碓井広義ブログ

<上智大学教授のメディア時評> 見たり、読んだり、書いたり、話したり、時々考えてみたり・・・

週刊新潮で、NHK「朝ドラ」&「大河」について解説

2014年04月30日 | メディアでのコメント・論評

発売中の「週刊新潮」最新号に、NHK「朝ドラ」と「大河」に関する
特集記事が掲載されました。

この中で、両番組について解説をしています。

以下は抜粋ですので、記事全体は本誌をご覧ください。


NHK
「朝ドラ」絶好調なのに
「大河」絶不調の明暗

●「あまちゃん」「ごちそうさん」について

「これまでの朝ドラにはなかった異色作でした。“女性の一代記”という常識を破り、脚本の宮藤官九郎さんのユーモアを取り入れながら、わずか4年間という異例の短い物語でした」

とは、上智大学の碓井広義教授(メディア論)。

「さらに、主役の能年玲奈のほか、小泉今日子、宮本信子も物語の中心人物として活躍する、トリプルヒロインのドラマでした。実際の出来事である、東日本大震災も取り込んで、朝ドラの既成概念を崩しましたね。朝ドラを見なかった新しい視聴者を多数呼び込んだと思います」


その『あまちゃん』に続いて放送したのが昨年度後半の杏主演『ごちそうさん』である。

「新しいファンに加えて、『あまちゃん』で離れていた固定客の視聴者も戻ってきたのではないでしょうか」(同)

視聴率は前作を上回る22.3%を稼ぎ出した。

・・・・記事では、ライター兼イラストレーターの吉田潮氏の<専業主婦が主人公。浮気騒動や小姑のいじめもあったり><『あまちゃん』の流行以来、朝ドラは職場や学校で話題に>という指摘があり、さらに、映画評論家・北川れい子さんの「料理」に関するコメントが載っています。

●『花子とアン』について

・・・・好調の理由を、先の北川さんが語っています。

「貧乏な話や女学校で苦労するエピソードもありますが、彼女がちゃんと家庭を築き、翻訳家として大成すること知っているので、安心して見ていられるんです」

「(主演の吉高は)癖のある女優だなと思っていました。見ていてハラハラさせられます。ドラマは筋書があるはずなのに、何かやらかすんじゃないかと思ってしまう。そういう彼女が主演なので、退屈しないのかもしれませんね」(同)


●「大河ドラマ」について

「豊作続きの朝ドラの一方で、(視聴者側に)大河ドラマを見る動機がない、というのが正直な感想です」

とは先の碓井教授。

「黒田官兵衛は歴史好きしか知らないし、軍師はあくまでサポート役。視聴者からは距離がある人物です。むしろ、彼が仕えている織田信長や豊臣秀吉の方が、これからどうなるのか気になってしまう。題材がマニアックなんです。

主役の岡田准一は悪い俳優だとは思いませんが、線が細く、どうしても大河ドラマの重さに比べると軽く感じです。『八重の桜』も同志社の創立者・新島襄は知っていますが、ほとんどの人がその奥さんは知りません。

『平清盛』にしても、清盛は日本人の歴史観では悪役のイメージが強すぎる。(視聴者は)悪役の話を1年間も見る気にはなれません」


大河ドラマは、主に源平、戦国、そして幕末などから素材を集めてきたが、

「もう、歴史上のスターが出尽してきた、という感じかもしれませんね」

こう言うのは作家の麻生千晶氏である。

「大河ドラマ2作目の『赤穂浪士』であれば、その後も大石内蔵助に焦点を当ててスピンオフ作品も作ることができます。でも、戦国武将や剣豪、幕末の英雄などでテーマとなりうる人物はそれほど多くない。NHKは大河からの引き際を間違えたといえるでしょう」

大河ドラマ自体そのものが時代と合わなくなった、と言うのは、映画評論家の白井佳夫氏である。

「以前、私が携わっていた徳島テレビ祭に朝ドラのプロデューサーを招いた時、彼は“現代の忙しい人々が意識を集中できるのは、せいぜい15分”と言っていましたが、正にその通り。大河は実在の人物のドラマを45分間、しかも1年間にわたって見なければいけない。15分しか集中できない今の日本人にはとても無理」

日曜日午後8時になると多くの人々がNHKにチャンネルを合わせる。そんな時代はとうに過ぎ去ったのかもしれない。

(週刊新潮 2014.05.01号)


