碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

生放送の“司会”に挑戦!?

2009年08月31日 | テレビ・ラジオ・メディア

札幌に到着。

台風による混乱を避けて、予定していた便よりも早い飛行機に乗ってきた。

真っ先に立ち寄ったのは、いつものそば処「まる山」本店。

注文は、もちろん、いつもの「鴨せいろ」だ。

「つゆ」の味がいい。そのつゆと相性のいい細めの「めん」がいい。

例によって、そば湯まで残さずいただき、本日も満足でした。


さて、明日、あさっての2日間、UHB北海道文化放送「のりゆきのトークDE北海道」の出演がある。

しかも、番組の顔である佐藤のりゆきさんが夏休みのため、何と、私が“代打”で司会者席に座らせていただくのだ。

えらいこっちゃ(笑)。

とはいえ、隣には優秀な水野悠希アナがいて下さるので、進行上の不安はない。

まあ、普段のコメンテーターはともかく、司会は初体験なので、多少のことはご容赦いただきましょう。

それにしても、素人の私に、占拠率30%を超える人気番組の司会をさせちゃう制作陣の大胆さに、びっくりだ。

生放送なので、何が起きるか分からない。

これはもう楽しむしかないですね。

「24時間テレビ」と選挙報道

2009年08月31日 | テレビ・ラジオ・メディア
メディアも予想していたとはいえ、民主党300議席超えは壮観。

山は動いた、のかな。

政権政党となれば、これからが大変だが、とにかく民意としては「やってみなはれ」だったわけで、民主党は頑張るしかない。

昨夜、選挙特番をハシゴをしていて、やはり異様だったのは、20時から21時までの日本テレビだ。

20時から各局で選挙特番が始まり、開票速報を伝える中で、ただ1局、顔を苦痛で歪ませた女性お笑い芸人が足をひきずるようにして走る姿を映し続けていた。

やがて「サライ」を加山雄三が歌い切るまで、選挙特番は“オアズケ”だったのだ。

選挙が30日と決まった時点で、「24時間テレビ」の短縮とか、内容変更とか、なぜしなかったのだろう。

この日、この時間に、テレビが“生放送”でやるべきことは何だったのか。

そう問われたら、どう答えるのだろう。

“希望の朝”が来たのか!?

2009年08月30日 | 日々雑感

朝だ。

小学生時代の夏休み、早起きして、神社までラジオ体操をしに行った。

♪新しい朝が来た 希望の朝だ~

体操を始める前に、ラジオから必ずこの曲が流れ、皆で歌った。

2009年8月30日の朝が来た。衆院選の朝だ。

焦点は、やはり政権交代。

今日一日、夜の選挙特番も含め、メディアは賑やかだろう。

しかし、思えば不思議な選挙だ。

何しろ、吉田茂の孫と、その政敵だった鳩山一郎の孫がぶつかっているんだから。

昭和21年に、GHQからパージを受けた当時の自由党総裁・鳩山一郎が、後を託したのが吉田茂である。

鳩山としては、「パージが解けた暁には政権を譲ってくれよ」という思いだったはずだが、もちろん吉田はそうしなかった。

鳩山からみれば裏切り。吉田のほうは「そんな約束はしていない」。

真相は藪の中だが、今、こうして双方の孫が“政権交代”を争っている。

めぐり合わせというか、因縁というか。

いや、それより、ご先祖や血の因縁が子孫を動かすとしたら、横溝正史の小説を思わせる(笑)。

「犬神家の一族」ならぬ「吉田・鳩山家の一族」。

それとも「自由党の一族」か。

まあ、そんな“コップの中”みたいな話では困るのだ。


今朝が、本当に“新しい朝”となり、“希望の朝”となるのかどうか。

まずは、今から投票所へ行ってきます。

今年前半を締めくくる恩師との“祭り”

