碓井広義ブログ

<上智大学教授のメディア時評> 見たり、読んだり、書いたり、話したり、時々考えてみたり・・・

11月1日(日)、「TBSレビュー」に出演します

2015年10月31日 | テレビ・ラジオ・メディア
MCの木村アナ、見学のゼミ生たちと


「TBSレビュー」
11月1日(日)
午前5時30分~6時

テーマ
「クレイージージャーニー 挑戦する深夜番組」

出席者
上智大学教授 碓井広義

進行
木村郁美アナウンサー




内容
その新しい視点と実験精神から、 若い世代を中心に評判となっている番組があります。「クレイジージャーニー」です。

スタジオで語られるゲストたちの話、そしてそれを映像化したVTRドキュメントは、どんな本にも書いていない驚くことばかりです。

一見、キワモノと思えるテーマも多いが番組全体に抑制が効いていて品性を保っています。そして番組を見た多くの人はこう思うだろう。こんな世界があるのか。こんな人間がいるのか。これこそテレビの醍醐味ではないか。

番組では極めて挑戦的な番組「クレイジージャーニー」を例に、人の話を伝えるテレビの力とはなにか。スタジオという空間で語られる人の話により心が動かされるのはなぜか。テレビトークが作り出す独自の世界とその魅力について探ります。


今週のHTB「イチオシ!」MCは高橋春花アナウンサー

2015年10月31日 | テレビ・ラジオ・メディア


お休み中の国井アナに代わって高橋アナ、ヒロ福地さん


真面目に原稿チェックのオクラホマ藤尾さん




【気まぐれ写真館】 紅葉の札幌 2015.10.30

2015年10月31日 | 気まぐれ写真館


週刊朝日で、秋ドラマ「オトナ女子」について解説

2015年10月31日 | メディアでのコメント・論評



篠原涼子「オトナ女子」は“時代遅れ”?

今季のドラマが出揃った。数字の上では「相棒」(テレビ朝日系)、「下町ロケット」(TBS系)がリード中だが、見どころはほかにもある。ドラマ評論家などが徹底分析した。

テレビウォッチャーの吉田潮さんが「切り口にハッとした」と言うのは、夫婦や恋人と楽しめそうな「偽装の夫婦」(日本テレビ系・水曜22時)。

こちらも初回14.7%と好スタート。45歳の図書館司書を演じる天海祐希が、ゲイの元カレ沢村一樹と偽装結婚する。脚本は「家政婦のミタ」や「○○妻」を書いた遊川和彦。天海と以前組んだ「女王の教室」は大ヒットした。吉田さんは言う。

「理想の夫婦を偽装の夫婦とモジったタイトルが興味を引くし、天海の本音が“字幕”の形で表現されて、その言葉にすかっとする」

たとえば、結婚準備をどんどん進める沢村の母に対し本音はこうだ。

<いい加減にしろよ、この暴走ババア>

内田有紀が演じる子持ちのレズビアンも登場するのだが、こうした設定も吉田さんは評価する。

「LGBTと呼ばれる多様な性は誰もが尻込みするテーマ。そこをやってのけるのは遊川さんならでは」

脚本でドラマ評論家の成馬零一さんが注目するドラマがもう一つ。2年半ぶりに連ドラ主演する篠原涼子が“アゲマンだが幸せになれないアラフォー女性”を演じる「オトナ女子」(フジテレビ系・木曜22時)。

「脚本の尾崎将也は『結婚できない男』や『アットホーム・ダッド』で、モテない男や主夫のようなニッチな題材を見つけた。強い女が定番化した篠原の弱さをどう描くか気になります」

ところが、ドラマが始まると内容以上に主人公のしぐさが「気になる」という意見が多かった。上智大学新聞学科の碓井広義教授(メディア論)も黙っていない。

「篠原さんが何度も長い髪をかき上げる。書き下ろしの脚本なのに、80年代後半のドラマを見ているかのような既視感と違和感が否めない。ドラマが視聴者をリードするはずが、3歩くらい時代から遅れている」


視聴者の戸惑いは、初回一桁(9.9%)という視聴率にも表れた。吉田さんは、初回を録画で2度見て髪をかき上げる回数を数えた。

「髪にちょっと触れるのも含めたら30回。癖というか演出だと思うんです、篠原さんの。大物になったので周囲が何も言えないのかも」

2年半前に篠原がフジで主演した「ラスト・シンデレラ」(平均視聴率15・2%)くらいに巻き返しできるか。

(週刊朝日 2015年11月6日号より抜粋)


週刊朝日で、秋ドラマ「相棒」「孤独のグルメ」「釣りバカ日誌」について解説

2015年10月30日 | メディアでのコメント・論評



「相棒」好調の理由は「GTO」のやんちゃな反町?

