俳句
晴れ
○三好達治は、萩原朔太郎が、「そんな隠居趣味なことは、やめたまえ」といったにも拘らず、俳句を作り続けた。「路上百句」として、三好達治詩集(岩波文庫)にある。目に付いた句を挙げる。
街角の風を売るなり風車
柿うるる夜は夜もすがら水車
雲代謝(たいしゃ)みなうつくしき枯木立
ゆく春の店きららかに扇売る
柿落葉家鴨よごれて眠るなり
水門をいくたびくぐる初燕
堤より低き家並の鯉幟
土佐よりは伊予が美し麦は穂に
つばくらめどこまで揚る土用波
ひなげしのちる日のほどを歌の選
水に入るごとくに蚊帳をくぐりけり
ひるがえるのみとはいへど青はちす
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