毎日新聞で、「BS報道番組」について解説

2014年04月29日 | メディアでのコメント・論評

28日の毎日新聞夕刊に、BSの報道番組に関する記事が掲載されました。

この中で、解説をしています。


BS報道「じっくり」売り 

民放のBSといえばのんびりした旅ものや韓流ドラマの印象が強いが、実は各局とも報道番組に力を入れている。いずれもテーマを絞り、キーマンや専門家にじっくり話を聞くスタイルが人気で、春の改編で大物キャスターを登場させた局も。地上波さながらの戦国時代に突入しつつある。【瀬尾忠義】

視聴率にとらわれず

甘利明・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)担当相が15日夜、東京都内のBS11のスタジオに現れた。TPPの交渉で、渡米する直前のタイミング。生放送の「報道ライブ21 INsideOUT」で、4月からキャスターを務めるベテランアナウンサー、露木茂さんらの質問に答え、約50分間交渉のポイントなどを語った。政治家の単独インタビューは「民放地上波のニュースでは10分以上はまずない」(同局)とされ、BSならではの長さが際立つ。

報道番組の競争は、BS日テレが昨年9月に「深層NEWS」をスタートさせ本格化した。同社と日本テレビ、読売新聞が組んで出演交渉力を発揮するのが特徴だ。BS日テレ広報部は「番組の認知度が高まってきて、出演がスムーズにまとまる好循環が続いている。じっくり話を聞いてニュースの深層を伝えるスタイルは、地上波では飽き足らない視聴者を取り込んでいる」と手応えを語る。

昨年4月から放送し、先行するBSジャパンの「日経プラス10」は日経新聞と連携し経済情報に特化している。春からはテレビ東京の経済番組で16年間キャスターを務めた小谷真生子さんを起用。早速、ローソンの新浪剛史・最高経営責任者(CEO)ら話題の経営者の本音に迫った。

BS朝日は昨年10月から「地上波とは一線を画す深掘りのニュース番組」をうたう「いま日本は」を土曜日に、BS−TBSは同4月から「週刊BS−TBS報道部」を日曜日に放送する。後者は当事者をスタジオに招いて議論する「トップストーリー」が売りの一つ。ともに系列局が平日夜に比較的好調な地上波ニュース番組を持っており、すみ分けを選んだ格好だ。

「じっくりと話を聞くスタイル」をいち早く構築したのがBSフジの「BSフジLIVE プライムニュース」(2009年4月スタート)だ。背景には、BS特有の“事情”がある。

地上波の視聴率が機械式で分刻みで算出されるのに対し、民放BS6社の視聴状況は全国1000世帯が毎月特定の1週間に視聴した番組を記録した日記を基に「接触率」として算出されるだけ。「分単位の視聴率に追われる地上波では、バトルと呼ばれる過激な討論がみられるが、BSでならバトルをあおらず、落ち着いた議論をする報道番組を作れると考えた」(BSフジ報道局)。予算が潤沢にないならゲストにスタジオまで来てもらえばいい、という逆転の発想も長続きに結び付いた。

「政治家のPR」懸念も

ただ、各局とも政治家の出演が目立つだけに「与党に偏り、アピールする場として利用されている」と問題視する声も。BS11の二木啓孝報道局長は「与党議員の次は野党議員というように番組全体でバランスを取っている。キャスターが疑問点をぶつけて引き出した言葉が視聴者の判断材料になっており“政見放送”にはならない」と反論する。

碓井広義・上智大教授(メディア論)は、「地上波では重要な内容でも視聴率が取れないと判断されれば放送されないが、視聴率競争に追われないBSは制作者の自由度が高い。良質な番組が生まれやすく、意識の高い中高年を中心に支持されている」とした上で、「視聴者側も、政治家がなぜこのタイミングで出演し、長く語ることで何を動かそうとしているのかを考えなければならない」と指摘する。

 【BS各局の主な報道番組】
BS日テレ  深層NEWS(月〜金22〜23時)
BS朝日   いま日本は(土18時54分〜20時54分)
BS−TBS 週刊BS−TBS報道部(日21時〜22時54分)
BSジャパン 日経プラス10(月〜金22時〜同54分)
BSフジ   プライムニュース(月〜金20時〜21時55分)
BS11    報道ライブ21 INsideOUT(月〜木21時〜同54分)

(毎日新聞夕刊 2014.04.28)

TBSレビューで、「解説番組」を解説

2014年04月28日 | テレビ・ラジオ・メディア

日曜の朝、5時半から、「TBSレビュー」のオンエア・チェック。

収録番組は編集されて放送となるので、出演者も完成形はオンエアを見ないと分かりません。

テーマは「解説番組」。

放送の中で、解説者に必要な3つのチカラを挙げてみました。

1 情報収集力
2 分析力
3 プレゼンテーション力

これらのうち、1)について。

池上彰さんの情報収集の軸となっているのは、毎朝読むという10紙の新聞です。

これに20分。

早いですよね。

項目をざっと見て、重要と思われる記事はキープしておき、夜、じっくり読み直すそうです。

つまり、「誰でも入手可能な公開情報」がベースとなっていることに注目です。

・・・・といった話も収録の際にしたのですが、時間の関係でしょう、カットされていました(笑)。

日本人「ジャズ・プロデューサー」の回想

2014年04月28日 | 今週の「書評した本」

え、そんな人物がいたの?

