鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

まんさくの花。

2010-02-26 | 日々のこと。
四月なみの暖かい日が続いた金沢も、今日は雨になりました。
それでもまだ日中の最高気温は十七度にもなるそうで、暖かい。

今朝は実家から出勤。
片町でバスを降り、柿の木畠から知事公舎側に抜け、
21世紀美術館をめぐる遊歩道を歩きました。

21世紀美術館の敷地内には「松涛庵」という茶室があります。
遊歩道を歩くときは、松涛庵の庭の木々を垣根ごしにみるのが私の小さな楽しみ。
今日はそこに、鈴なりに黄色い花をつけたマンサクを見つけました。

ご存知のようにマンサクは「まず咲く」が転化してついた名前。春を告げる木です。
その枝はとても粘りのあるところから、
茅葺屋根の垂木と横木を縛るのに使われ、ねそとも呼ばれています。
そういえば先だって茨城で開かれた「新春やさと茅葺まつり」には、
ねそを縛らせたら日本一という杉山さんほか、茅葺職人の塩澤さん、山田さん、
平成の茅葺三人衆(勝手に命名)が集って熱い茅談義が繰り広げられました。
そのようすは当日会場へ向かわれたvinoさんが綴ってくださいましたので
ぜひお読みください。

ところで今日2月26日は歴史的には226事件の日ですが、
私にとっては古物商許可がおりた記念日。
平成11年に取得したので、
昨年は区切りのいい10年目でかたかご庵を開いたのだと今さら気が付きました(苦笑)。

11年目の春、木々の芽吹きとおなじく、
私の裡にも色々な芽が萌え、かがよいだそうとしています。




○松涛庵
この建物はもとは江戸時代末期、加賀藩13代藩主 前田斉泰により、江戸根岸の隠居所「冨有園」の居室として建築されたものだそうです。その後鎌倉に移築され、昭和のはじめに独立した数奇屋風の茶室として整備されました。それから昭和54年に金沢市内に移築され、平成13年金沢市が取得、美術館敷地内に移築という変遷をたどっています。



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4 コメント

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Unknown (shiozawa)
2010-02-28 19:01:33
「やさと茅葺きまつり」は、相模原の現場に3人集まっている機会で丁度良いと参加させて頂くことにしたのですが、山田さんは神戸の現場が遅れて茨城からとんぼ帰り。相模原での仕事も雪やら雨やらで遅れに遅れ、昨日ようやくネソ巻きが終わりました。

長い間水に浸けたままにしていたので、ネソには花が咲いてしまいました。
花はかわいいのですけれどね。
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Unknown (kakyo)
2010-03-01 00:44:36
◎shiozawaさん
コメントありがとうございます。
忙しい中、向かわれたやさとだったのですね。

天井にネソの花が咲いている様を想像する段には物語のようですが、ネソは丈夫な分、手ごわい相手ですね。

3月下旬に用事があり神戸へ行きます。もしかしたらお会いできるでしょうか。
三寒四温の時節、くれぐれご自愛くださいね。




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Unknown (vino)
2010-03-16 19:17:13
最近、「花がたみ」本線途中下車のお客様が増えたので、??と思っていましたら、そうでしたか、拙い文章をご紹介いただいて恐縮です。
「ねそ」って、関東では使っているのかどうか、初めて聞きました。
「ねそ」に花、shiozawaさんて、やっぱりテツガク的ですよ。この場をお借りして、「お疲れさまでした」。
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Unknown (kakyo)
2010-03-17 16:07:58
vinoさま
コメントありがとうございます。
茅葺屋根を葺くとき、
ススキやアシなどを総称で茅というように、
マンサクもそう呼ぶのかなあと思いますが、
これは確認してみたいとわかりません。



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