行ぶりをみせた。

さるキー局関係者はこう話す。

「富川アナはいずれ、トヨタの公式ユーチューブチャンネル『トヨタイムズ』に出演するでしょう。久代アナはこうした吉本主催の記者会見で重宝される他、この春、吉本興業が立ち上げた『BSよしもと』の専属になるとみられています」

「企業メディア専属アナ」はこれから増える可能性

ふたりに共通するのは、従来のように、フリーまたは芸能事務所に所属して他の場所で活動するのではなく、自社メディアのお抱えアナウンサーになるという点だ。

メディア文化評論家の碓井広義氏はこう話す。

「メディアの中心が、テレビの地上波やラジオなどからインターネットに移りつつある中、参入のしやすさから、企業がネットで自前の動画メディアを持つことも一般的になりました。当然、そこではプロが必要になってきますから、こうした流れは増えそうです。運営する側にとっては、タレントやフリーアナを使うより安上がりというメリットがあります。一方、元局アナにとっては、フリーでやっていくよりも、安定した仕事と収入を得られるというメリットがあるでしょう」  

企業による自社のユーチューブチャンネル開設は定着。BS放送でも、この春、よしもとの他にジャパネットたかたの「BSJapanext」や「BS松竹東急」が開局している。賞味期限の短いキー局のアナウンサーにとって、スキルを生かして「企業メディア専属アナ」を選択することは、“第二の人生”として悪くなさそうだ。

「アナウンサーにとっては活躍の場を奪われることは一番の屈辱です。元NHKの大越健介キャスターの起用で『報ステ』の出演日を減らされていた富川アナ、そして昨年7月にネットワーク局に異動となっていた久代アナにとっては、渡りに船だったはずです」(前出のキー局関係者)

■トヨタ所属ジャーナリストって?  

ただ、前出の碓井氏は富川アナの「肩書」に関しては疑問を呈する。

「公式サイトで自身を『ジャーナリスト(トヨタ自動車所属)』と言っているのは、いささか盛りすぎですね。企業に所属している時点で、それは文字通り企業のアナウンサー=広報マンです。言いたい気持ちもわからなくはないですが、本職のジャーナリストが聞いたら噴飯モノでしょう」  

富川アナはトヨタが不祥事を起こした場合にどうジャーナリスト魂を発揮するのか、けだし見モノである。

(日刊ゲンダイ 2022.04.23)


今日は、シェイクスピアの「誕生日」で「命日」

2022年04月23日 | 日々雑感

 

 

ウィリアム・シェイクスピア

(1564.4.23~1616.4.23)

 

 


言葉の備忘録279 あわてなくて・・・

2022年04月22日 | 言葉の備忘録

 

 

 

「あわてなくて良い。ゆっくりでいいよ」

 

 

  倉本 聰『ニングルの森』

 

 


言葉の備忘録278 そうしてぼくは・・・

2022年04月21日 | 言葉の備忘録

 

 

 

そうしてぼくは、ほんとうにいつまでもいつまでもしゃがみこんでいたんだ。門柱に背中をくっつけ、両腕で膝頭を抱えこんで、そしてやがてすっかり眠くなって働かなくなった頭の中で、ぼくは断固として牛乳を持っていくんだとそればっかり馬鹿みたいに繰り返しながら。

 

庄司 薫 『さよなら快傑黒頭巾』

 

 


高橋一生「インビジブル」柴咲コウともに新境地、オリジナル脚本への期待が高まる

2022年04月20日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

「インビジブル」

オリジナル脚本への期待が高まる

 

連続ドラマは初回が勝負だ。その初回も第1ブロックが決め手となる。どんな人物たちによる、どんな物語なのかを、魅力的に提示しなければならないからだ。その意味で、15日にスタートした「インビジブル」(TBS系)は見事だった。

 


【書評した本】 久坂部 羊『人はどう死ぬのか』

2022年04月19日 | 書評した本たち

 

 

上手に死ぬためのコツ

生を考える一冊

 

久坂部 羊『人はどう死ぬのか』

講談社現代新書 990円

 

ある年齢に達すれば、死について考えなくてはならない機会は増えてくる。とはいえ、出来れば目を背けておきたいという後ろ向きの気持ちも消すことが出来ない。

そんな迷える子羊たちに最適の本が出た。久坂部羊『人はどう死ぬのか』は、医師で小説家である著者にしか書けない「死に関する新しい教科書」だ。

著者は高齢者医療の現場や在宅医療のクリニックを経験し、がんの終末期医療にも取り組んできた。死の実際を踏まえ、医療の限界や過剰な医療の弊害を率直に語っていく。

伝えているのは「病院での死に比べて、在宅での死がいかに穏やかかつ自然か」である。

思えば昭和時代の前期まで、多くの人は自宅で死を迎えていた。医療が進歩し、死が病院の中に隠されたことで、死は得体の知れない恐怖になった。

しかも、その恐怖は幻影であり、死を押しとどめようとする医療こそが、逆に悲惨な状況を作り出しているそうだ。

最期を迎えるに際して、著者のアドバイスは「高度な医療は受けないほうがいい」。つまり、病院に行かないことだ。

上手な最期を手に入れるコツは「死を受け入れること」であり、「死は目が覚めない眠りと同じだ」と考えるようになったと言う。

さらに、著者が同じ医師だった父から受け継いだという、上手に死ぬための秘訣がある。それが「足るを知る」だ。

死について学ぶことは、生を考えることでもある。家族で回し読みすることを勧めたい一冊だ。

(週刊新潮 2022.04.21号)

 


【気まぐれ写真館】 ひよこちゃんバス

2022年04月18日 | 気まぐれ写真館

ドリームトミカ「ひよこちゃんバス」

日清食品 元祖鶏ガラ チキンラーメン

 


【気まぐれ写真館】 4月の満月「ピンクムーン」

2022年04月17日 | 気まぐれ写真館

2022年4月16日23時 撮影


言葉の備忘録277 物語の・・・

2022年04月16日 | 言葉の備忘録

 

 

 

物語のよしあしを決めるのは、

物語のもつ色だと思う。

ひとの心の奥を輝かすような物語のなかには、

時間が透きとおってくるような色がある。

いい物語には、

日々を輝かす色がある。

愛しいとしか言えないような色がある。

 

 

長田 弘 『私の好きな孤独』