そう声にして言いたくなるのが、『ジャズは気楽な旋律』(平凡社新書)の著者、木全信(きまた まこと)さん。

何しろ、ジャズ・プロデューサーとして、アート・ブレイキーやチェット・ベイカーなど数多くのミュージシャンのアルバムを手がけたのだ。

書かれている回想も、まさに当事者ならではの「秘話」でびっくり。

いやはや、こんな日本人がいたんですねえ。




今週、「読んで書評を書いた本」は次の通りです。

辻原 登 『寂しい丘で狩りをする』 講談社

永江 朗 『おじさんの哲学』 原書房

遠藤武文 『龍の行方』 祥伝社

柏木 博 『日記で読む文豪の部屋』 白水社

* これらの書評は、
  発売中の『週刊新潮』(5月1日号)
  読書欄に掲載されています。

【気まぐれ写真館】 東京・羽田空港 2014.04.26

2014年04月27日 | 気まぐれ写真館

千歳市「柳ばし」にて、“とんかつ”を“洋わさび醤油”で

2014年04月27日 | 日々雑感

26日(土)のHTB「イチオシ!モーニング」

2014年04月27日 | テレビ・ラジオ・メディア
MCの依田英将アナはじめ「モーニング」の面々



野球解説の岩本勉さん



気象予報士の廣瀬駿さん、スポーツ担当の室岡里美アナ




今週の「木村愛里さん」

【気まぐれ写真館】 札幌・JRタワー 2014.04.26

2014年04月27日 | 気まぐれ写真館

【気まぐれ写真館】 札幌・ススキノ 2014.04.25

2014年04月26日 | 気まぐれ写真館

【気まぐれ写真館】 札幌・北大 2014.04.25

2014年04月26日 | 気まぐれ写真館

昨日の「イチオシ!」&今朝の「イチオシ!モーニング」

2014年04月26日 | テレビ・ラジオ・メディア


THB北海道テレビ「イチオシ!」のスタジオ



今週の「国井美佐アナウンサー」



26日(土)の朝は、「イチオシ!モーニング」。

ラインナップは以下の通りです・・・・

ファイターズは3連勝中の上沢(うわさわ)が先発です。

プロ初登板から3連勝中の20歳がさらに勝利を積み重ねることができるのかに注目です。

週末ナビではこの日にオープンする「ゆにガーデン」の紹介などイベント情報が入ってきます。

また、4月から「Fナビ」というファイターズの情報を伝えるコーナーが増えています。

ファイターズガールの樫野和音(かしの わおん)さんが生出演して告知してくれます。

今回は週末のプレーヤーズスペシャル(札幌ドームで先着2万名に当該の選手のグッズをプレゼントする企画です)で、武田勝と増井のグッズを紹介します。


・・・・朝7時からです。

25日夜の「金曜オトナイト」は、書道家・武田双雲さんと・・・

2014年04月25日 | 金曜オトナイト

2014年4月25日(金)
夜10時54分~11時24分
大竹まことの金曜オトナイト


双雲さんは、思った以上に長身。

そして、思った以上に気さくで、ざっくばらん。

軽い下ネタもOKな柔軟思考が素敵です(笑)。



<出演者>
ゲスト:武田双雲(書道家)

レギュラー:大竹まこと、山口もえ、碓井広義(上智大学教授)
繁田美貴(テレビ東京アナウンサー)


<番組内容>
◆流出ワイド
(秘)震災を利用した「涙ちょうだい」画像は「ニセモノ」もあるので
要注意!
(秘)東大に合格する子育て 実は「放任」が最強?
(秘)まさにドラえもんの道具!!空中に描ける3Dプリントペン

◆文化情報コーナー
武田双雲 オススメ映画
「マトリックス」の新たな目線とメッセージ



今週の「もえちゃん」

25日(金)午後は、北海道テレビ「イチオシ!」に

2014年04月25日 | テレビ・ラジオ・メディア

25日(金)午後は、HTB「イチオシ!」に生出演。

いつものコメンテーターを務めさせていただきます。

ニュースコーナーはもちろん、以下のような特集が予定されています。

 ▽特集「河野が調査!」

 高速道路ので食べられるご当地グルメどんぶり
 「どら丼」を河野さんが調査。

 SA/PAを駆け巡りながら人気1位の丼を当てるまで
 帰れない過酷なロケの末に辿りついた味とは…?


