ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

万愚節

2018年04月01日 | 俳句

 今日から4月…季語では1日のことを「エープリルフール」、「四月馬鹿」、「万愚節(まんぐせつ)」といいます。この日に限り嘘をついても許されるという、インドの仏教徒の行事から起こったとも、ヨーロッパのキリスト受難を記念する風習であるとか、いろいろの説がありますが、日本には大正年間に伝わったものらしいです。

  万愚節半日あまし三鬼逝く    石田波郷

 西東三鬼は、明治37年4月1日に62歳で亡くなりました。掲句はその時の弔句ですが、年齢は三鬼が13歳上でした。しかし、句歴からいうと波郷の方がずっと先輩です。三鬼が33歳という遅いスタートでしたから。きっと二人は年齢を超えて気が合ったのでしょう。昭和22年には波郷が三鬼に働きかけて、現代俳句協会を設立したんですから。波郷の弔辞の中に、「東京への満員列車の床に座り込み、夜を明かして現代俳句協会設立のことを語り合った」というくだりがあったといいます。それほど二人は意気投合していたんですね。そもそも元気な三鬼に比べ波郷は結核のため何度も闘病生活を繰り返し、年は下でも自分の方が先に逝ってもおかしくないと思っていたのに…悔しかったんでしょうね。三鬼は胃癌発病後わずか半年足らずで亡くなっていますから。その気持ちが〝半日あまし〟に込められていると思います。〝三鬼兄貴!冗談じゃあないよ。まだ半日も余ってるじゃあないか…〟と。これは事実なんですからこの季語でおかしくないのですが、しかし、事実という以上に、波郷の気持ちの全てをこの「万愚節」が語ってくれています。こう考えてみると季語ってスゴイ!ですよね~。

 4月になりましたのでテンプレートを替えました。これからとても良い季節になりますので、しばらくは〝旅の気分〟でも満喫しましょうか!皆様もどうぞ。

 今日の写真は、〝日向水木〟。昨年のブログを見ると〝土佐水木〟と書いていました。調べたら間違いです。ゴメンナサイ!とても良く似ているのですが、土佐水木は花房が大きく7つ以上ぶら下がっていて蘂が朱色、日向水木は小ぶりの花房が3つで蘂は黄色ですからすぐに見分けられます。下の2枚はわが家の〝日向水木〟、3枚目は写りが悪いんですが、よそんちの〝土佐水木〟です。

 

 

 

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