碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

産経新聞で、高視聴率で終わった「花子とアン」についてコメント

2014年09月30日 | メディアでのコメント・論評

NHK朝ドラ「花子とアン」期間平均21・6% 
関西は「ごちそうさん」超えならず

27日に放送が終了したNHK連続テレビ小説「花子とアン」の全156回を通じた平均視聴率が、関西地区21・6%で、過去10年で最高だった前作「ごちそうさん」(21・7%=速報値21・8%)に次ぐ数字だったことが29日、ビデオリサーチの調べで分かった。

関東地区は22・6%で、「ごち-」の22・4%を抜いて、過去10年で最高となった。吉高由里子さん(26)ふんするヒロイン・村岡花子翻訳の「赤毛のアン」出版記念を祝った最終回の平均視聴率は関西22・8%、関東22・3%だった。

3月31日放送の初回視聴率は関西18・1%、関東21・8%だったが、関西でもすぐに20%を超え、東西とも週間ランキングの上位を常に独占するなど、終始安定していた。

元テレビプロデューサーで上智大学の碓井広義教授(メディア論)は「『赤毛-』は知っていても、花子を知る人が少ないので心配したが、世紀のスキャンダルといわれた白蓮事件を折り込み対比させることで、大正・昭和を自力で生きる女性を素直な形で表現できたのが、視聴者の支持を得たのではないか」と分析。

吉高さんは「花子として過ごしてきた時間は心から愛おしい日々でした。多くのみなさんに支えられ、感謝の気持ちでいっぱいです。また、お会いできるときまで、心を込めて『ごきげんよう、さようなら』」とのコメントを出した。

(産経ウエスト 2014.9.29)


宇宙人ジョーンズも見守っている、この国(惑星)のテレビ

2014年09月30日 | 「日経MJ」連載中のCMコラム

日経MJ(流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。

今回は、サントリーのプレミアムボス「テレビ局編」を取り上げました。


サントリー食品「プレミアムボス テレビ局編」

宇宙人見守る
テレビの裏側

こんな辛口批評がテレビから聞こえてきた。「妙に真面目ぶった番組もあれば、ひたすらクダラナイ番組もある」。うん、確かに。

「視聴率と呼ばれる尺度が重視され評価も決まる」。これもその通り。続いて「ただ、あるとついつい見てしまう」。本当にそうだ。

さらに、「この惑星のテレビは缶コーヒーとどこか似ている」と言われて、思わずニヤリである。

トミー・リー・ジョーンズさん主演の「宇宙人ジョーンズ」シリーズ。今回は出入りの花屋さんに扮してテレビの裏側を見つめている。

カンペ(カンニングペーパー)を書きかけのまま、長椅子で寝てしまったアシスタント・ディレクター)も実にリアルで可笑しい。

どんな番組も、それを支えているのは人だ。出る人、作る人の思いやエネルギーが見る人の気持ちを動かす。

流れては消えていくテレビだからこそ、もっと本気で伝えるべきだし、もっと真剣に遊ぶべきなのだ。宇宙人ジョーンズも見守っている。 

(日経MJ 2014.9.29)


