ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝買初の小魚すこし…〟

2019年01月02日 | 俳句

 今日は朝からいいお天気になりました。こんなことなら雨の降りそうな昨日わざわざ初詣に行かず、今日行けばよかったねといいながら…、のんびりと年賀状の整理などをしていました。元旦に新聞と一緒に山と入っていた広告などを見ていると、今日から初売のところが多く、それじゃあ〝買初〟にでも行きましょうかということになり、主人と午後から出かけました。〝買初〟は〝初買〟ともいい、新年最初にする買物です。大体〝初売〟と関連して、二日とされていますが、最近は元旦も休まず営業しているところもあるようですね。

  買初の小魚すこし猫のため    松本たかし

 いいですね~、こういう句は大好きです。巧い下手ではなく、気持ちがヤサシイ!人間様はおせちを食べて、お正月を祝っているのに…猫は?せめて小魚ぐらいは食べさせようというこの気持ち、猫好きの者にはたまりません。

 ところで、松本たかしについては以前に書いたことがありますが、明治39年生まれで昭和31年に50歳で亡くなりました。代々江戸幕府所属であった宝生流能役者の家に長男として生まれたものの、病弱のため能を早くに諦めて俳人に。父は能楽師の松本長で、弟の松本惠雄も能楽師となりのちに人間国宝となります。作家の泉鏡花は親戚(長が鏡花の従兄弟)という、なんとも立派な家柄なんです。

 上掲の句がいつ頃詠まれたのかは分かりませんが、たかしの生きた時代を考えれば、猫の餌と言えば何だったのでしょうか。私が高校生の時猫を飼っていましたが、普通は〝猫まんま〟と言って、麦ご飯に味噌汁をかけたもの、せいぜいイリコが入っていれば〝おんのじ〟の餌でしたよ。今のようなペットブームはありませんでしたから、キャットフードなどはもちろんなく、缶詰も当時は貴重なものだったでしょうし…。だから、考えてみればこの句の〝小魚〟なんて猫にとっては大変なご馳走でしょうね。

 さて私の買初はというと、猫でなく自分のための着付に必要な「ウォールミラー」と家計簿。主人はジーパン。娘の猫のトワと我家のテンちゃんはお留守番です。この子らにはきっと息子が何か買ってくるでしょう。私たち以上に猫好きですから。でも、この二匹ともとても贅沢で、〝刺身〟などには見向きもしないんですよ。ただひたすらカリカリが大好き。自分から要求するものといえば、水とマタタビの粉だけですもの。〝猫まんま〟なんてトンデモありません。時代とともに何もかもが贅沢になりましたよね。猫も人間も…いや、み~んな!

 写真は、待ちくたびれた二匹と〝マタタビ〟をあげるとうるさいぐらいのテンとトワ。でも喧嘩せず仲良く食べます。急いで撮ったのでまたボケてますけど…ゴメンナサイ!

   

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