「魚は神経抜きすると美味しくなる」
厳密に言うとこれは間違いで、神経さえ抜けばいいわけでなく、
「釣りたての魚をきっちりと絞めて、適正に処理を施すと、鮮度状態が良いままにしばらく保存出来る」、
または、「神経を抜く事により、筋肉の死後硬直を遅らせることになり、身が長持ちする」ことであって、
生物学に詳しい人ならもっとうまく説明できるだろうが、いかんせん僕には専門知識が無い。
細胞の事とかは専門の人に聞いてもらうとして、
要は、神経抜きをして、美味しく食べようとするのなら、
それなりの手順を踏まえ、最低限のやるべき事をやらなければ、
神経抜きすることの意味が無くなってしまう、という事を言いたいだけなんだけど…。
人それぞれ、いろんな手法があると思いますが、僕が教わり、今やっている方法を書いてみると、
1、脊髄に包丁を入れ、いわゆる「活け締め」にする。
2、バケツに冷やした潮水(潮氷で可)に〆てすぐに放り込む。
3、エラから血を吐き、魚が冷えたら(個体によるが2~3分)神経抜きをする。
4、クーラーに入れ、大急ぎで帰宅する(爆)
簡単にはこの4つなんだけど、注意点としては、必要以上に魚を冷やさないという事。
ただしこれも、4日後や5日後に食べる魚だというなら話は変わってしまうのでご注意を…。
それと、包丁を入れる時(脊髄を切る時)に、包丁をこじらないようにすること、
これはわかりにくいと思うが、神経抜きの針金を頭から入れる時に、脊髄を大きく痛めていると入りにくいという事があるんです。
でも、しっぽから入れれば何ら問題ありません。
〆た魚はあまり冷やさず持ち帰ること、今の時期なら2時間や3時間は氷の必要はありません、
入れるとしても、ほんのかけらでいいでしょう、目安は冷蔵庫の野菜室くらいです、7℃くらいかな?
では、実践編へ、
たまたま先日の鯛があるので、これを使ってみますね。(ただし、すでに〆て持ち帰ったものですが…)

釣ったタイは腹を手前に、頭を右に置きます、これは鉄則、魚には裏と表があるのでご注意を…。

針金で示している側線がわかりますか?
これがすべての魚の締めで重要になります、覚えておいてください。

エラをめくり、脊髄を切りますが、エラで手を切らない様に注意です。

エラをめくったところから、側線に向けて出刃の刃先を入れます、
骨は堅いですが、まっすぐ突くように入れましょう、切るというよりは突くという感じです。
ちなみに、辨屋では1日300~500匹の魚を30分ほどの間で〆なければなりません、結構重労働なんですのよ。
この時、エラのまわりも切っておくと、よく血が抜けます。
血抜きだけを重要視するなら、エラだけを切り潮水に戻し、泳がせるのが良い。と言う漁師さんも居ます。
ここでは、この後すぐ潮氷に入れ、このサイズの鯛なら約2分、冷やします。
〆て直後しばらくはエラを動かし、血を吐いているのを見る事が出来ますし、エラが動いていれば成功です。
船上でポンプがあるようなら、口やエラから流水を入れると、血のヌメリがきれいに取れますね。
これだけでも充分なんですが、さらにこだわって「神経締めを!」という方は続きをどうぞ、

さっきと同じように魚を置きます。(裏側を上)

