万華鏡の楽しみ ガラス色の幸せ

万華鏡の魅力、ガラス色の幸せを伝えたいと思います

「佐藤元洋の世界」展から(2)

2007-07-22 22:36:40 | 万華鏡ブログ
熱い炎の中で形作られ、ゆっくりと冷ます作業を経て生まれる、透明感のあるガラス造形、灼熱の工房から生み出される冷たい、涼しげな輝き・・・吹きガラスの作品の魅力はそのような相反する要素の奏でる透明な響きでしょうか。
佐藤さんの万華鏡は、透明感のある美しさで知られていますが、それは主に、外からもよく見えるオイルセルや、オブジェクトの重なりが美しい映像表現に反映されていました。
透明なガラスで万華鏡本体を創りたいけれど、ミラーシステムは外から見えないほうが良い・・・となるとなかなか難しい注文。そんなところから生まれたのが、この香水ビン万華鏡だそうです。
白い部分にミラーシステムを内蔵し、そのすぐ下がオブジェクトセル。つまり蓋の部分をそっと外すとそれが万華鏡で、上のアイホールから覗くと、そこは佐藤さんの映像世界が展開します。レース棒と呼ばれるガラス細工を閉じ込めた、透明なビンにあたる部分が台座の役割を果たしています。万華鏡としては小型ですが、見た目も美しく、香りと色模様を楽しめる素敵な作品であると同時に、機能の中に万華鏡があるという新しいスタイルでもあります。
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