昭和の作家たちに会える、阿川佐和子『あんな作家こんな作家どんな作家』

2014年09月29日 | 書評した本たち



「うーん、上手いなあ」と思わずつぶやいてしまった。

阿川佐和子さんの文庫新刊『あんな作家 こんな作家 どんな作家』(ちくま文庫)だ。

名だたる作家にインタビューして、エッセイ風の文章にまとめる。

これ、なかなか難しい仕事ですよね。

読者って欲張りだから、その人の“人となり”と作品についてはもちろん、過去から現在(書いた時点での)までの軌跡や、“ここだけの話”も欲しくなる。

それを短い文章で、それも読ませる文章で仕上げるのだ。

ベースにあるのは、相手を構えさせず、媚びず、また慇懃にならずという、やっぱり阿川さんの“聞く力”です(笑)。

単行本が講談社から出たのは1992年。

60名近い作家が並んでいるが、20年以上が過ぎた今、こうして文庫本で読むと、亡くなった方々も多い。

松本清張、吉村昭、森瑤子、吉行淳之介、遠藤周作、井上ひさし、そして山口洋子も・・・・。

でも、この本の中では阿川さんのペンによって、実在している。

人物像も、肉声も、ここにある。

ありがたくて、ちょっと不思議な感じです。

ところで、ってのもヘンだけど、この本のタイトルが、童謡『汽車ぽっぽ』の歌詞「なんだ坂、こんな坂、なんだ坂、こんな坂」からきた、阿川さんお得意の駄ジャレだってことは、ちゃんと通じているのでしょうか(笑)。

この『汽車ぽっぽ』を作詞・作曲した本居長世は、国学者・本居宣長の、直系じゃないけど子孫だったはず。

余談ですが。


BSジャパン「金曜オトナイト」で阿川さんと


ということで、今週の「読んで書評を書いた本」は次の通りです。

池井戸潤 『銀翼のイカロス』 ダイヤモンド社

佐藤 優 『「知」の読書術』 集英社インターナショナル

北村龍平 『映画監督という生き様』 集英社新書 

小澤征爾 『おわらない音楽~私の履歴書』 日本経済新聞出版社

高須基仁 『慶應医学部の闇』 展望社 

早瀬利之 『石原莞爾 アメリカが一番恐れた軍師』 双葉新書 

* これらの書評は、
  発売中の『週刊新潮』(10月2日号)
  読書欄に掲載されています。




【気まぐれ写真館】 千歳市・柳ばし「特製 塩レモンのチキンソテー定食」

2014年09月28日 | 気まぐれ写真館

【気まぐれ写真館】 札幌の街角で~ギャツビー・ガール!?

2014年09月28日 | 気まぐれ写真館

【気まぐれ写真館】 今週の「木村愛里さん」

2014年09月28日 | 気まぐれ写真館

HTB「イチオシ!モーニング」で・・・

2014年09月28日 | テレビ・ラジオ・メディア

土曜日の「イチオシ!モーニング」は、野球解説の岩本さんによる「ファイターズ情報」が目玉。

前日の試合の勝敗は、スタジオの盛り上がりに、大いに関係します。

とはいえ、たとえ昨日のように8対1でロッテに負けた翌朝であっても、岩本さんの話を聞いていると、負けた気がしません(笑)。

それと、今回は、「金子誠選手の引退発表」というビッグニュースもあり、これまた岩本節が炸裂。



ニュースのコーナーでは、小学校5年生から「英語を教科に」という文科省有識者会議の提言についてコメントしました。

小学校の先生も「中学英語免許」を持つ必要が出てくること、英語の授業を置くために何を削るのかなど、課題はあれこれあります。

大学もまた英語による講義を増やし、外国人教員も増加するなどの方向で動いており、国を挙げての「教育のグローバル化」はますます進みそうです。

大事なのは、その「狙い」でしょう。

小学校から大学までの教育を通じて、この国の経済に資するための、いわゆる海外向けビジネスマンを大量生産しようとしているだけではないといいのですが・・・・。



土曜日MCの木村愛里さん&依田アナウンサー



ファイターズガールの和音さん、野球解説の岩本さん



スポーツ担当の室岡アナウンサー


【気まぐれ写真館】 今週の「国井美佐アナウンサー」

2014年09月27日 | テレビ・ラジオ・メディア

【気まぐれ写真館】 HTBの精鋭たち!?

