ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

吟行―船木宿を歩こう―その2

2020年10月25日 | 俳句

 今日も気持ちの良い秋晴れです。でも、宇部市の最高気温は21度、最低は10度と。やっぱりお日様のある間はいいんですが、日が沈むと途端に冷えます。それで、主人がついに炬燵布団を掛けようと言いだし…〝ダメ、ダメ、まだ我慢よ!〟と、誘惑に負けそうなこころをグイと引き留め…。炬燵が入ったらどうなるか、目に見えていますものね。

 明日、明後日は、また俳句教室ですからその準備をしておかなくては…。でもその前に、吟行会のその2を仕上げておきましょう。頑張りますので、よろしく!

 「瑞松庵」を後にして、次の目的地は「たましげ琴製作所」です。申し込めば無料で快く見学させてもらえますし、丁寧な説明や実演などもしていただけます。ここも私はもう何回目でしょうか。

 この(有)たましげ琴製作所は、明治27年、初代・玉重信太郎氏が和楽器販売を営んだのが 始まりです。

 当時の山口県山陽道に位置する楠村(現宇部市)は宿場町として栄え、三味線・琴・琵琶・太鼓など日本古来の和楽器の需要が多くあり、琴の製造は、三代目の美博氏が研鑽を重ねて開始。琴製造への新規参入は厳しい道のりとなりましたが、長い精進が報われ、人間国宝の宮城喜代子師に自作を演奏してもらう縁をいただいて、高く評価されました。その後に明治神宮から依頼を受け、身を清めて専心して奉納させていただいたということも。

 現在は四代目となる彰彦氏が三代目の技を受け継ぎ、日々、琴制作に励んでおられ、伝統技術の結晶といえるたましげの琴は各流派の先生方にご愛用いただいているということです。

 工房にはいろんな琴板が立て並べてあり、細かな道具のあれこれを説明して頂きましたが、全てが手作業なので〝熟練の職人が織りなす雅な音色〟というキャッチコピーの通りだと思いました。

 また、お土産などにと、観賞用のミニ琴「琴太郎君」(約62㎝)と演奏用のミニ琴「琴音ちゃん」(約80㎝)…とても可愛かった!

 この日は四代目がおられず、奥様とまだ琴司見習いの五代目・智基さんが説明と琴の演奏をして下さいました。その曲が、昔ながらのものではなく、「風のセレナーデ」という難しそうな、でも美しいい曲で、それにみなうっとりと聞き惚れていました。

 それもそのはず、智基さんは 小学六年生より筑紫会小林歌翠氏に師事して、同年「熊本箏曲ジュニアコンクール 金賞 一位」を受賞。 その他、様々なコンクールに出場を果たし、数々の賞を受賞。 国内だけにとどまらず、文化交流団の一員として海外でも演奏と、今若手の演奏家としてご活躍中の人なんですから。琴の制作はまだ見習いですが…と謙遜。20代の前途有望な好青年でした。独身ですってよ!(笑)

 丁寧にお礼を告げて、帰ろうとするとき、奥様から〝琴でいい俳句を作って下さいね〟と言われ、〝はい、ガンバリマス〟とは答えたものの、これを詠むのは至難の業ですよ。以前も…禄な句は詠めてませんもの。

 最後は、「岡崎八幡宮」。

 この神社は船木地域の産土神で、古くから鎮守として尊敬されてきました。応永3年(1396)大内義弘が再興し、神田を寄進。陶春賢の防長大乱の時、兵火のため、炎上し歴代神宝が焼失したため、天正4年(1576)杉重良により再建され、続いて毛利家もたびたび修復したのだとか。

 社前の楠の大樹は、樹齢推定700~800年といわれ、この木に生息しているシーボルト・コギセルという巻貝が、潮の干満に合わせて上下する習性を持つことから航海の安全のお守りとされています。

 それで、みんなで目を皿のようにして探したんですが、どこにも…アッ、いました!一つだけ見つけましたが、分かりますか?拡大してボケてしまいました。ゴメンナサイ!昔は結構いたらしいんですが、みんなが珍しがって採って帰ったのかしら?

 境内の桜が少し紅葉し始めていました。

 また、当宮は、御神酒清酒醸造免許認可神社で、酒醸免許認可を明治32年10月5日に受けています。全国で酒醸免許を認可されている神社は、伊勢神宮、出雲大社、千葉県莫越山神社と、この岡崎八幡宮の4社だけだそうです。

 この日は幸運なことに、御神酒酒造殿で出来た酒を神棚に供えるための準備で、酒器などを洗っておられた宮司さんにいろいろとお話を聞くことが出来ました。ラッキー!

  御神酒の造り始めは、神功皇后がこの中国地方にて米の作り方を習われ大阪に帰られる時、この 地にお手植えになられた米で御神酒を作り、神様にお供えしたのが始めと言われていると。
 大阪の住吉大社に「皇后、米の作り方を習い帰らる」の故事があるその米を早米(そうまい)といい、稲穂 の背丈が170cmにもなるそうですが、それが蔵の横に提げてありました。毎年のお田植祭により、種子は継承されているそうですが、最近はここの神田では作らずに他所で作って貰っているそうで、今年はとっても出来が悪いとか。

 出来た御神酒は、10月の第3日曜日の岡崎八幡宮の秋祭、11月の第3週位の土・日・月の新嘗祭、正月3ケ日、2月の 節分の日に、お参りすれば頂けるんだそうですが、今年は殆どが中止で、お正月だったら参拝すれば飲めるかも?ということでした。

 やがて、12時になりましたので、句会場になっているお食事処へ。昼食を食べた後、この部屋を無料で16時までは使わせて貰えると。コロナで唯一助かっているのは、お店が空いているので、意外と容易く個室を貸してもらえるということかしら。これもヘンな話ですよね。コロナのお陰だなんて…アハハッ…

 でも、なかなかいい部屋でしたし、お昼のランチも美味しかった!これに天ぷらと茶碗蒸し、お吸い物が付いて、おまけにデザート・コーヒー付きで、しめて1,500円。安いと思いませんか?