秋のドラマは豊作ぞろいだ。息の長いシリーズから、医療や刑事、婚活もの、初の連ドラ化まで、中高年に嬉しいドラマが目白押し。

さて、シリーズが14回目を迎え、4代目の新・相棒に反町隆史を迎えた「相棒」(テレビ朝日系・水曜21時)は初回視聴率が18.4%で2回目が17.6%と順調だ。

「ドラマにより強い個性が加わった。キャスティングの成功」と言うのは上智大学新聞学科の碓井広義教授(メディア論)。

今まで水谷豊が演じる右京の相手は、年齢差が大きかったり、警察内の階級差があったが、今回の相棒・冠城亘は警視庁へ出向した法務省キャリア官僚という設定。それが奏功し「ひけをとらずに張り合えるキャラ設定が新鮮」で、長く見続けている視聴者も十分楽しめると太鼓判を押す。

「シリーズが長いほど作り手の手腕が問われる。手を抜くと画面にそれが出るが、このドラマに関しては心配ない。警察ドラマでありながら人間像を掘り下げるというドラマの持ち味が、新設定で生きそうです」(碓井教授)


ドラマ評論家の成馬零一さんも、「近年、大人の俳優として渋い演技を見せていたが、『GTO』のころのやんちゃな反町が戻ってきた」と絶賛する。

「相棒は初回から15年の間に登場人物が何人も死んで、原形をとどめていない。でも過去にドラマに出てきた女将が、いつしか沖縄に移住して登場したり、なじみ客(長年の視聴者)が楽しめる部分もある」

水曜深夜から金曜深夜枠「ドラマ24」に“移籍”したのが「孤独のグルメ Season5」(テレビ東京系・金曜24時12分)だ。松重豊演じる井之頭五郎がふらっと飲食店に立ち寄る。B級的な店ばかりだ。

「変わってよくなる番組がある一方、変わらない安心感があるのがこれ」と碓井教授。「原作者・久住昌之さんが番組の最後に登場する定番のおまけつき。これができるのはコアなファンがついているから。視聴者の求めているものを知り、ニーズに応えるという番組のまじめさがわかる」

医療ものも今期、複数ある。医師で作家の久坂部羊原作のドラマが、「無痛~診える眼~」(フジテレビ系・水曜22時)と「破裂」(NHK・土曜22時)。2本同時期に進行中。「無痛」には「チーム・バチスタ」シリーズでも医師役を演じた西島秀俊が出演し、ハマリ役との声も高いが、テレビウォッチャーの吉田潮さんは「同じ原作者のものでもNHKは重厚感がある。仲代達矢さんの熟練演技に背筋もしゃんとなる」と話す。

でも吉田さんがより目を光らせるのは、「コウノドリ」(TBS系・金曜22時)だ。綾野剛が産婦人科医兼ピアニストという役を演じる。連載中の人気漫画のドラマ化だ。

「貧困や事故、喫煙依存などさまざまな事情の患者や家族を、綾野演じる医師と組むNICU(新生児集中治療室)や麻酔科の医師や助産師など“チーム医療”がどう支えるか。特に丁寧に描いてほしい」

演技力が求められるのは、ゲスト出演する患者。初回は未受診の妊婦を清水富美加が好演。

「綾野剛を特別にかっこいい医師として際立たせるのでなく、さりげなく描くほうが、ドラマ全体が輝くはずです」(吉田さん)

この秋注目したい作品の中に、「釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助」(テレビ東京系・金曜20時)がある。国民的人気シリーズの初の連ドラ化だ。映画で西田敏行が演じたハマちゃん役に濱田岳が抜擢され、西田は故・三國連太郎が演じたスーさんになる。番組プロデューサー・浅野太さんが起用の決め手について話す。

「二枚目ではないが、愛されるキャラがハマちゃん像。若手新入社員の役で演技もうまいとなれば、濱田岳さんしかいない。迷わずオンリーワンの指名でした」

お茶の間でおばあちゃん、おじいちゃんが孫と“安心して見られる”点でも、オンリーワンかもしれない。原作漫画も映画もすべて見てきたという碓井教授は、ドラマにこう期待を寄せる。

「老舗すし店で若い職人が握るすしを、大将が見守る。西田さんと濱田さんのそんな雰囲気が、ドラマを味わい深くしそうですね」


(週刊朝日 2015年11月6日号より抜粋)


今期ドラマの真打ち「下町ロケット」

2015年10月29日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今回は、TBS日曜劇場「下町ロケット」について書きました。


TBS系日曜劇場「下町ロケット」
その時、歴史だけでなく下町も動く!

