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鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

トルコ大地震と阪神淡路大震災

2023-02-08 17:48:11 | 日本の時事風景
2月6日未明にトルコとシリアの国境に近い地域で大地震が発生した。

トルコに多い活断層による地震で、マグニチュード7.8、震源の深さ18キロという比較的浅い箇所で起きた地震だった。

8日現在、死者はトルコと隣国のシリアで7800人という。

トルコ南部の大きな都市の惨状が伝えられているが、耐震構造の無い大きなビルが無残にもぺしゃんこに潰れている。

早朝4時台の地震だったから、まだ市民は眠っていた。そこを突然襲われ、逃げる間もなく高層アパートのがれきに埋もれた人が多かったのだろう。

ただ火の手は上がっていないようだった。早朝の4時台ではまだ台所で火を使うような時間ではなかったことが幸いした。

同じような規模の地震で1995年の1月17日に発生したマグニチュード7.3の「阪神淡路大震災」では、発生した時刻が一時間遅れの5時台だったから、早起きの家庭では火を使う時間でもあり、こちらは大規模な火災が発生した。

阪神淡路大震災の犠牲者6800人のうち火災による死者が最も多かったのもうなづける。

自分はその1年半前に広島から家族を挙げて大隅の田代町に移住しており、広島でもかなりの揺れを感じたらしいが、全くあずかり知らぬ災害だった。

ただ震災が発生した1月後くらいに、当時小学校2年生だった娘の学級に神戸から避難して来た家庭があったのを思い出す。

その家庭の実家がすぐ近くにあり、いろいろ話を聞くことができた。

父親は兵庫県警の警察官で、震災があった前日の1月16日は当直勤務で家(官舎)には母と二人の子だけだったという。

朝5時過ぎの揺れで炬燵で寝ていたという母子は大きな揺れに気付き、目が覚めてアッと思う間もなく箪笥が倒れて来たそうである。

ところが幸いなことに、箪笥は炬燵に向けて倒れて来たがテーブルの角に引っ掛かり、寝ていた母子との間に隙間が生まれ、何とか箪笥の直撃は免れたという。

もう28年も前のことだが、このような大災害にあったこともなければ、災害当事者の話を聞くこともなかった自分には衝撃的な話だった。

その後に起きた東北大震災ならもっと悲劇的な話は山ほどあるに違いない。

大災害は起きないに越したことはないが、地震や火山噴火が起きるのだけはどうにもこうにも防ぎようがない。まさに地球が生きている証だからだ。

日本列島は世界でも稀な4つのプレートが交わる地域であるから、「天災は忘れた頃にやって来る」では物足らず、「天災は忘れぬうちにやって来る」と観念しなくてはならないのだ。

「国家の安心安全」のために驚くほどの防衛費の増額を図った岸田内閣だが、「国土の安心安全」にはそれを上回る「異次元の予算」を組んで欲しいものである。


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