俳句日記/高橋正子

俳句雑誌「花冠」代表

10月24日(日)

2010-10-24 11:59:15 | Weblog
★新米の飯のかおりにからし漬け  正子
ご飯の好きな方は、新米が焚かれればそれだけでおかずなど要らない、とまで言われます。しかしご飯の香りに(秋茄子の?)からし漬けが添えられてあれば、その味は更に甘みを増すものとなるでしょう。味覚を通して、豊穣の秋の喜びを伝えてくれている嬉しい句です。(小西 宏)

○今日の俳句①
桐一葉日当りながら落ちにけり      高濱虚子
桐の葉は大きい。大きく軽いものが落ちるとき、落下の速度は、浮力も働いて遅い。桐の葉が落ちていくまでに、桐の葉は、秋の日を葉の全面に受けながら落ちたのだ。秋の日にあたる大きな桐の葉の色もじみじみとしており、ゆっくりと落ちる時間もこの世の時をゆるやかにしている。(高橋正子)

○今日の俳句②
濃く厚き葉にどっさりと青どんぐり/小西 宏
樫か楢か、葉がよく茂り、枝にはそれに負けないほどのどんぐりがどっさり付いている。「厚き葉」が葉の質感をよく捉えているので、どんぐりの生り具合がありありと目に浮かぶ。青どんぐりはさっぱりとして、楽しいものである。(高橋正子)
コメント (2)
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