2014年09月27日 | テレビ・ラジオ・メディア

HTB北海道テレビ「イチオシ!」で・・・

2014年09月27日 | テレビ・ラジオ・メディア
「イチオシ!」MCの国井アナとヒロ福地さん

札幌に来ています。

9月末の札幌。

やはり空気が違います。

爽やか、というか涼しい(笑)。

HTB「イチオシ!」で、コメンテーターです。



2020年の東京オリンピックと地方について話をしました。

基本的にオリンピックは開催する「都市」のものですが、東京だけを見て帰ってもらうのはモッタイナイ。

地方は今から、いわば「五輪ツーリズム」みたいなものを準備すべきだと思います。



いつもスタジオでお会いするオクラホマの河野さんが、全国ライブツアー中で不在のため、そのトレードマークである「半そでシャツ」を代行したのですが、空調の効いたスタジオでは、さすがに涼し過ぎでした(笑)。


27日(土)は朝7時から、「イチオシ!モーニング」生出演です。

よろしく、お願いします!

【気まぐれ写真館】 札幌 気温16度

2014年09月27日 | 気まぐれ写真館

朝日「次期社長」騒動についてコメントした「週刊新潮」記事全文

2014年09月27日 | メディアでのコメント・論評
先日、朝日新聞「次期社長」騒動に関するコメントが掲載された、「週刊新潮」の記事が新潮社サイトにアップされました。

全文が読めるようになったので、以下に転載しておきます。


【朝日新聞】社長辞任が先延ばしで勃発する
「政治部」「社会部」覇権争い

退任時期を先延ばしにした木村社長のせいで、目下、朝日の社内では覇権争いが勃発。次期社長レースで、「政治部」と「社会部」がつば迫り合いを演じているという。しかし、コップの中の嵐に終わってしまっては、世間の冷たい視線は収まらない。

9月11日の謝罪会見で、木村社長は、改革の道筋がついたら進退を決めるとしたものの、その時期については明らかにしなかった。

同社の幹部社員が言う。

「社内で入り乱れる諸説のうち、今年いっぱいでの退任というのが、最も有力視されている。さすがに、年を跨いで居座ることはないだろうと。ただ、その間、木村社長がレームダックとなるのを見越し、早くも覇権争いが始まっているのです」

現在、次期社長レースでデッドヒートを繰り広げているのは、持田周三常務(59)と佐藤吉雄常務(56)の2人だという。

「長野“虚偽メモ問題”のとき、編集局長だった木村社長とともに処分を受けたのが、政治部長を務めていた持田さんでした。政治畑である木村社長の子飼いと見られている人物です。ただ、秋山耿太郎前社長の不興を買い、一度はテレビ朝日系列の北海道テレビに左遷されました。ところが、木村社長が昨年6月に呼び戻すと常務に大抜擢し、一躍、次期社長の最有力候補となったのです」

■外部招聘

なのに、なぜ、すんなりと、持田“新”社長誕生とはならないのか。

別の幹部社員によれば、

「池上問題でヘタを打った杉浦前編集担当役員をはじめ、渡辺勉編成局長や『吉田調書』報道を担当した特別報道部のデスクも政治部出身です。社内では、政治部のおかげで、世間の批判に晒されたという不満が鬱積しているのです」

そのため、“政治部支配”を打破すべく、とりわけ、社会部出身のグループが勢力拡大を図っているという。

「例えば、社会部OBには謝罪会見に出ていた喜園尚史広報担当執行役員、福地献一取締役社長室長などがいる。そんな社会部畑の連中が次期社長にと推しているのが、佐藤常務なのです」(同)

佐藤常務は東京本社の社会部デスク、部長代理などを経て、役員就任後はデジタルビジネスや新規事業開発部門を担当している。

「朝日ではかつて1人しか社会部出身者が社長に就任したことはない。確かに、佐藤常務が次期社長になれば、世間に社風刷新もアピールできるかもしれません」(同)

とはいっても、所詮は単なる社内抗争に過ぎない。

上智大学の碓井広義教授(メディア論)が指摘する。

「笹川一族の世襲批判を受けた日本財団が、曽野綾子さんに会長就任を要請したように、朝日は外部からの招聘も考慮すべきです。それこそ、コラム掲載のトラブルをなにかの縁として、池上さんに社長になってもらうのはどうでしょうか。世間の朝日を見る目も一瞬にして変わるはずです」


