『日刊ゲンダイ』の連載コラム「テレビとはナンだ!」。
今週の掲載分では、テレビ東京の期末特番「のりものテレビ~働くのりもの、ヘンなのりもの37連発SP」について書いた。
“働くのりもの、ヘンなのりもの”って、まるで絵本のタイトル(笑)。
でも、そのシンプルでストレートな攻め方がいいのだ・・・
見出し:
企画で勝負したテレ東の“のりもの特番”は楽しめた
コラム本文:
期末の特番ウイークが続いている。
番組表には派手な長時間スペシャルが並ぶが、実状はレギュラー番組の拡大版ばかり。
新規企画を考える手間はいらず、視聴率の歩留りが読め、何よりリーズナブルだからだ。
そんな中、テレビ東京が思わずニヤリとしたくなる特番を流した。
「のりものテレビ~働くのりもの、ヘンなのりもの37連発SP」だ。
登場するのは文字通り異色の乗り物。
バックできない飛行機を牽引するクルマがある。
新幹線輸送車の後輪はリモコンで別の動きをしてカーブを見事に曲がっていく。
「青いタカアシガニ」と呼ばれる巨大クレーン車の運転席は高さ20メートルの位置にある。
かと思うと、坂の町・長崎の住民用モノレールは高齢者の足となっている。
高知の土佐神社では移動式の賽銭トロッコが大活躍だ。
この特番には大物司会者はいない。スタジオのひな壇芸人もいない。
ナレーションの大竹まことと南海キャンディーズの山崎亮太がいるだけ。主役は、あくまでも乗り物たちなのだ。
そう、最近すっかり人気番組となった「空から日本を見てみよう」の成功パターンである。
特番もタレントに頼らず企画で勝負。その心意気や良し、としたい。
実際、親子はもちろん、大人の男が一人で見ても十分楽しめた。
「サンダーバード」のテーマ曲が繰り返し流れていたのもご愛嬌だ。
・・・基本的に、男はいくつになっても乗り物が好きだ(笑)。
最近は、若者がクルマに無関心になったといわれるが、それはデザインをはじめ魅力的なクルマが少ないことも影響している。
この番組の乗り物は珍しいものが並んだが、同じような形でいいから、内外のクルマばかりが出てくる、怒涛のクルマ特番が見てみたいなあ。