万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

アンディー・ウォーホル風カラディモス

2015-06-09 23:59:17 | 万華鏡ブログ

今回のコンベンションのテーマは「アート」でした。 サイレントオークションの出品作品のテーマも「アート」で、有名なアートを取り入れた作品など、ユニークさを競いました。
チャールズ・カラディモスさんのテーマはアメリカのポップアートで有名な「アンディ・ウォーホル」でした。

上の写真の万華鏡です。雰囲気伝わっていますね。

後ろに見えるイラストはワイリー・ジョウブさんの作品です。 ニュースレターに挿絵を描いてくださる万華鏡作家さんですが、音楽の腕前も素晴らしく、パーティーでも皆さんを楽しませてくれました。 BKSには多才な方が多いですね。

映像のシンメトリーの完璧さは、いつもと変わらず、こだわりのオブジェクトが生み出す独特の映像世界です。 通常の作品とはちょっと違っていて、コレクターにとっては垂涎の的です。

こちらは、アーティストテーブルに並べられた作品の数々。 今年は新作発表には出ていませんでしたが、シリーズものの限定版や小ぶりなパーラータイプの中には、初めて目にするものもありました。
白、黒、赤の世界はカラディモスさん特有なものですね。

そしてパーティーの時にはアート作品になったり、アーティストになったりという趣向を凝らした人が多い中、カラディモスさんはかつらをかぶっての登場、皆をびっくりさせました。

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時の旅人 Time Traveler

2015-06-08 23:28:16 | 万華鏡ブログ

中里保子さんが今回のコンベンションで発表した作品「Time Traveler」です。 
素材としてこのところずっと興味を持っていらっしゃるという型紙を、透明なガラスや金属と組み合わせて使っています。 造形デザインも映像表現も、中里さんらしい独創性にあふれた素晴らしい作品だと思います。

積層ガラスの台に乗っているふたつの門を突き抜けるように通っているミラーシステムはミラーを透明ガラスで囲み,むき出しのまま、昔の世界に旅するタイムトンネルをイメージして創りました。
門のような部分は、型紙とガラスをパッチワークのように組み合わせた斬新なデザインです。

タイムトンネルの先にはホイールオブジェクトがあります。 積層ガラスのスタンドに取り付けられています。

ホイールに載っているのはたくさんのドライセル。 ホイールの回転によって、それぞれの中で動きながら映像に反映されていきます。

ミラーの第三面とトップにアンティークミラーを使った2ミラーシステムの映像です。

新作発表の時の中里さんのメッセージです。

「染色に使う型紙が発達したのは江戸時代です。その時代には有名な浮世絵画家(北斎や広重)がいました。しかし、名もない職人が彫った型紙も素晴らしいアートです。 
その時代はどのようなものであっただろうと想像し、そして私はその職人たちに会ってみたくなりました。 
ミラーの向こうに昔を想像してください。 
私はこの万華鏡を見る人が同じように旅をしていると感じてほしいです。」

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百花繚乱

2015-06-07 23:34:07 | 万華鏡ブログ

BKSコンベンション展示作品から、今日はスティーブ&ペギー・キテルソン夫妻の「A Garden in the Spring」をご紹介します。
昨年、新作として発表された作品で、25個の限定版ですが、ことしも花のデザインを少しだけ変えて登場です。 

一つ一つの花をフュージングやランプワークの技術で創り上げ、重ねて焼き付けます。使うガラスの種類によって適温が違うので、細心の注意を払って造りますが、最終段階で窯に入れるときは、上手く出来上がるようにお祈りすると言っていました。

この作品はインターチェンジャブルでセルの交換を楽しめます。 一つのセルにはフラワースコープのお約束で、ミニチュアのガラスの花がいくつか入っています。 もう一つはダイクロイックガラスなど、黒い背景に映えるガラスオブジェクトが入っています。 オブジェクトセルは、マグネットで付いているので、交換も簡単です。

飾る時はトップの写真のようにして置きます。 覗くときはボディーを90度傾け、支えをあてがって安定させる仕組みになっています。 

外観だけでなく、中の映像も見ごたえがあります。 作り続けてきたフラワースコープの集大成のようなこの作品だけに、表情も豊かです。

今年は新作発表がなかったキテルソン夫妻ですが、展示されているどの作品も、たとえタイトルが同じでも、今年は今年の映像表現があるように感じました。 会場を回りながらも何度もこのテーブルの前で足をとめ、中を覗いてしまいました。

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ふたつのエレガントな万華鏡

2015-06-06 16:22:59 | 万華鏡ブログ

ブリュースター・カレイドスコープソサエティのコンベンションで、ピープルズチョイスアウォードを受賞した3組目の方は、日本から初参加の松本建夫さん、美子さんご夫妻でした。
日本の紋様を万華鏡のデザインに取り入れることから製作をスタートなさったと伺いました。 

