映画『ALWAYS 三丁目の夕日'64』を観てきた。
で、「いやあ、良かったなあ」と手ばなしです(笑)。
第1作の舞台は1958(昭和33)年だったけど、3作目の今回は東京オリンピックがあった1964(昭和39)年だ。
三丁目の人々にも6年の月日が流れたわけで、その分、物語も厚みを増したというか、深まっています。
古沢良太さんの脚本は、最近だと『探偵はBARにいる』に続いて観たことになる。
茶川(吉岡秀隆)と淳之介のブンガクをめぐるエピソード。
茶川と故郷の父親との関係。
お年頃となった六子(堀北真希)の恋。
そんなあれこれをスクリーンで見ながら、正直、何回か泣けました(笑)。
出演陣で言えば、堤真一も、薬師丸ひろ子も、ますます役柄そのもので。
ビジュアルのほうで言えば、冒頭の三丁目の路地から一気に空へと舞い上がるカメラは快感。
まるで当時の東京上空をヘリで飛んでいるように、東京タワーの向こうに東京湾が広がっているのが見える。
東京タワーのてっぺんを俯瞰で眺めるなんて出来ないもんなあ。
隣にはボーリング場の「タワーボール」もあったし。
東京オリンピックの開会式で、航空自衛隊のブルーインパルスが五輪を空に描く様子を見せてくれたのが嬉しかった。
新幹線のゼロ系と呼ばれる最初のタイプが出てくるのも感激モノ。
でも、それ以上に、茶川の実家が信州・松本にあるという設定なので(山崎貴監督も高校まで松本)、中央線を懐かしい急行列車が走るのがまた格別だった。
私が松本の高校を卒業して上京した頃は、よくこの黄色い電車で帰省したものです。
「ありえない世界」を見せてくれるVFXもいいけど、「かつてあった世界」を見せてくれるVFXも嬉しいのだ。
そして、カラーテレビ、「ひょっこりひょうたん島」のテーマ曲、「おそ松くん」のシェー、エレキギター、コーラの販売機など、次々と出てくる懐かしのアイテムに、こちらは笑顔が続きます。
画面の中の本当に細かいところまで、実によく気を配ってあるのです。
観客の年齢層は高かったから(笑)、それぞれが自分の1964年と重ねながら観たんじゃないかなあ。
今回は、あえて3Dではなく普通のバージョンで観たので、もう一度、3Dのほうも観てみようと思う。
いやあ、これ、ハマります(笑)。