道内の皆さん、今週もどうぞよろしく!


日刊ゲンダイで、NHK籾井会長の「独断人事」についてコメント

2014年04月24日 | メディアでのコメント・論評

いやはや、どこまでも困った人だ。

NHK籾井会長が、今度は経営委員をめぐる「独断人事」。

これについて、日刊ゲンダイでコメントしました。


懲りない籾井会長
理事人事でも傍若無人 独断専行
経営委員2人が“異例の”保留

22日開かれたNHKの経営委員会で、また籾井勝人会長(71)の“傍若無人”が問題になった。

経営委員会では、24日に任期切れを迎える4人の理事について、2人留任、2人新任の新しい人事案を籾井会長が提案した。しかし、任期切れ直前の提案のうえ、慣例となっていた事前説明はなし。さらに、理事の担務まで変更したため、一部委員が難色を示した。

ところがこうした委員からの指摘に対し、籾井会長は「(提示が直前になったのは)情報漏洩を防ぐため」「理事の選任は経営委員会に同意権があるが、役職の分担は会長の専権」と言い放ったというのだ。

結局、人事案は9人の委員の賛成で認められたものの、2人は賛否を保留。全会一致にならない異例の事態となった。

■“籾井派”を重用

新人事は“籾井カラー”が色濃く表れているという。
「再任されたのは、板野裕爾氏と福井敬氏。板野氏は専務理事に昇格し、番組制作トップの『放送総局長』に就任するだけでなく、安倍首相が是正を指示した『国際放送』も統括します。福井氏は『人事・労務』を統括。新たに理事になる井上樹彦編成局長が経営計画策定の責任者である『経営企画』を統括する。いずれも籾井支持派とみられています」(NHK関係者)

今回モメたことを受け、経営委員会は籾井会長に対し、今後の人事の提案方法について再検討を申し入れたという。

だが、今年3月、理事全員に辞表を書かせたことが問題になった際、「人事で権限を乱用しない」と言っていたのにこの独断専行。“確信犯”の籾井会長は経営委員会の苦言なんて、どこ吹く風だろう。

上智大教授の碓井広義氏(メディア論)がこう言う。

「本当にこの人は懲りないというか、何も感じていないんですね。『政府が右と言えば右』という人ですから、公共放送であるNHKの人事だって、トップが思った通りに何でもできると考えているのでしょう。籾井氏が会長である限り、受信料の不払いは増えるばかりですよ」


放送法では「職務の執行の任に堪えないと認めるとき」に会長を罷免することができる。出席委員の過半数、つまり6人の経営委員が賛成すれば罷免だ。遅刻、欠席が目立ち会長決裁が遅れているというし、経営委員に良識があるなら、真剣に考えるべきだ。

(日刊ゲンダイ 2014.04.23)


オトナの男のためのドラマ「ロング・グッドバイ」(NHK)

2014年04月23日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、NHK土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」について書きました。


NHK「ロング・グッドバイ」

日本にマーロウを現出させようという
素敵な“暴挙”に拍手

浅野忠信主演のNHK土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」が始まった。よもや「原作=レイモンド・チャンドラー」の文字を日本のドラマで見られるとは思わなかった。

一見、無国籍な街のたたずまい。丸みを帯びたデザインのクルマ。ずっしりと重そうなダイヤル式電話機。三つ揃えに帽子の男たち。そして、誰もが当たり前のように燻らすタバコの煙。思わず「うーん、いいねえ」とオトナの男は唸ってしまう。

細かい説明はないから、ここはどこ?時代はいつ?と思うかもしれない。原作のハードボイルド小説「長いお別れ」が米国で刊行されたのが1953(昭和28)年。敗戦からの復興を経て、日本でテレビ放送が始まったこの頃が舞台らしい。

ドラマの中にも「新聞社や出版社を複数抱え、テレビ局までつくった」という大物実業家(柄本明)が登場する。どうやら私立探偵の浅野はこの巨魁と対峙していくことになりそうだ。

初回では、女優のヒモのような男(綾野剛)と浅野の奇妙な友情が描かれる。やがて綾野は殺されてしまうが、それぞれの生き方や2人の微妙な距離感にも、どこか原作の雰囲気が漂っている。

演出は「ハゲタカ」「外事警察」の堀切園健太郎。音楽はその盟友で、「あまちゃん」の大友良英。日本にマーロウを現出させようという、素敵な“暴挙”に拍手だ。

(日刊ゲンダイ 2014.04.22)