それくらいしなければ、朝日の独善的な体質は改善できないのだ。


「特集 十八番の「自虐」はどこへ行った? 『朝日新聞』謝罪が甘い!!!」より

(週刊新潮 2014年9月25日号掲載)

【気まぐれ写真館】 羽田空港 2014.09.26

2014年09月27日 | 気まぐれ写真館

週刊新潮で、「松田龍平・翔太」兄弟についてコメント

2014年09月26日 | メディアでのコメント・論評

発売中の「週刊新潮」最新号に、俳優の松田龍平・翔太兄弟に関する記事が掲載されました。

この中で、コメントしています。


記事タイトル:
「松田優作」の背中が遠い 「龍平」「翔太」芸能界の明暗

亡き父の後を追って、着実に芸能界での地歩を固めつつある長男・龍平さん(31)に対して、次男・翔太さん(29)は、という内容ですね。

例によって、記事全体は本誌をご覧ください。

以下、私のコメント部分です・・・・

「龍平さんは2007年に出演したNHKのドラマ『ハゲタカ』で評価が高まった。龍平さんが演じたIT企業の社長は、何を考えているか分からず、捉えどころのない男。普段は笑顔も見せないが、一旦〝やる〟と決めたら突き進む。そういう役柄を演じている時の彼は、父である松田優作を思わせるものがあります」

と、上智大学の碓井広義教授(メディア論)は語る。

「ですから、龍平さんと翔太さん、どちらが親父に近いかといえば、それは龍平さんの方だと思います。その表情からは読み取れないものの、きっと内面では色々な葛藤を抱えているんだろうな……。そんな思いを、彼は見る人に抱かせることができる。そういった演技は父親譲りだと思います」


・・・・続いて翔太さんについてですが、記事によれば、出演したフジテレビ『海の上の診療所』の収録現場で「俺はこんな役やりたくねえ」とゴネたとか、事務所の移籍問題などに触れています。

で、翔太さんの今後について、私のコメントは・・・・

先の碓井教授の話。

「個人的な意見としては、翔太さんは兄と同じ事務所に移ったことだし、一度兄と共演してみるといい。兄弟でぶつかり合うことで翔太さんの力も湧くだろうし、起爆剤になるはず」


(週刊新潮 2014.10.02号)


・・・・記事は、「草葉の陰の父もそれを望んでいるに違いない」と締めくくられています。

龍平さんはもちろんですが、翔太さんもいい役者ですので、ぜひ、いい方向に行ってほしいと思っています。

いや、ホントに(笑)。

見てソンはない航空サスペンス『フライト・ゲーム』

2014年09月25日 | 映画・ビデオ・映像



かなりのヒコーキ好きということもあり、とにかくヒコーキが出てくる映画は大歓迎。

特に“航空サスペンス”は、必ずと言っていいほど見てしまいます。

中には、ジョディ・フォスター主演の『フライトプラン』みたいな、「あらま、ハズレだ」の作品もありますが(笑)、まあ、ヒコーキが飛んでいてくれれば良し、としたりして。

公開中の『フライト・ゲーム』ですが、これは面白かった。

いわゆる“めっけもん”です。

ヒコーキという密室が巧みに生かされていました。

ニューヨークより146人の乗客乗員が搭乗した、ロンドンへと向かう旅客機。その警備を任されている連邦保安官ビル・マークス(リーアム・ニーソン)のもとに、1億5,000万ドルを指定口座に入金しなければ20分おきに機内の人間を1人ずつ殺害するという異様な犯行予告メールが届く。限定されたネットワークからメールが送信されたことから同僚が犯人ではないかと思いつつ、犯人の特定に奔走するビル。そしてメールの内容通りに、機内で1人ずつ人が命を落とす。やがて、地上から犯人が指定した口座はビルのものであることが判明する。

一見、あり得ないような設定なのに、いつの間にかストーリーに呑み込まれている。

やはり脚本がよく出来ているんですね。

そこが『フライトプラン』との違い(笑)。

リーアム・ニーソン、62歳。頑張ってます。