俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

1月6日(火)/小寒

2015-01-06 11:24:38 | 日記
★餅を焼く火の色澄むを損なわず  正子
餅は、長い文化の中で、あるいは地域の広がりの中で様々に生きてきました。私の地方、子供の頃は、火鉢の炭火で、皆の見守る中で焼いていたことを思い出します。(今では我が家に火鉢もなく、オーブントースターで膨らませています)。先生のこの句は、やはり炭火で焼いていた頃を思い出させてくれます。火勢は強すぎてもいかず、ほどほどに明るい蜜柑色の光の中で、頃合いを図りつつひっくり返しては、柔らかに膨らむのを待っていました。(小西 宏)

○今日の俳句
★午後の陽にまだある氷割り遊ぶ/小西 宏
午後の陽がきらきらと氷に差している。日中も気温が上がらないと、こんな氷に出くわすが、ちょっと割ってみたくなる遊び心。午後の陽が余計に遊び心をかきたてたのだろう。(高橋正子)

○エリカ(ヒース)

[エリカ/横浜日吉本町]

★花エリカ雪後のごとくさびしけれ/角川源義
★エリカといふさびしき花や年の暮/山口青邨
★嬰児にもあるためいきや花エリカ/岡田史乃
★空港に帰着の刻をエリカ活く/横山房子
★エリカ咲くひとかたまりのこむらさき/草間時彦
★鷗啼く絵里香や折ればこぼるるも/小池文子
★横文字の名札に翳すエリカかな/吉田洋一

 エリカは、ツツジ科エリカ属(学名:Erica)の常緑性樹木で、日本では学名エリーカから、エリカと呼ばれることが多い。エリカ属は、700種類以上の種があり、多くの種は高さ20-150cmほどの低木であるが、E. arborea、E. scopariaのように高さ6-7mに達する種もある。エリカの群生地としては、北ドイツの自然保護地区、リューネブルガーハイデが有名。また小説『嵐が丘』の館の周囲に生えていたのもエリカ、英語ではヒース(heath)と呼ばれる。主な種は、ジャノメエリカ(学名E.canaliculata)とスズランエリカ(学名E. formosa)。ジャノメエリカの名前の由来は、花の中の黒い葯(花粉袋)が蛇の目に見えることから。 スズランエリカの名前の由来は、花がスズランに似ていることから。
 エリカ属の大部分は南アフリカ原産で、残りの70種程度がアフリカの他の地域や地中海地方、ヨーロッパ原産である。園芸では性質などの違いで南アフリカ原産種とヨーロッパ原産種にざっくり分けられる。名前はギリシア語のエイレケー(砕く)に由来するとされ、エリカが体内の胆石をとる(砕く)薬効があるされていたため、そんな名前が付いたとされている。葉は短い針型や線形で、枝にびっしりと付く姿は、枝に葉が生えているといった感じです。花はタマゴ型や壺状の小さな粒々のもの、紡錘形などがある。


◇生活する花たち「冬椿①・冬椿②・山帰来の紅葉」(横浜・綱島)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする