★独楽の渦記憶の底を回りたる 正子
独楽を回した子どものころを思い出しました。独楽の回る様子をじっと見ていると不思議な感覚を覚えます。「記憶の底」は子どものころのことを象徴しているともさらにもっと大きなものにつながっている、とも思えます。 (多田有花)
○今日の俳句
よく晴れて風の激しき寒の入り/多田有花
いい嘱目吟である。今年の寒の入りは、よく晴れて風が激しく吹いた、ということだが、自然は、刻々、折々に、さまざまの変化を見せてくれる。それに触れての嘱目は、自然への素直な観照として尊ぶべき。(高橋正子)
○寒の入り
今日は寒の入り。寒の入りは例年1月5日か6日にあたるが、今年は、今日5日が寒の入り。小寒となる。この日から節分(立春の前日)まで、小寒、大寒をあわせた、およそ30日間を寒の内といい、寒さもますます本格的となる。寒に入って四日目を寒四郎九日目を寒九といい、水なども清浄感じがする。寒行や寒参りなど行事もいろいろある。
個人的に言えば、私はこの寒の季節から二月が終わるまでぐらいが、もっとも好きな季節である。そう思い出したのは、たぶん高校生ぐらいのときからであろう。もっとも静謐な季節である。
★焚火して林しづかに寒の入/水原秋桜子
○万両
[万両/東京白金台・自然教育園] [万両/横浜日吉本町]
★万両の赤を要に活けらるる/稲畑汀子
★万両に日向移りて午後の景/岡本眸
★千両も万両も生ふ旧き家/村越化石
★退院の待たるる日々や実万両/水原春郎
★実生なる万両として日をはじく/豊田都峰
★碑のもと万両のまだ青し/阿部ひろし
★万両の赤い実も鉢もつやつやと/高橋正子
★万両の鉢泥洗うも冬支度/高橋正子
★万両の根もとを猫が通り抜け/高橋正子
横浜日吉本町に住んでいるが、百両を見かけたのは、ご近所では一軒だけで、万両は千両と並んで町内の庭先でよく見かける。数年前、町田市の里山に出かけたが、その山に自生の万両を見た。そして、東海道53次の戸塚を過ぎて、藤沢の遊行寺の近くの遊行坂の山にやはり、自生と思われる万両を見た。生家にもあったが、これを父は実のついた万年青とともに大事にしていた。あまり育たず、増えずの感じだったが、横浜では、いたるところで見かける。四国の砥部の家にも万両があったが、いつの間にか、塀沿いに万両が増えて育っていた。実がこぼれたのであろう。
マンリョウ(万両、Ardisia crenata Sims)はヤブコウジ科の常緑小低木。林内に生育し、冬に熟す果実が美しいので栽培され、特に名前がめでたいのでセンリョウ(千両)などとともに正月の縁起物とされる。東アジア~インドの温暖な場所に広く分布する。日本では、関東地方以西~四国・九州・沖縄に自生するほか、庭木などとしても植えられている。なお、アメリカのフロリダ州では外来有害植物として問題になっている。高さは1mほど。同属のヤブコウジと似ているが、ヤブコウジは高さ10cmほどなので区別ができる。根元から新しい幹を出して株立ちとなる。葉は縁が波打ち互生する。葉の波状に膨れた部分には共生細菌が詰まった部屋が内部に形成されている。また、葉は光に透かすと黒点が見える。花は白色で7月頃に咲き、小枝の先に散形花序をなす。果実は液果で10月頃に赤く熟し、翌年2月頃まで枝に見られる。栽培品種には白や黄色の果実もある。いわゆる古典園芸植物のひとつで、江戸時代には葉が縮れたりした変異個体が選抜されて、多様な品種群が栽培された。
◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
独楽を回した子どものころを思い出しました。独楽の回る様子をじっと見ていると不思議な感覚を覚えます。「記憶の底」は子どものころのことを象徴しているともさらにもっと大きなものにつながっている、とも思えます。 (多田有花)
