俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

2月25日(月)

2013-02-25 18:44:22 | Weblog
★天城越ゆ春の夕日の杉間より   正子
天城峠を越えるゆっくりとした旅路。大きな杉の向こうから夕日が差し込みます。大らかな春の夕べに心和むひとときです。(川名ますみ)

○今日の俳句
梅ひとつ咲いて朝餉の一時間/川名ますみ
ゆっくりと進む朝餉の間、ほのかに香る一輪の梅の花。一輪の梅が咲いたよろこび、心が洗われる気持ち、それが意外にも大きい。(高橋正子)

○三椏の花

[三椏の花/伊豆修善寺(2011年2月22日)]_[三椏の花蕾/横浜四季の森公園(2012年1月26日)]

★三椏や皆首垂れて花盛り/前田普羅
★三椏の咲くや古雪に又降りつむ/水原秋櫻子
★三椏のはなやぎ咲けるうららかな/芝不器男
★三椏の花に暈見て衰ふ眼/宮津昭彦
★三椏や石橋くぐる水の音/渡邉孝彦
★三椏の花紅の雫せり/檀原さち子

 三椏は、蕾の期間が長いようだ。初詣に行けば神社の境内に蕾の三椏を見つけることがある。私は長い間、この蕾を花と思い違っていた。去年修善寺の梅林を訪ねたときに、それは二月下旬だったが、梅林の入口のバス停の近くに三椏の花が咲いていた。蕾がはじけて山吹色が内側に見えて、毬のように咲いていた。大変可憐な花である。横浜の四季の森公園のせせらぎ沿いに植えられているのが、いま最も身近にある三椏である。
 三椏の花でもっとも印象に残っているのは、四国八十八か所のお寺出石寺の山門の脇に咲いていたものである。ふもとからバスで山道をうねうねと登ると雲海の上に寺がある。雲海が寄せてくるところの三椏の花は、それが和紙の原料であるということも考えれば、生活の花として別の意味合いやイメージが湧いてくる。事実ふもとの大洲市は和紙の産地である。
 ミツマタ(三椏、学名:Edgeworthia chrysantha)は、ジンチョウゲ科ミツマタ属の落葉低木。中国中南部、ヒマラヤ地方原産。皮は和紙の原料として用いられる。ミツマタは、その枝が必ず三叉、すなわち三つに分岐する特徴があるため、この名があり、三枝、三又とも書く。中国語では「結香」(ジエシアン)と称している。春の訪れを、待ちかねたように咲く花の一つがミツマタである。春を告げるように一足先に、淡い黄色の花を一斉に開くので、サキサクと万葉歌人はよんだ(またはサキクサ:三枝[さいぐさ、さえぐさ]という姓の語源とされる)。
 「赤花三叉(あかばなみつまた)」は、戦後、愛媛県の栽培地で発見され、今では黄色花とともによく栽培されている。

◇生活する花たち「クリスマスローズ・木瓜の蕾・枝垂れ梅」(横浜日吉本町)

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 2月24日(日) | トップ | 2月26日(火) »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お礼とコメント (川名ますみ)
2013-02-25 19:20:53
正子先生、「梅ひとつ」の句をお採り上げ下さいましてありがとうございます。今年も咲いてくれました。

★天城越ゆ春の夕日の杉間より
天城峠を越えるゆっくりとした旅路。大きな杉の向こうから夕日が差し込みます。大らかな春の夕べに心和むひとときです。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事