すっきりとしたモダンなデザインが目を惹く百々花さんの「星に願いを / しし座」という作品です。
糸巻きの紙筒に、色、太さを変えながら段状に光沢のある糸を巻いています。
しし座のチャーム、控えめだけれどきれいな装飾はんだによる覗き口とセルのデザインが全体の姿を美しくまとめていると思います。
白と黒にほんの少しの青とカーキ色(うぐいす茶)という構成の外観に対して、それらの色のコーディネートも完璧な映像ですね。
黒い背景に浮かび上がる8ポイントの映像はシンメトリーも美しいです。 先の広がった筒に内蔵する先の広がったミラーシステム(テイパード)によって中心をしっかりとらえた2ミラーの映像になっています。
色味は抑えながら、どの映像も美しくまとまっていて、オイルの中のオブジェクトの優雅な流れとともにうっとりとする万華鏡です。
最近、ポイント数についてご質問があり、私なりに理解していることを書きたいと思います。
8ポイントというのはミラーの頂点の角度を360度の16分の一(つまり22.5度)に組んだときに生まれる映像です。 実像は16分の一の部分になるのですが、それが16のポイントになるわけではありません。 鏡の線対称によって隣あう2つの部分は向きが反対になっています。この二つの部分を組み合わせたものが、何回繰り返されるかというのがポイント数です。
そしてしばしば星状の映像の頂点のような部分が現れ、数を数えるのも数えやすいことから、ミラーシステムの区別にこのポイント数が使われるようになったわけです。
3ポイントの映像は三角形の映像ではなく、3つの同じ模様が繰り返されるから3ポイントです。
ちょっと話が横道にそれましたが、2ミラーシステムでも2ポイントから20ポイントぐらいまでの作品があり、作家さんによっても、見る人によっても好みがあるかと思います。 いろいろなミラーシステムがあってこその万華鏡の醍醐味ですね。