★しろうと作家のオリジナル小説★

三文作家を夢見る田舎者です。
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義腕の男2(1)

2013年04月07日 | 短編小説「義腕の男2」
タターン・タターン・・・
 座り心地の悪いパイプ椅子から、鉄道特有のリズミカルな心地よい振動が伝わってくる。
 催眠術のように強烈に夢の世界へといざなう、眠気を誘う揺れだ。
 だが、俺はここ数日寝てばかりいるので、とりあえず今は睡魔は襲ってこない。しかし、俺のいる空間は寝る以外ほとんど何もできないほど狭い。そのうちまたすぐに眠くなってしまうだろう。
 この狭い空間に閉じ込められて、もう三日になる。
 同じ姿勢を長時間続けていると運動不足どころかエコノミー症候群で命に関わることにもなってしまう。
 この狭い空間の隙間を最大限に使い、そう、タコのように器用に全身の筋肉や関節を何とか伸ばして血行を促しておこう。
 


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