今期ドラマの真打ち登場である。TBS系日曜劇場で放送中の「下町ロケット」、原作は池井戸潤の直木賞受賞作。脚本・八津弘幸、プロデューサー・伊與田英徳、演出・福澤克雄の「チーム半沢」が、期待通りの仕事を披露している。

主人公はロケット開発の研究員だった佃(阿部寛、堂々の座長芝居)。打ち上げ失敗の責任をとって退職したのが7年前だ。今は父が残した町工場の社長を務めているが、突然の危機に襲われる。

大手取引先から取引中止を言い渡され、ライバルのナカシマ工業から特許侵害で訴訟を起こされ、さらに巨大企業である帝国重工が特許の売り渡しを迫ってきたのだ。その上、社内には夢を追い続ける社長への不満もくすぶっている。佃はこの内憂外患をどう乗り切るのか。

まず、この骨太な物語を、予算も手間もかけてきっちり映像化していることに拍手だ。種子島でのロケット打ち上げから、画面が社員で埋め尽くされた大企業のセレモニーまで、何の手抜きもない。

次にニヤリとさせられる絶妙なキャストだ。佃製作所の経理部長に立川談春。ナカシマ工業の顧問弁護士が池畑慎之介。そして佃側の弁護士は恵俊彰(好演)。しかも聞き覚えのある、朗々たるナレーションは元NHKの松平定知だ。

その時、歴史だけでなく下町も動く。ストーリー、役者、演出のゴールデントライアングルで、大人が見るべき一本になった。

(日刊ゲンダイ 2015.10.28)

書評した本:新津きよみ 『父娘の絆~三世代警察医物語』ほか

2015年10月29日 | 今週の「書評した本」



「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

新津きよみ 
『父娘(おやこ)の絆~三世代警察医物語』

光文社文庫 562円

『帰郷』に続く、文庫書き下ろしシリーズ第2弾。舞台は前作同様、著者の生まれ故郷である長野県大町市だ。

東京の大学病院に勤務していた美並は、この町にある祖父の医院へとり、警察医も担当している。

本書に収録されているのは2つの物語だ。事故か事件か、山で滑落死した男性医師。その葬儀に現れ、遺体を傷つけて逮捕された若い女性。両者の間に何があったのか。(『血脈』)

古い神社の境内で老人の遺体が発見される。やがてそれが3ヶ月前に行方不明となった東京の認知症女性と判明。空白の時間、彼女はどこで何をしていたのか。(『セカンドライフ』)

読後、信州安曇野の北にある町へ行ってみたくなる。


村山涼一 
『適社内定~「適性」から始めれば、就活はこんなに楽になる』
 
日本経済新聞出版社 1404円

就活に悩む大学生とその親たちにとって、逆転のヒントとなる一冊。自分の適性に合った会社を「適社」と名づけ、就活が能力を競う相対戦ではなく、適性による絶対戦だという指摘は目から鱗だ。企業は採用試験で何を見るのか。無知と誤解の就活から脱出を図る。


インフラ政策研究会:編著
『インフラ・ストック効果~新時代の社会資本整備の指針』 

中央公論新社 1998円

国土交通省有志による、公共事業検討の成果である。これまで経済対策としての即効性や、短期的なフロー効果が求められてきたが、今後はインフラが使われることで生じるストック効果を重視すべきとだという。景気・経済再生を目指すためのビジョンの一つだ。


中野恵利 
『ちいさな酒蔵33の物語~美しのしずくを醸す 時・人・地』

人文書院 1944円

大阪で「杜氏屋」という日本酒バーを営む著者が綴る酒蔵探訪記だ。宮城の「黄金澤」で一人娘の後継者と山廃仕込みを語り合い、輪島の「奥能登の白菊」では杜氏を務める九代目から酒米栽培の決意を聞く。日本酒は地域の文化であり、それを造っているのは人だ。

