俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

12月13日(日)

2015-12-13 08:55:57 | 日記
★木蓮の冬芽みどりにみな空へ  正子
寒さの中にあって、「みな空へ」向く木蓮の冬芽に、いのちの息吹と輝きを見る思いがいたします。やがて、みどりの冬芽が一斉に開く時を思い、未来への明るい希望を抱かせていただきました。(藤田洋子)

○今日の俳句
音立てて山の日差しの落葉踏む/藤田洋子
「山の日差しの落葉」がいい。山の落葉にあかるく日があたり、そこを歩くとほっこりとした落葉の音がする。(高橋正子)

○夏椿(沙羅/しゃら)の冬芽

[夏椿の冬芽(2012年12月12日)/横浜日吉本町]_[夏椿の花(2011年6月20日)/横浜日吉本町]

★爪ほどの冬芽なれども天を指す/能村登四郎
★六百の冬芽に力漲りぬ/稲畑汀子
★雲移り桜の冬芽しかとあり/宮津昭彦
★大いなる冬芽何ぞやああ辛夷/林翔
★全山の冬芽のちから落暉前/能村研三

★沙羅の花捨身の落花惜しみなし/石田波郷
★夏椿葉かげ葉かげの白い花/高橋正子
★青天に冬芽の尖り痛きほど/高橋正子

冬芽(ふゆめ、とうが)は、晩夏から秋に形成され、休眠・越冬して、春に伸びて葉や花になる芽。寒さを防ぐため鱗片(りんぺん)でおおわれている。(デジタル大辞泉の解説)

すっかり葉を落とした冬の木々。あゝ、こんなに美しい枝ぶりだったのか…と改めて見つめてしまうことがあります。 ちょっと立ち止まって枝についている冬芽を見つけてみましょう。冬芽の形も木によって個性がありますね。更に葉痕が面白いのです。虫めがねでもないと肉眼ではなかなか分かりませんが、デジカメで撮影してパソコンに取り込んでみましょう。こんな所に妖精が住んでいたとは! 全く驚きです。花の少ない冬の時期、散策の楽しみが一つ増えました。(「鎌倉発“旬の花”」より)

これが夏椿だと最初に意識して見たのは、愛媛県の砥部動物園へ通じる道に植樹されたものであった。砥部動物園は初代園長の奇抜なアイデアが盛り込まれて、動物たちにも楽しむ我々にものびのびとした動物園であった。小高い山を切り開いて県立総合運動公園に隣接して造られているので、自然の地形や樹木が残されたところが多く、一日をゆっくり楽しめた。自宅からは15分ぐらい歩いての距離だったので、子どもたちも小さいときからよく連れて行った。その道すがら、汗ばんだ顔で見上げると、夏椿が咲いて、その出会いが大変嬉しかった。このとき、連れて行った句美子が「すいとうがおもいなあせをかいちゃった」というので、私の俳句ノートに書き留めた記憶がある。緑濃い葉に、白い小ぶりの花は、つつましく、奥深い花に思えた。
今住んでいる日吉本町では、姫しゃらや夏椿を庭に植えている家が多い。都会風な家にも緑の葉と小ぶりの白い花が良く似合っている。


◇生活する花たち「蝋梅・冬桜・さんしゅゆの実」(横横浜・四季の森公園)
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