○今日の俳句
よく晴れて風の激しき寒の入り/多田有花
いい嘱目吟である。今年の寒の入りは、よく晴れて風が激しく吹いた、ということだが、自然は、刻々、折々に、さまざまの変化を見せてくれる。それに触れての嘱目は、自然への素直な観照として尊ぶべき。(高橋正子)
○寒の入り
今日は寒の入り。寒の入りは例年1月5日か6日にあたるが、今年は、今日5日が寒の入り。小寒となる。この日から節分(立春の前日)まで、小寒、大寒をあわせた、およそ30日間を寒の内といい、寒さもますます本格的となる。寒に入って四日目を寒四郎九日目を寒九といい、水なども清浄感じがする。寒行や寒参りなど行事もいろいろある。
個人的に言えば、私はこの寒の季節から二月が終わるまでぐらいが、もっとも好きな季節である。そう思い出したのは、たぶん高校生ぐらいのときからであろう。もっとも静謐な季節である。
★焚火して林しづかに寒の入/水原秋桜子
○万両
[万両/東京白金台・自然教育園] [万両/横浜日吉本町]
★万両の赤を要に活けらるる/稲畑汀子
★万両に日向移りて午後の景/岡本眸
★千両も万両も生ふ旧き家/村越化石
★退院の待たるる日々や実万両/水原春郎
★実生なる万両として日をはじく/豊田都峰
★碑のもと万両のまだ青し/阿部ひろし
★万両の赤い実も鉢もつやつやと/高橋正子
★万両の鉢泥洗うも冬支度/高橋正子
★万両の根もとを猫が通り抜け/高橋正子
横浜日吉本町に住んでいるが、百両を見かけたのは、ご近所では一軒だけで、万両は千両と並んで町内の庭先でよく見かける。数年前、町田市の里山に出かけたが、その山に自生の万両を見た。そして、東海道53次の戸塚を過ぎて、藤沢の遊行寺の近くの遊行坂の山にやはり、自生と思われる万両を見た。生家にもあったが、これを父は実のついた万年青とともに大事にしていた。あまり育たず、増えずの感じだったが、横浜では、いたるところで見かける。四国の砥部の家にも万両があったが、いつの間にか、塀沿いに万両が増えて育っていた。実がこぼれたのであろう。
マンリョウ(万両、Ardisia crenata Sims)はヤブコウジ科の常緑小低木。林内に生育し、冬に熟す果実が美しいので栽培され、特に名前がめでたいのでセンリョウ(千両)などとともに正月の縁起物とされる。東アジア~インドの温暖な場所に広く分布する。日本では、関東地方以西~四国・九州・沖縄に自生するほか、庭木などとしても植えられている。なお、アメリカのフロリダ州では外来有害植物として問題になっている。高さは1mほど。同属のヤブコウジと似ているが、ヤブコウジは高さ10cmほどなので区別ができる。根元から新しい幹を出して株立ちとなる。葉は縁が波打ち互生する。葉の波状に膨れた部分には共生細菌が詰まった部屋が内部に形成されている。また、葉は光に透かすと黒点が見える。花は白色で7月頃に咲き、小枝の先に散形花序をなす。果実は液果で10月頃に赤く熟し、翌年2月頃まで枝に見られる。栽培品種には白や黄色の果実もある。いわゆる古典園芸植物のひとつで、江戸時代には葉が縮れたりした変異個体が選抜されて、多様な品種群が栽培された。
◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
「よく晴れて風の激しき寒の入り」を今日の俳句にお取り上げいただき
ありがとうございます。
寒の入りも年によってさまざま、今年は穏やかによく晴れています。
★独楽の渦記憶の底を回りたる 正子
独楽を回した子どものころを思い出しました。独楽の回る様子をじっと見ていると
不思議な感覚を覚えます。「記憶の底」は子どものころのことを象徴しているとも
さらにもっと大きなものにつながっている、とも思えます。