(週刊新潮 2015.10.22号)


大和ハウスCM「ここで、一緒に」嘘編の魅力

2015年10月28日 | 「日経MJ」連載中のCMコラム



日経MJ(流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。

今回は、大和ハウス工業「ここで、一緒に」嘘編について書きました。


大和ハウス工業「ここで、一緒に」嘘編
純情を察するオトナの女性

気がつけば、深津絵里さんとリリー・フランキーさんは、もう4年も“夫婦”をしている。もちろんCMの中での話だが、当初は、あんな素敵な家で深津さんと暮らすリリーさんへの悔しい気持ちがあった。

ようやく最近になって、良き隣人夫妻として眺められる平常心も生まれてきた。やはり、継続は力である。

リリーさんの仕事といえば、「週刊SPA!」の連載「グラビアン魂」にトドメをさす。みうらじゅんさんとグラビアアイドルについて語り合う、究極のエロチック対談だ。

外では男の本音と妄想を炸裂させているリリーさんが、家では、妻を元気づけようと子猫を飼い始める。しかも本当はお店で買ってきたのに、捨て猫を助けたと嘘までついて。

多分、深津さんは“夫”の「グラビアン魂」的猥雑性を知っている。同時に、 少年のごとき純情と自分への愛情も分かっている。そんなオトナの女性なのだ。うーん、またも悔しさが甦ってきた。

(日経MJ 2015.10.26)

『70年代と80年代 テレビが輝いていた時代』が面白い

2015年10月28日 | 本・新聞・雑誌・活字



北海道新聞の書評ページ「本の森」に、『70年代と80年代 テレビが輝いていた時代』の書評を寄稿しました。


『70年代と80年代 テレビが輝いていた時代』
市川哲夫 編
評 碓井広義 上智大教授


“野放しの自由”伝える

テレビを軸とする、マスメディア批評の専門誌「調査情報」。発行はTBSメディア総合研究所だ。本書はこの雑誌に掲載された、「70年代から見えてくるもの」「80年代から見えてくるもの」という2本の特集を再構成して編まれている。

敗戦から70年。編者は1970年代と80年代を、戦後史における青春期と呼ぶ。

現在と何が違い、何が変わっていないのか。当時を検証することで、テレビと社会と人間の移り変わりを確認しようという試みだ。その狙いは見事に達成されている。本書がテレビだけでなく、政治や文化や事件にも的確な目配りをしているからだ。

こうした企画の成否は、執筆者の人選とテーマで決まる。まずは“当事者”たちだ。70年代では、ドラマ「時間ですよ」の久世光彦。「機動戦士ガンダム」の富野由悠季。「田中角栄研究」の立花隆。ロッキード事件を担当した東京地検特捜部の堀田力。情報誌「ぴあ」を創刊した矢内廣もいる。

また80年代には、「花王名人劇場」で漫才ブームを生んだ澤田隆治。ドラマ「金曜日の妻たちへ」のプロデューサーだった飯島敏宏。「ニュースステーション」に立ち上げから携わった高村裕などが並ぶ。いずれも貴重な証言だ。

さらに、魅力的な批評や論考が多いことも特徴である。関川夏央のドラマ「岸辺のアルバム」。宮台真司のコンビニと郊外。中森明夫の80年代アイドル。市川真人の村上春樹。保阪正康の中曽根政治。桐山秀樹の東京ディズニーランドなどだ。これらによって本書は、立体感のある“同時代ドキュメント”となっている。

通読して驚くのは、いや、一種の羨望(せんぼう)を覚えるのは、テレビの現場が持っていた自由な空気だ。しかも“野放しの自由”という印象であり、そこから活気が生まれた。ネットもスマホもない時代。テレビが輝いていた時代。それは、多様な作り手とその才能を野放しにできた、幸福な時代でもあった。【毎日新聞出版 2700円】

(北海道新聞 2015.10.25)


【気まぐれ写真館】 夕景 2015.10.26

2015年10月27日 | 気まぐれ写真館

NHK「同時配信」実験をめぐって

2015年10月27日 | メディアでのコメント・論評



東京新聞に、NHK「同時配信」実験に関する特集記事が掲載されました。

この記事の中で、コメントしています。


NHK TVと同時配信実験
ネット有料視聴 現実味

NHKが総合テレビの番組を放送と同時にインターネットで配信する実験を始めた。籾井勝人(もみいかつと)会長は「海外では行われている。日本でもそういう時がくる」と必要性を強調する。パソコンやスマートフォンで見るテレビ番組。テレビ視聴だけに課せられてきた受信料が、ネット視聴でも課金される方向が現実味を帯びている。(東京放送芸能部・鈴木学)