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
吟行 (ミルク)
2020-10-26 10:26:32
吟行って、ランチを頂きながら、句を考えるのですか。
もちろん、見たり、聞いたりを入れて。私なら眠くなって、全然考えがうかばないでしょう(笑)

小さな巻貝みえましたよ。樹に巻貝ねぇ。不思議です。
ミニ琴、ほしいで~す。琴音ちゃん、一応弾けるのですか?
その場にいたらきっと、琴音ちゃんを、連れ帰ったと思います(^-^;
ちなみに、お値段はどうでしたか?
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Unknown (ちわき)
2020-10-26 12:34:22
ミルクさん、コメントアリガトウございます。
吟行というのは、俳句を作るために景色の良いところや句材がありそうな所へ行くことをいいます。
いつも句会をしているのは部屋の中、ですから少しでも外へ出れば景色が違うのですから、それも吟行といいます。
でも、どうせならちょっと遠くへ…日頃行かないところへ…と。
ならば、時間的には一日かかることが多くて、昼食を挟んでということになります。
野外でお弁当というのもしますが、これは天気と句会場が問題。
となれば、同時に出来る会場がいいんですが、この会場探しが吟行の世話係の一番大変なことなんですよ。
美味しい物がいいし、かといって高過ぎはダメ…部屋は?と、その三拍子揃った場所が吟行地にないと…
何かを多人数でするというのは大変だということが分かるでしょ!それを毎月ですから…ね。
普通教室の吟行は年に1,2回ですから。
ミニ琴可愛いでしょ。聞かなかったけど、調べたら琴太郎君は16,500円、琴音ちゃんは弾けるから39,600円。ちょっと弾いてみたんですよ。これなら邪魔にならないし…欲しかったけど、弾く暇も無いし、もう忘れました…昔だもの。
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 (すず)
2020-10-27 01:35:14
つい最近、フィリピン在住の中国人男性が、琴を習っているというので、驚きました。
日本人の先生がいらっしゃるそうで、琴クラブなるものも存在するのだとか!
演奏動画も送られてきました。
エレクトーンを通じて知り合った方から、まさか琴の話題が!と。
海外の人にも愛されているようですよ。

ミニ琴、可愛いなぁ。💓
返信する
Unknown (ちわき)
2020-10-27 11:18:31
すずさん、こんにちは!
フィリピンに在住の中国人の男性が琴を…ヘエッ、びっくりですね。
でも、琴は〝箏〟ともいって、古くは「百済ごと」(中国、百済を経て伝来)とか「東ごと」(日本式で始めは六弦)とか言っていたんですからね。
中国の人が弾いた箏曲を聴きに行ったことがあります。これはやはり古典の世界でしたね。二胡もあったかな…ほら有名な二胡奏者の方がいるでしょ?名前忘れましたが…
娘が以前二胡を習っていて、それで一緒に聞きにいったのかな?…
今からまた午後は俳句教室です。 
返信する
中国にも! (すず)
2020-10-27 18:08:11
〝箏〟というものが…知りませんでした!
中国から日本へ渡ってきたものが多いですものね。
勉強になりました!

 そういえば、デイサービスに二胡を趣味で習っていらしゃるグループがやってきて、演奏して下さったこともありました!
いい音色ですよね。
 あのグループ‥。一時期、流行りましたよね。私も名前は覚えていませんが…💦
返信する
胡弓 (風の盆)
2020-10-28 10:01:11


弦楽器か
西洋で言えばバイオリンかな
楽器とは音が出るとか
素人でも、とりあえずは音が出る
トランペットなぞは、素人では音が出ないが
三味線 三線は南の方から
胡弓は西からとか

上手いものが弾くと良いな

神社には樹木、年数の経った木だな
楠か  多いな
樟脳は分からん

酒とは酒税が絡んでくる
国家が絡んでくる
どぶろくを勝手に造った者が挙げられたこともあったか

コメントの返信を入れておいた
続編とも言えるがな


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Unknown (ちわき)
2020-10-28 16:40:55
風の盆さん、こんにちは!
コメント有難うございます。
楠は、関東以西、四国、九州の山地に生えるとか…東北とか北海道には生えていないんでしょうか?
ちっとも知りませんでした。もしあったとしてもそれは植樹かなんかなんでしょうね。
楠は〝南国から渡来した木〟という意味であの字になったらしいのですが、『魏志倭人伝』には日本の産木として〝だん〟として出てくるようですから日本古来からあったのかも…。
以前も山茶花の自生は九州、四国、山口にしか分布しないと…ヘエッ、ホント?大阪や関東で見るのは何?と思いましたが、今では何でもありなんですよね。
税金は毎年酒税法に基づいて税務署にきちんと払っていますよと…。
ここでは〝白酒(しろき)〟というんですが、要するに清酒ですね。それが全国で4社しかないのですが、どぶろくを醸造している神社は全国に40社ほどあるんですって。
今度初詣に行って飲んでみようよと言っているんです。アハハハ…
返信する
 (風の盆)
2020-10-28 19:56:55
>楠は〝南国から渡来した木〟という意味であ

成程ね
しかし、関東でも関東の神社でも見かける
神社には楠ありだな
しかも大きな樹齢を経た楠があるのが多い
楠木正成に関係しているのかと勝手に解釈しているが

古い神社、もっとも神社は古いが
寺にも大きな樹木がある
逆に言えば、古い場所で大きな木が無い場所は歴史を感じないな

返信の返信を入れておいた

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