岩手の鬼

むかし、むかし、この地方に、悪さをする鬼が居た。
村人は皆困り果て、なんとかこの鬼をこらしめてもらえない
だろうかと、神様にお願いをした。

神様は、早速鬼をとらえて、三つ石と呼ばれる岩にくくりつけ
た。　鬼はたまらず、「もう悪さはいたしません、この
地方にも二度と訪れません」と約束をし、その証として、
岩に手形を押させたのだとか。

鬼が岩に手形を押したところから、「岩手」と名付けられたと。

これは、私が岩手に訪れた際、地元の方から教えていただいた
県名の由来。　岩手県のホームページにも掲載されているらしい。

その、地元の方曰く、最近はまた「平成の鬼」が悪さをしている
ようで、他県の皆様には誠に申し訳ございません　と。　一瞬、
何のことを言っているのかな？　と考えたが、あ、そういうことか
と合点。　岩手出身の大物政治屋のことである。

その方、かつてはその「平成の鬼」の支援者であったとか。
彼はさらに続けた。「あの鬼は、金に汚いですよ～」と。
「いや、余計なことまで申し上げてしまいました。ハハハ」と。

旅行者である私に、岩手のすばらしさを紹介していただいた締め
くくりに、そんな話を。　しかし、その余計なことが、やたらと
耳に残り、よく記憶している。

メディアに頻繁に顔をのぞかせる「平成の鬼」　なんとも鬼面
であるところが笑える。

都政を担うあの方も、「私利私欲、我欲、保身」であるとあの鬼を
評していた。　放射能から逃げたといわれるエピソード、誠か否か
知るところではないが、概ね正しいのではないかと自己分析。

このところ目に余る偽善に満ちた言動に、一筆啓上せずには
いられなかった次第。