■インフラ

実験は十九日に始まり、契約者から募集した約一万人を対象に約一カ月間実施する。一日最大十六時間、首都圏向けの番組をネットで同時配信する。参加者はIDとパスワードを打ち込み、ネットを通じて視聴する。

これまでの同時配信は、主に住民の生命に関わる災害報道だった。昨年の放送法改正で、NHKがネット配信できる範囲が「(既に)放送した」番組から「放送する」番組へと広がったため、本格的に乗り出すことが可能になった。

NHK放送文化研究所の今年の調査では、最も欠かせないメディアにネットを挙げたのが二十代で54%、三十代で47%。テレビ離れがいわれる若い世代を引きつけるため、放送局にとってネット対応は課題だ。

上智大の碓井広義教授(メディア論)は「ネットは今や社会インフラ。『あまねく日本全国において受信できるように』(放送法第一五条)という使命を負うNHKとしては、受信料を払えばどこでも番組が見られる環境をつくるべきだと思う」と話す。

■ただ見

六千億円を超える年間の受信料収入を元手に、NHKがネットの同時配信に本腰を入れ始めたことに、民放は警戒感を強めている。

ネットの同時配信の動きが広がれば、テレビ放送の広告収入で成り立っている民放のビジネスを圧迫しかねない。テレビ朝日の吉田慎一社長は九月の記者会見で、これまでの日本民間放送連盟の見解を踏襲し「現段階での同時配信は限定的で」とくぎを刺した。

NHKの受信料はテレビの設置を前提に徴収されているので、現在、ネット配信は原則無料。今回のNHKの実験費用は受信料収入で賄われる。自民党の小委員会が受信料支払いの義務化を検討するよう総務省とNHKに提言したが、ネット配信が本格化すれば、受信料の公平負担という点からネットだけの「ただ見」が大きな問題となってくる。

■ビジネス

実験は視聴ニーズ、端末の動作や画質などの技術的課題を検証。来年二月をめどに結果を公表し、二〇一六年度も続ける。これとは別にスポーツイベントを数件、人数を限定せずに同時配信する実験も予定している。

ネット利用に慎重な芸能事務所もあるため、出演者らから配信への同意を得るのが不可欠。アクセスが集中してもダウンしないシステムを整備する必要もある。民放が同時配信を様子見しているのは、ビジネスとして成り立つかどうか不透明なためとみられる。

「場所を選ばず、見られるようにすべきだ」との意見がある一方、立教大の砂川浩慶准教授(メディア論)は「赤字でもやるべきなのか、素材だけを提供して管理はサイト運営の事業者にしてもらうことができるかなど、論点は多岐にわたる」と指摘。「受信料に関わる問題であり、NHKはどこまで情報提供を行うべきかを徹底して議論する必要がある」と話している。

<NHKの受信料>
放送法に基づき、放送を受信できるテレビの設置者を対象に、NHKが受信契約を結んだ上で世帯ごとに徴収する。現在は地上契約が月千二百六十円(口座引き落としなど)、衛星契約を含むと月二千二百三十円(同)。受信料を支払わないのは違法だが、罰則規定はない。ネットの受信料が徴収されることになった場合、現在の二本立て料金が三本立てになるのか、全てをまとめて受信料を一本化するのか。複数の考え方があり、今のところ不明だ。

(東京新聞 2015.10.25)


悪目立ちせず存在感を示す俳優「木下ほうか」

2015年10月27日 | メディアでのコメント・論評



オリコンのコンフィデンスに、俳優・木下ほうかさんについての記事が掲載されました。

この中で、解説しています。


「名バイプレイヤー」
木下ほうかが重宝される理由

イヤミな役をやらせたら天下一品。不倫をする妻とその相手を追い詰める夫役を演じた14年のドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(CX系)や部下をいびる馬場課長役で出演のバラエティ番組『痛快TV スカッとジャパン』(CX系)がきっかけでブレイクした木下ほうかが、映画・ドラマにひっぱりだこだ。