発表された作品は「風雅 FUGA 2015」と「雅 MIYABI」という対をなす作品です。 
ガラスをフュージングするのは建夫さん。ステンドガラス工法は美子さんの担当です。

上の写真は「風雅」です。 本体にデザインしたのは伝統的な文様で、魚を捕まえる網の模様だそうです。 鍛鉄(ローとアイアン)で作ったスタンドも力強く、全体的にしっかりとした安定感のある男性的なデザインを意図なさっています。

一方、「雅」は和風の中に女性的な優しさ、華やかさを表現しています。

こちらのデザインも日本の伝統的な「七宝紋様」をフュージングしています。 ボディーは「風雅」よりややスマートで、スタンドも緩やかな傾斜です。

オブジェクトにはどちらも、カラフルなガラスの粒を入れた砂時計を組み込み、その砂の流れを楽しみます。 「風雅」はドライセル。 「雅」はオイルセルです。

ミラーシステムはそれぞれ2種類組み込まれています。 「風雅」はテイパード3ミラーとテイパード4ミラーの大型のミラーシステムで、迫力のある映像を見せています。

折りヅルがきれいで、和風ですね。

雅のミラーシステムは、一つが4ミラーテイパードで周りをオーロラ状に見せる工夫があります。その奥で砂時計のガラス粒が流れます。 

もう一つのミラーシステムはシンプルな2ミラーです。

内部にはLEDが組み込まれ、jPhone 用のリチウムバッテリーを内蔵していますので、電源のオン/オフ、光量の調節もでき、フル充電で30時間以上点灯することができます。
オブジェクトは交換できるようになっていて、何と、iPhoneを取りつけられるようになっています。 動画やミュージックビデオなどを音声とともに楽しめます。現代的な万華鏡の楽しみ方ですね。 松本さんのお気に入りはエルビスだそうです。

日本の“雅”、“エレガンス”を、男性的に、そして女性的に表現した大きな万華鏡の一対は、コンベンションの会場でおおいに注目されました。

 

 

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クールな「パラドックス」

2015-06-05 18:32:01 | 万華鏡ブログ

マーク・ティクルさんも、今回のコンベンションで、ピープルズチョイスアウォードを受賞しました。 タイトルは「Paradox (パラドックス)」です。 
ガラス製の長い筒の先に オイル入りのオブジェクトケースがあり、そのノブを回して映像の展開を楽しみます。
ミラーシステムを隠したイリュージョンタイプや、3Dの奥深い世界を外から見せる本体などでユニークな世界を演出してきた作家さんですが、今年の作品はそういった意味ではオーソドックスなタイプの万華鏡といえるのではないでしょうか。

安定感のあるスティール製の台座は、今年のパーラータイプの多くに使われています。
オーソドックスながらもスマートな美しさとバランスの良さ、そしてきれいでユニークな映像表現で票を集められるところに、彼の実力を見せつけられた感があります。

覗き口はふたつありますが、ミラーシステムは3ミラーシステムがひとつだけです。 ふたつの覗き口(アイホール)から 同じミラーシステムを通して同じものを映し出しながら、異なったユニークな映像が見えています。

30-60-90度の3ミラーシステムで、一つ目のアイホールからは、マスキングの手法で切り取られた6ポイントの星型の映像が見えます。大きな映像の一部を切り取っているので、模様の見え方が、2ミラータイプとは違って、中心がずれて見えるのがお分かりになるでしょうか?

ふたつ目のアイホールにそのまま目を移すと、こんな映像が見えています。

まるで2種類のミラーシステムでそれぞれ見ているような違いを一つのミラーシステムから生み出すのが、本当に面白いですね。 これがパラドックスの意味でしょうか。

セルを回転させて、違う色模様を映し出してみます。

そして

もう一点、マーク・ティクルさんがサイレントオークションに出品した作品です。



タイトルは「XXV」  オークションのテーマ「25回目のコンベンションを祝う」ところから、ローマ数字の25を表しています。
そして映像にそのタイトルの意味が隠されています。

30-60-90度の3ミラーシステムの一部をマスキングすることで、2ミラーの映像がたくさん見えるような印象です。 マスキングの部分に抜かれた文字が、「X」と「X」と「V」なのが見えていますね。

サイレントオークションは、その年のコンベンションのテーマに合わせて、作家さんが特別に作る万華鏡です。 それがオークションにかけられ、最高価格を提示した人のもとに届けられます。 サイレントというのは、競り合う人のやり取りが紙の上で行われるからです。
今年のテーマは「コンベンション25周年」と「アート」でした。 テーマに合わせて工夫を凝らした作品は、ほとんどが1点ものです。価格が高くなって競りには参加できなくても、毎年じっくり見て、作家さんのアイディアや創造性を見つけるのが楽しみです。

 

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青く深い世界  Grand Blue 

2015-06-04 14:14:45 | 万華鏡ブログ

今日は、今回のコンベンションでピープルズチョイス・アウォードを受賞された佐藤元洋さんの万華鏡、「Grand Blue」をご紹介します。 この賞は、新作発表の作品の中から選ばれるもので、コンベンション参加者全員の投票によって決まります。 佐藤さんはこれで2度目の受賞です。

