鏡花水月紀。

日々の言の葉、よしなしごと。

重ねがさね。

2007-09-10 | 日々のこと。


菊の節句をすぎたというのに、うちの朝顔は今だ花盛り。
ファンファーレが聞こえてきそうでしょう?
美しい青色に、毎朝、癒されております。
(本当は縦位置の写真なので、pcの前で首を左に傾むけて見てね~)


さて昨日のこと。
以前に茅葺民家のヒアリングへ行った帰りに見かけて気になっていた
日月の祠を見に行きました。
祠のある小松市河田(こうだ)に着いたのはお昼どき。
誰も表を歩いていません。

これは困った、誰かに出会わないかしらんと道なりに車を走らせていると、
和菓子屋さんが店を開けていたので、聞きこみに入りました。
エンドウ餅を買って、60歳くらいの店のご主人に謂れなどを尋ねましたが、
「子供のときから見てるけど、さぁ、なんやろ?」と首をかしげ、
ちょっと待ってと家の中にいた従業員さんに声をかけてくれました。
「ちょっとわからないけど、Tさんなら知ってるわ、色々調べてるし」

「Tさん・・・?」
聞き覚えのある名前だなと思ってフィールドノートを広げたら、
茅葺民家のヒアリングでお世話になった方でした。
そういえば地元の民俗を調べているとおっしゃっていたと思い出しながら、
教えられた道を戻り、突然でしたがお宅を訪問。

「あ~、あんたか、shimoさんやったっけ?」
「いえいえ、反対のkamiです……、突然、すみません」

ちょっとトンチンンカンな会話のあと、
その謂れなどを資料を広げて教えていただきました。
それは安政のころ、
五穀豊穣と水に感謝するために嵐七兵衛という村人が六地蔵を街道沿いに建立し、
そのうちの3基が鍋谷河沿い、上河田バス亭、桜生水の3ヶ所に、
今も残っているというものでした。

直接、月見や月待ちの風習とは関係なかったものの、
県内ではこの辺りでしか見かけないもの。
月見も収穫を祝うものですから、
セミナーのなかで関連付けて紹介できればと思いました。

ところで教えて下さったTさんは昭和十二年生まれの70歳。
金属加工のお仕事も続ける傍ら、
郷土史をこつこつと調べていらっしゃいます。

Tさん、重ねがさねありがとうございました.
お世話になりました。