このところ零下にはならないけれど、最低気温は1度か2度、最高気温も10度を上回ることがなく、〝冬日和〟と詠めるような気持ちのよい日がありません。
天照るや梅に椿に冬日和 鬼貫
今日は午後から句会。出掛ける時にふと見ると、あら、〝梅〟が一輪ほど…確かに椿も咲いていました。でもこの句のようなあっけらかんとした明るさ、暖かさはまだ感じません。
この写真の梅、これはもちろん私の腕が悪いからなんですが、〈梅一輪一輪ほどの暖かさ 嵐雪〉という感じではないでしょう?何だか健気に必死に耐えて咲いているような…可哀想な感じがしませんか?
でも去年のブログからみると、咲くのは早いんですよ。昨年は蕾が今にも開きそうなのに何日も待たされてやっとという記憶が残っています。今年はいつの間にか…アッという間にという感じですから、きっと去年よりは暖かいのでしょう。
人は待たされるほど期待が高くなって、喜びも大きくなるのでしょうが…。今年の梅にそれほど心が動かないというのは、もしかしたら私のせい?歳とともにこころが錆びて響かなくなってきているのかも…オオ、コワッ!
今日の兼題は〝風花〟、冬の青空に舞う雪のことです。昨年末に降りましたので、その時書いたと思いますが、あの時は青空ではなく、雪雲の切れ目から日が差してきて、それに雪が舞っていたような気がします。
句会でもその話をすると、皆よく覚えていました。なぜ?と聞くと、〝だって兼題ですから~〟ですって。これが兼題の効用ですね。こうやってしっかりものを見る眼が出来ていくんですよ。
ああそれにびっくりしたこともありました。俳句を始めてまだ2年目のKさん…〝風花というものもことばもぼくの人生では始めてでした。〟と。〝エエッ、Kさん幾つ?〟と聞いて、それでは〈七十路にして風花を知りにけり〉ですかと言うと、〝そう、その通りです。本当にこんな美しいことばがあったんですね~〟と。
こういう話、とっても嬉しいですね。〝俳句をやっていてよかった!〟と実感する時です。句会ではいろいろと面白い句も出ましたが、それはまた…ね。