佐藤さんがこの作品で表現したかったのは、深い青の世界、静寂の世界です。 吹きガラスの本体は青と白が美しく流れる模様の不透明なガラスの筒で、一方台座部分は透明感のある青。 吸い込まれそうな美しさです。

あえてオブジェクトにダイクロイックガラスを使わないで表現したとおっしゃっていましたが、静かに、めくるめく展開を見せる素敵な映像表現です。 13ポイントの映像を生み出すのは、360/26 度という狭い角度の二等辺三角形に組まれたミラーシステムです。

写真はブログ用にサイズを小さくしているので、細部までのきらめきや色使いがすべては伝わらず残念ですが、実際はため息が出るほどきれいな映像です。 万華鏡に目の肥えたブリュースター・カレイドスコープソサエティの会員の人たちに選ばれたのですから、日本だけでなく世界に伝わる表現であることが分かって、私もとても嬉しくなりました。

アメリカでこの作品を欲しいというリクエストもありましたが、今回は日本に持ち帰られました。
6月24日から7月12日まで千葉県流山市の「万華鏡ギャラリー見世蔵」さんで開催される「世界万華鏡コンベンション、出品作家作品展」でご覧になれます。

コンベンションでは、アーティストが自分の作品をテーブルに並べ、コレクターやショップの人たちに見せて、欲しい人には販売をします。 飛行機での移動はどうしても荷物に制限があり、アメリカの作家さんほどたくさんを並べることができないのですが、作品はいつも大人気でコレクターやショップのもとに旅立っていきます。

今までにもブログで何度かご紹介している「二重奏」の映像です。(上の写真の奥から4,5,6番目の作品)  外から見えるオブジェクトセルの内側にもう一つのセルがあり、その二つが織りなす繊細な映像が特徴の素敵な作品です。
11ポイントの大きなマンダラ映像に小さなマンダラが重なり合う映像です。

佐藤元洋さんのワークショップが上記の見世蔵さんでの作品展に合わせて、6月28日(日)に開催されます。 佐藤さんが吹いて作られたボディーとバーナーワークで作られたオブジェクトを選んで、素敵な、そして本格的な万華鏡が出来上がります。 そして何より楽しいのは佐藤さんのお人柄に触れることができることです。 コンベンションのお話なども聞かせていただけるのではないでしょうか。 ご案内・お申し込み方法は見世蔵さんのウェブサイトからご覧ください。

 

 

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ザ・ブリュースターカレイドスコープソサエティ 第25回コンベンション

2015-06-03 17:46:16 | 万華鏡ブログ

昨晩 ケンタッキー州コヴィントンで開催されたブリュースターカレイドスコープソサエティの第25回コンベンションから戻ってきました。 
上のロゴは万華鏡作家のチャールズ・カラディモスさんがデザインしたものです。
今年もまた万華鏡作家、コレクター、リテーラーが一堂に会し、旧交を温めたり、新しいメンバーを歓迎したり、クラスに参加したり・・・そしてたくさんの万華鏡が展示されました。 会場を回りながら、好きなだけ覗くことができます。

木曜日から会場のセッティングをするため、水曜日夕方に現地に到着した私たちは、15時間の長旅にもめげず、その夜はアメリカ人のメンバーたちとドイツ系レストランに繰り出しました。 
大道芸人というのでしょうか、長い脚の、風船で何でも作るよというこの男性に、このグループがリクエストしたのは「マンダラ!」  もちろん最初は「???」という感じでしたが、万華鏡映像の写真や実物の万華鏡を覗いてもらって、いつもとは違うリクエストに挑戦して作り上げたのが、これです。 ちょっと惜しいところですね。

会場のホテルはオハイオ川を挟んでシンシナティーが望めるところです。向かい側のボールパークも良く見えます。 白い強い光のところが球場です。


金曜日の朝から開会式があり、デヴィッド・スーギッチさんの歌うKaleidoscope songが流れました。そして、メンバーの多くがわくわくして待つ、新作の発表(アンヴェイリング)が続きます。
それが済むと、いよいよショールームがオープンし、作家さんと話をしながら、新作を含むたくさんの万華鏡を覗くことができる楽しい時間です。


マーク・ティクルさん、スティーブ・キテルソンさん、シェリー・ナップさんが見えています。

こちらを向いているのが、チャールズ・カラディモスさん、ペギー・キテルソンさん、それとボブ・エイドさん、フィル・コグヒルさんの後姿です。奥にもたくさんの方が見えています。

嬉しいことに今年の新作発表作品からピープルズチョイスアウォードを受賞した作家さんのうち、二組が日本人でした。
佐藤元洋さんと、松本建夫さん・美子さんご夫妻です。 本当におめでとうございます。

次回、この受賞作からご紹介していく予定です。

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