2009年08月30日 | 日々雑感

信州は、晩夏というより、初秋の気配が強い。

遅ればせながら、ようやく父の墓参りができた。

墓石に水。母が庭から切ってきてくれた花。お線香。そして合掌。

胸の中で、前回の墓参以来のことをあれこれ報告する。

自分の中では、これでようやくお盆が終わり、今年の前半が終了した感じだ。

また、墓参りと共に、中学以来の恩師・はまみつを先生にお会いできたことも、その思いを強める。

毎年、お盆とお正月に先生を訪ね、半年分のお話をうかがい、自分もこの半年のあれこれをお話をさせていただく。

もう40年も続いている、いわば“祭り”であり、“儀式”のようなものだ。

奥様の手料理を肴に、二人で延々と飲んで、話す、幸せな時間。

これで今年の後半戦へと向うことができる。

今回、先生からいただいたお土産は『宮口しづえ童話名作集』(一草舎)。

はま先生の先生ともいえる童話作家で、「ミノスケのスキー帽」などで知られる宮口先生の作品集だ。

生誕100年、没後15年を記念しての出版であり、はま先生が編者(選者)を務めた一冊である。

ちなみに、宮口先生の先生は、あの島崎藤村。

ということは、私は藤村の”ひ孫弟子”?(笑)

1952年製のレコードプレーヤー

2009年08月28日 | 日々雑感

久し振りで弟と会った。

この何年か、弟がハマっているのは、古いオーディオ機器。

ラッパ型の蓄音器にはじまり、戦前のレコードプレーヤー、そして70年代のラジカセまでが何台もコレクションされている。

今日、見せてもらった“最近のお宝”は、1952年製の日本コロンビアのレコードプレーヤーだ。

これをデザインしたのは、あの柳宋理。

毎日新聞が主催していた第1回「工業デザインコンクール(現在の毎日デザイン賞)」の第1席に輝いている。

こうして実物を眺めてみると、和風と洋風の巧みな融合というか、バランスというか、その温かみのあるデザインは、かなり素敵だ。

しかも、ちゃんと使える。

ラジオはもちろん、レコードも聴くことができる。

弟は、入手した後、故障個所を丁寧に修復したそうだ。

彼は、私とは真逆のバリバリの理系。これまた私と正反対で手先が超器用である。


「こういうのって、何マニア?」と訊いたら、「僕の場合、レコードプレーヤーの歴史を、元から辿りたいだけなんだよね」とのお答え。

まあ、よくは分からんが(笑)、“レコードプレーヤー好き”なんだろう、きっと。

これで50年代当時のレコード(こちらも大量のコレクションがある)を聴かせてもらった。

うーん、いい感じではないですか。

兄弟で、自分たちが生まれる前のプレーヤーで、生まれる前のレコードを聴いているのも、なかなかオツなものでした。

医療ドラマに臨場感

2009年08月27日 | メディアでのコメント・論評

今日の『読売新聞』夕刊で、医療ドラマをめぐってコメント。

記事のタイトル:
医療ドラマに臨場感~医師らが制作全般に関与

医師や専門家が医療ドラマを監修するだけでなく、演技指導など全般に加わる例が増えている、という内容だ。

現在は「救命病棟24時」「赤鼻のセンセイ」などがオンエア中だが、医療ドラマは連ドラの視聴率ランキングの上位に入ることが多い。

以下が、私のコメントだ。


命を扱う緊張感があり、物語の起伏があり、最後は命が救われる爽快感もあり、ドラマとして心地いい。

そこに専門家の厳しい監修による臨場感が加わることで、視聴者の本物志向も満たした。


・・・というわけで、白衣に身をつつんだ医師たちが活躍する医療ドラマは、いわば監修付きの“変身ヒーロー物”なのであります。

「バンキシャ!」検証番組に関するコメント

2009年08月26日 | メディアでのコメント・論評

23日に放送された「バンキシャ!」検証番組に関して、今日発売の『日刊ゲンダイ』でコメントしている。

記事のタイトル:
やっと幕引きとなった日テレ「バンキシャ!」誤報検証の疑問点

記事では、まず検証番組の内容を紹介。

その上で「いくつか疑問点もあった」と書く。

放送まで2週間もあったのに、取材不足だったこと。

番組内の“当事者”インタビューでは、首から上がある者(顔出し・実名)、ない者(顔なし・匿名)が混在していたことなどだ。

私のコメントは・・・


番組では“なぜ”と思ったことがいくつかあった。

上司と部下のコミュニケーションが悪いというが、なぜか。

なぜ募集サイトを使ったのか。

裏付け取材をしなかったのは、なぜか。

もう一歩踏み込んで欲しかったというのが正直な感想です。


とはいえ、日テレとしては、これで幕引きであり、「バンキシャ!」は継続。高視聴率を稼いでくれる“優良番組”を守った、ということだろう。


ドラマ『気骨の判決』

2009年08月24日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』のコラム「テレビとはナンだ!」。