10月だけで『木屋町DARUMA』(3日公開)、『野良犬はダンスを踊る』(10日公開)の2作の出演映画が公開。ドラマは現在、『下町ロケット』(TBS系)に、さらに11月20日に放送の『金曜ロードSHOW! 特別ドラマ企画「視覚探偵・日暮旅人」』(NTV系)にも出演する。

現在51歳。ドラマ、映画に欠かすことのできない名バイプレーヤーとなっている木下は、元々、吉本新喜劇の出身。新喜劇では芽が出ずに退団、Vシネマなどで役名のない役を経て、ブレイクを果たした苦労人でもある。

上智大学文学部新聞学科教授の碓井広義氏は、「物語を作っていく上で主人公の葛藤の種、つまり壁として、いい脇役は必要」と脇役の重要性を語った上で、「ほうかさんはドラマ『昼顔』で見せたような日常生活の小さなとげ、巨悪ではない目立たない悪を演じさせたら秀逸。悪目立ちをしないで、存在感を示す。物語を動かしていく上での梃子として、彼を起用したがるのが分かる」と話す。

一見目立たないように見えて、発する強烈な存在感。今後も多くの作品で活躍していくことだろう。

(コンフィデンス 15年10月26日号掲載)


お米「ブランド化」新戦略をめぐって

2015年10月26日 | メディアでのコメント・論評



日本農業新聞に、お米のブランド化新戦略をめぐる特集記事が掲載されました。

この記事の中で、解説しています。


米ブランド化 新戦略 
意外性で売り込み 強い印象狙う

米の新顔銘柄を売り込もうと、ブランド名にあえて難しい漢字や、食品業界で「食欲を減退させる」と敬遠されがちな青色を米袋に使う産地が出てきた。新品種の開発競争が激しくなる中、少しでも強く消費者に印象付ける戦略だ。

専門家は「保守的とされる米の世界で、既成概念を打ち破る商品が成功すれば、業界がもっと活気づく可能性がある」と注目する。

難読漢字、男性の名前、袋に青色・・・

青森県やJAグループ青森は、新品種「青天の霹靂(へきれき)」を今月、地元や東京都内などでデビューさせた。名称は公募で選んだ。米の名前は平仮名や片仮名書きが主流で、当初は「漢字が難しく、浸透しないのではないか」と異論も多かった。しかし、県は「突如として現れる稲妻のような鮮烈な存在となってほしい」と決定した。

今年の作付面積は550ヘクタール、生産見込み量は約2500トンとまだ少ないが、全国的に話題となっている。日本航空は国際線ファーストクラスラウンジでの提供を決めた。大手米卸も「今年、一番の注目銘柄」と口をそろえ、取り扱う県内外のスーパーでは売り切れ店も相次ぐ。

JA全農あおもりは「食味には絶対の自信がある。ただ、各地で新品種が続々と誕生しているだけに、まず食べてもらわないと勝負できない」と狙いを明かす。

新潟県も、2017年秋のデビューを目指す新品種に「新之助(しんのすけ)」と名付けた。泉田裕彦知事は「米は女性的な名称が多かったが、日本男児にちなんだ名前にした」。17年産で1万トンの生産を計画する。

13年度にデビューした滋賀県の新品種「みずかがみ」。県やJAグループ滋賀などは米袋のデザインに、琵琶湖の水を連想させる青を採用している。県などは「今までの米にないイメージを」と勝負に出た。関西を中心に出回る約1万トンのうち、9割がこの青をメーンカラーにした米袋だという。

近畿を中心に約150店舗を展開するスーパーの平和堂は、15年産「みずかがみ」の取扱量を前年比2倍弱の850トンに増やした。同社は「袋のデザインを見て購入した客が、冷めてもおいしい食味を評価し、繰り返し買っている」と話す。(宗和知克)

良食味ならより高評価

広告などに詳しい上智大学文学部の碓井広義教授(メディア論)の話

米の販売競争が激しくなり、産地の戦略が高いレベルで横並びになっている。そこから頭一つ抜き出るために意外性を打ち出す米が出てきた。意外性は強過ぎると違和感になる。ただマイナスの印象からスタートする分、食べておいしければ、通常以上に評価は高まる。ぎりぎりの線を狙った高等戦術だ。


(日本農業新聞 2015.10.24)


新著PRに「川島なお美」まで使う「松居(一代)商法」!?

