ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝春塵〟

2018年04月05日 | 俳句

 今日はどんよりした天気。明日は雨の予報ですから仕方がないですが、でもなんと晴天の日が続いたこと。有り難いことです。

 先日の句会の兼題は「春塵」でした。春は風の強い日が多く、とかく埃や塵が立ちやすい。ひどいときは砂嵐にもなるし、特にローム層の関東地方は冬に雨が少なく、春先は地表が乾ききっているので、春塵が立ちやすいようです。

  春塵や観世音寺の観世音   高野素十

 観世音寺といえば、…次はWikipediaの解説です。

 観世音寺(かんぜおんじ)は、福岡県太宰府市観世音寺五丁目にある天台宗寺院山号は清水山。本尊は聖観音[1](しょうかんのん)。開基は天智天皇である。九州西国三十三箇所第三十三番札所。

 九州を代表する古寺で、造営開始は7世紀後半にさかのぼる。奈良の東大寺・栃木の下野薬師寺とともに「天下三戒壇」の1つに数えられる。平安時代以降は徐々に衰退したが、仏像をはじめとする文化財を豊富に有する。

 私も吟行で一度だけ行ったことがありますが、ここの観音様の印象は…と聞かれても何も憶えていません。いや、拝観しなかったのかも知れませんね。この寺の創建は奈良時代ですが、度重なる火災や風害で往時の栄えた頃のものはほとんど現存せず、ただ〝梵鐘〟が日本最古のものの一つとして、現在国宝となっています。これは外にありましたので、確かに見たという記憶は残っていますが…。

 こちらでは〝黄塵〟の方が実感がありますが、それは「霾(つちふる)」や「黄沙降る」とかの季語を使います。関東は〝春塵〟なんでしょうね。でも、〝黄塵〟とも言っていますから、それはどうなんでしょうか?やはり西日本と東日本とでは違うのかも知れませんが。

 句会では、〝塵〟ですから定番の「拭く」を使った句が多く、そうなれば当然「眼鏡」も出て来ますね。投句の眼鏡の字を「眼鐘」と書いたものがあり、アレ!と思ったのですが、仕方なくそのまま書き…するとまた「眼鐘」が出て来たんです。自分を疑いましたよ。こういう熟語があるのかもと。すると、皆は〝先生、字を間違えてるよね~〟と…、思っていたんだそうです。〝この作者、罰金ですよ!〟とつい言ってしまいました。(大笑)

 今回は〈春塵や地蔵の笑みの変らずに〉が最高点句でしたが、こういう中七以下のフレーズは五万とあるでしょうから、もっと斬新な発想が欲しいところです。次点の〈黄塵や眼鏡拭きをる測量士〉などもありきたりの「眼鏡拭く」ですが、「測量士」で救われましたね。〈吹き曝しの駅のホームに春埃〉という句がありましたが、これではあまりにも当り前。例えば「地下鉄」とかにすると都会的になるし、「駅」も省略できます。さらにここは「…ホームに…」と続けないで「や」でしっかりと切りたいものです。例えば〈地下鉄の狭きホームや春埃〉とかにでもすると少しはましかも…

 花は〝白山吹〟で、春の季語です。気がつかないうちに咲いていました。花びらが4枚ですよ。よく見て下さい。


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