本日(24日)発売の掲載分では、NHKのドラマ『気骨の判決』について書いた。


<戦争特番減少の中で光っていたNスペ『気骨の判決』>

かつては、毎年8月15日前後に各局が“終戦特番”を放送したものだ。それがいつの間にか、あまり見かけなくなった。

今年も、民放でいえばテレビ朝日が15日の午後帯で「原爆~63年目の真実」を再放送し、フジが「土曜プレミアム」枠で映画「硫黄島からの手紙」を流したくらいだ。

日本テレビもTBSも“通常運転”である。

そんな中で光っていたのが16日夜のNHKスペシャル『気骨の判決』だ。

昭和17年に行われた衆議院選挙。各地で政府や自治体など組織ぐるみの選挙妨害が横行し、結果、翼賛候補者が大量に当選した。

このドラマは鹿児島二区での「選挙無効」の判決を下した実在の裁判長・吉田久の“戦い”を描いたものだ。

まず、この時代に法律家としての筋を通した吉田の存在に驚く。上司や司法大臣からの圧力にも屈せず、静かに信念を貫く姿を小林薫が好演している。

次に、上からの指示で妨害や干渉を行った人々が「国策に従って何が悪い」と憤ることの怖さと悲しさ。ドラマは、当時の“空気”というものを丁寧に再現していた。

これを制作したのはNHK名古屋だ。これまでも『鬼太郎が見た玉砕』や『最後の戦犯』といった“終戦ドラマ”の秀作を送り出してきた。

戦争が加速度的に風化していくことへの楔として、テレビに何が出来るか。今後も挑戦が続きそうだ。
(『日刊ゲンダイ』2009.08.25付け)

『バンキシャ!』検証番組、今夜放送

2009年08月23日 | テレビ・ラジオ・メディア

今日、18時からの日本テレビ『真相報道バンキシャ!』は、番組自らが起こした裏金誤報問題を扱うことになっている。

さらに深夜0時50分からは、「検証番組」も放送される。

どちらも、予告された放送スケジュールを、1週間延ばしてのオンエアだ。

日テレの実質的トップである氏家さんの“駄目出し説”なども飛び交っているが、なぜ1週間の延期が必要だったのかも、出来上がりを見れば分かるのではないか。

それほど、この2本の番組は、その“作り”というか、問題の“扱い”を間違えたら、番組だけでなく、日本テレビにとっても大変なことになるからだ。

テレビで起きた問題を、テレビで明らかにする。

それがどこまで行われたのか、注目だ。

“戦うオトーサン”の映画『96時間』

2009年08月22日 | 映画・ビデオ・映像

映画『96時間』を観てきた。

かなり楽しめた。

主人公は、17歳の娘を持つオトーサンである。

愛娘がパリ旅行に行き、彼の地の人身売買組織に誘拐されてしまう。

さあ、どーする? 