2015年10月25日 | メディアでのコメント・論評



週刊新潮に、松居一代さんに関する記事が掲載されました。

この中で、コメントしています。


新刊著書PRで「川島なお美」を持ち出す
「松居一代」に節度がない

便乗商法と指摘されても仕方がない。最近はライフスタイルアドバイザーとしても活躍する女優・松居一代(58)が、新刊著書を出版。だが、その出版会見で、他界したばかりの川島なお美を持ち出し、PRに利用したものだから、節度がないと批判されている。

『松居一代の開運生活』(アスコム)の出版会見は10月7日、都内のホテルで行われた。

スポーツ紙記者の話。

「最初、松居さんの会見は4日に行われるはずでした。ところが、当日、爆笑問題の田中裕二と山口もえの結婚会見が開かれることがわかり、メディアでの扱いが小さくなるからと、急遽、3日後に延期になりました」

松居から送られてきたファックスには、“緊急会見”と打たれていたため、重大発表があるのではないかとの憶測が流れていた。結果、会見場に詰め掛けた記者やカメラマンは数十人にのぼったという。

「そのうちの1人であるネットライターがいきなり、“夫の船越英一郎さんと9月24日に亡くなった川島なお美さんとの交際がネット上で噂になっているが、どうなんですか?”と訊ねた。すると、松居さんは、“結婚して3年目に、川島さんと船越が人生のひとときを歩んでいたということを知りました”と答えたのです。質問する記者もどうかと思いますが、川島さんが亡くなっていくらも日が経っていないのに、松居さんがそんなことを暴露したので、みな唖然としました」(同)

とはいえ、そのおかげで、出版会見はあちこちのメディアで報じられることになった。

■自己中心的

わざわざ、夫と川島なお美の過去の交際話を持ち出したのは、話題作りのためだったのではないのか。

松居本人に聞くと、

「とにかく、あの質問には驚きました。引かない記者さんだったので、これまでの私の生き方が否定されると思い、仕方なく受け答えをしました。そのときに、“知りません”と言うのは簡単でした。でも、それでは嘘つきになってしまいます。なので、私の知っていることを、正直にお話ししました」

川島なお美の夫、鎧塚俊彦氏への配慮については、

「ご心痛を考えれば、もっと言葉を選ぶべきでしたね。あのときは動揺し、頭がまわりませんでした。ただ、川島さんが亡くなられた日に、お好きだった赤ワインを頂きながら、主人と川島さんのことを想い、ご冥福をお祈りいたしました」(同)

しかし、当然のことながら、この“松居商法”には、批判が噴出した。

上智大学の碓井広義教授(メディア論)もこう苦言を呈する。

「死者への冒涜であるとも言えます。スキャンダラスな話題を掲げ、自分の本の宣伝に利用する意図が透けて見えてしまっている。彼女の発言からは、人間として大切な部分が抜け落ちている。自己中心的に、あらゆるものを宣伝の素材として扱えば、周囲にどのような影響を及ぼすのか、想像できなかったのでしょうか」


金儲けもほどほどが肝心。

「ワイド特集 子供だましの代償」より
(週刊新潮 2015年10月22日号)

シンポジウム「異文化理解とメディア」での司会 2015.10.24

2015年10月25日 | 大学



上智大学国連Weeks・国連創設70周年・50周年記念シンポジウム「異文化理解とメディア」が開催され、司会を務めさせていただきました。

今回は、6月に開催したイベントの、第2弾です。

「異文化理解」をめぐって、メディアにどのような役割や可能性があるのかを再び考えたいと、上智大学・国連広報センター・そしてNHKが共同で企画しました。








パネラーは・・・

モデレーターの音好宏新聞学科教授。

国連広報センターから、根本かおる所長。

総合グローバル学部の植木安弘教授。


 
さらに海外からは、昨年の日本賞受賞者である、ナミビア放送協会エグゼクティヴ・プロデューサーのグリニス・ビアケス=カパさん(右)。

そして今年の日本賞グランプリを受賞した、オランダのファティヤ・アブディさん(左)が、駆けつけてくれました。ファティヤさんは、受賞作スタッフの一員で、ファミリーフィルム&テレビと放送局VPRO(ベペロ)でリサーチャーのお仕事をされています。

日本賞2015グランプリ受賞作、Our Colonial Hangover キミの心の“ブラック・ピーター”のダイジェスト版も上映。

「異文化理解」のために、大学・国際機関・放送制作者に、いま何ができるのか、といったディスカッションが展開されました。

パネラー、そして参加者の皆さんに感謝いたします。