とはいえ、リーアム・ニーソン(『スター・ウオーズ エピソードⅠ』のクワイ=ガン・ジン)は、ただのオトーサンではない。かつては敏腕工作員だった男だ。

たった一人でパリに乗り込み、娘を救い出すため、それこそ獅子奮迅の働きをする。

シンプルといば、ほんとシンプルなストーリーだが、“戦うオトーサン” ニーソンが、とにかく凄い。

上映時間も93分という“短期決戦”だから、無駄なシーンもあらばこそ、押せ押せの展開で目が離せないのだ。

いやあ、はっきり言って、おススメであります。

『D坂の殺人事件』の”現場”へ

2009年08月21日 | 本・新聞・雑誌・活字

池袋から千駄木へと移動。

団子坂を歩く。

『D坂の殺人事件』は、明智小五郎が初めて登場する作品である。

その「D坂」とは、団子坂のことだ。

退屈を持て余す「私」は、明智小五郎と一緒に喫茶店にいて、アイスコーヒーなんか飲んでいる。

そして、道の向かいにある“古本屋”で起きた殺人事件に関わることになる。

当然のことながら、今の団子坂で、乱歩とその世界を探すことは困難だ。

「団子坂下」と「団子坂上」を何度か往復しながら、想像上で、明智たちの“冒険”を再現してみる。

古本屋の、ちょっと色っぽい女将さんの姿も、見えるといいのだが・・・。


D坂の殺人事件 (創元推理文庫)
江戸川 乱歩
東京創元社

このアイテムの詳細を見る


江戸川乱歩の土蔵、再訪

2009年08月21日 | 本・新聞・雑誌・活字

池袋に行ってきた。

目的地は、立教大学の近く、旧江戸川乱歩邸である。

中学生の息子の夏休みの課題で、戦前までの文学作品を1つ選び、その“ゆかりの地”を訪ねるというのがあり、彼に付き合ったわけだ。

乱歩の『D坂の殺人事件』を選んだので、まずは乱歩の“伝説の土蔵”を訪ねたのである。

以前、フジテレビ『ワーズワースの冒険』で乱歩を取り上げて、「乱歩が見た夢」という1本を制作した。

その際に、荒俣宏さんと一緒に、この乱歩邸に撮影に来ている。

懐かしい。

当時は、乱歩の息子である平井隆太郎先生もお元気で、乱歩の書斎でインタビューをさせていただいた。

「乱歩は、土蔵の中で、ロウソクの火を頼りに原稿を書いている」という“伝説”について、隆太郎先生にお話をうかがったのも、貴重な体験だ。

今、その書斎も、資料がぎっしり詰まっていた土蔵も、立教大学の管理となっている。

土蔵は、幻想とも怪奇とも無縁のような8月の日差しの中、そこにあった。

それでも、乱歩が最も愛した場所としての“オーラ”は、十分に感じられた。

”日常”への帰還

2009年08月20日 | 遥か南の島 2009~2012

無事、帰国。

さっそく、いつものセブンイレブンに寄ったりして。

戻ってみると、ついさっきまで南の島にいたことも、なんだか夢のような、現実じゃないような気分になる。

まあ、旅という体験は、きっとそんなもので、一旦、記憶の底に沈むんじゃないだろうか。

でも、いつもと変わらぬ日常の中で、ふと風景や香りや音なんかが甦る瞬間があって、それが自分を支えてくれたり、助けてくれたりするのではないか、と・・・

大学の仕事のあれこれや、溜まっている原稿や、しなくてはならない連絡のいくつかが一気に“始動”するが、しばらくは頑張れそうだ。

12日から書き続けた<旅日記>も、これにて、ひとまず終了です。

ラストナイト

2009年08月19日 | 遥か南の島 2009~2012

夕暮れ時、部屋にいると、外から賑やかな音楽が聞こえてきた。

ベランダに出てみたら、ホテルの中庭で、いわゆるフラのショーをやっている。

26年前、初めてオアフに来た際に、一度だけ見たことがある。

古(いにしえ)において、フラは地元の人たちが神と“交信”するためのものだったと思う。

その辺りのことは、荒俣宏さんのハワイを舞台とした小説『地球暗黒記』(角川文庫)にも出てきたはずだ。

そうそう、この『地球暗黒記』には、私も登場している(笑)。

巻頭の「登場人物紹介」に、「碓井広義 34歳の高校教師」と書かれていて、物語の中で“生きて”いるのだ。

今、眼下で行われている観光用のショーの中にも、何かしらフラ本来が持つ“奥深さ”を感じることはできる。

遥かなる南の島々に潜むチカラは、まだまだ計り知れない。


<エネルギー・チャージの旅>も、今夜がラストナイトとなる。

いろんなものに感謝しつつ、明日は帰国だ。

本日の“お宝”

2009年08月19日 | 遥か南の島 2009~2012

本日、街で見つけた“お宝”は、レゴの「スター・ウオーズ」ボールペン。

愛すべきR2-D2と、ダース・ベーダーの2本だ。

いや、もしかしたら、日本のレゴショップでも入手可能かもしれない。

しかし、発見したら嬉しくなって、即ゲット。

1本6$99のゼイタクである。