この側線と鯛のまゆ毛(青いアイシャドーの部分)を結んだ延長線上の眉間が重要ポイントです。



ここですね、

正面から見るとここ
ここに、千枚通しのようなもの(僕は千枚通しより、洋裁用のナントカというものを使っています)で、
グリグリと穴を開けていきます、もちろん、身体の中心を狙い、脊髄の上部への導入路を造るためです。
うまく入っていれば、この時点で白い髄液が出てくることもあります、
頭蓋骨を貫通したら、いよいよ針金で神経を潰しますが、神経抜きの針金は釣具屋さんで売っています、
ステンレス線で代用できない事は無いですが、先の形状の加減が難しいので、(まる過ぎても尖り過ぎても駄目です)
よっぽど慣れるまでは、市販の物を購入することをお薦めします。
んで、さっきの穴から側線に向けてまっすぐに針金を入れていきますが、
神経経路の入り口の大きさは、1kgのタイで直径3mm~5mmです、言葉通り針に糸を通すような作業なんですが、
これが、慣れれば不思議と簡単に入るものなんです、はい。
本職になれば、穴を開けずに鼻から入れたり、とくは丸の船長なんかは、しっぽの方の身から直接入れたり、
超上級者はいろんなところから針金を入れますが、すべて、傷を目立たなくするための技法なので、
自分で消費するのであれば、しっぽを切って針金を入れるのが一番わかりやすいですね、
でも、練習して「本職」っぽくなりたいですもんね~、わかりますぅ、その気持ち…。
神経経路に針金が入ると、魚が急に暴れ出すので怪我をしない様に注意です、
針金をしごきながら、しっぽ付近まで入れていくと、
一旦暴れた魚がおとなしくなり、身が波を打つように痙攣するのがわかります。
針金を抜いた時、白い髄液がついて来れば完璧♪ 神経締めの完成です。
この後、潮水に濡らした新聞に包んで持ち帰ると美しい色のまま保存されます。
後は、とっとと家に帰りプリプリの身を楽しんでくださいませ。
書けば簡単そうですが、結構練習が必要な作業には違いありません、
また、一度違う場所を突いてしまうと、何度やってもそこに針金が入ってしまうという事もあります、
根気よく練習して下さい、今回は鯛の神経抜きの手法でしたが、
他の魚でも神経経路の入り口の場所はほぼ同じなので試してみると面白いでしょう…、
ただし、船上でゴソゴソやっていると、「何をどんくさいことやってんのや~、そんな事しとらんと早う釣らんか~っ!」
と、船長から声がかかる確率がかなり高いのでご注意を!(爆)
厳密に言うとこれは間違いで、神経さえ抜けばいいわけでなく、
「釣りたての魚をきっちりと絞めて、適正に処理を施すと、鮮度状態が良いままにしばらく保存出来る」、
または、「神経を抜く事により、筋肉の死後硬直を遅らせることになり、身が長持ちする」ことであって、
生物学に詳しい人ならもっとうまく説明できるだろうが、いかんせん僕には専門知識が無い。
細胞の事とかは専門の人に聞いてもらうとして、
要は、神経抜きをして、美味しく食べようとするのなら、
それなりの手順を踏まえ、最低限のやるべき事をやらなければ、
神経抜きすることの意味が無くなってしまう、という事を言いたいだけなんだけど…。
人それぞれ、いろんな手法があると思いますが、僕が教わり、今やっている方法を書いてみると、
1、脊髄に包丁を入れ、いわゆる「活け締め」にする。
2、バケツに冷やした潮水(潮氷で可)に〆てすぐに放り込む。
3、エラから血を吐き、魚が冷えたら(個体によるが2~3分)神経抜きをする。
4、クーラーに入れ、大急ぎで帰宅する(爆)
簡単にはこの4つなんだけど、注意点としては、必要以上に魚を冷やさないという事。
ただしこれも、4日後や5日後に食べる魚だというなら話は変わってしまうのでご注意を…。
それと、包丁を入れる時(脊髄を切る時)に、包丁をこじらないようにすること、
これはわかりにくいと思うが、神経抜きの針金を頭から入れる時に、脊髄を大きく痛めていると入りにくいという事があるんです。
でも、しっぽから入れれば何ら問題ありません。
〆た魚はあまり冷やさず持ち帰ること、今の時期なら2時間や3時間は氷の必要はありません、
入れるとしても、ほんのかけらでいいでしょう、目安は冷蔵庫の野菜室くらいです、7℃くらいかな?
では、実践編へ、
たまたま先日の鯛があるので、これを使ってみますね。(ただし、すでに〆て持ち帰ったものですが…)

釣ったタイは腹を手前に、頭を右に置きます、これは鉄則、魚には裏と表があるのでご注意を…。

針金で示している側線がわかりますか?
これがすべての魚の締めで重要になります、覚えておいてください。

エラをめくり、脊髄を切りますが、エラで手を切らない様に注意です。

エラをめくったところから、側線に向けて出刃の刃先を入れます、
骨は堅いですが、まっすぐ突くように入れましょう、切るというよりは突くという感じです。
ちなみに、辨屋では1日300~500匹の魚を30分ほどの間で〆なければなりません、結構重労働なんですのよ。
この時、エラのまわりも切っておくと、よく血が抜けます。
血抜きだけを重要視するなら、エラだけを切り潮水に戻し、泳がせるのが良い。と言う漁師さんも居ます。
ここでは、この後すぐ潮氷に入れ、このサイズの鯛なら約2分、冷やします。
〆て直後しばらくはエラを動かし、血を吐いているのを見る事が出来ますし、エラが動いていれば成功です。
船上でポンプがあるようなら、口やエラから流水を入れると、血のヌメリがきれいに取れますね。
これだけでも充分なんですが、さらにこだわって「神経締めを!」という方は続きをどうぞ、

さっきと同じように魚を置きます。(裏側を上)

この側線と鯛のまゆ毛(青いアイシャドーの部分)を結んだ延長線上の眉間が重要ポイントです。



ここですね、

正面から見るとここ
ここに、千枚通しのようなもの(僕は千枚通しより、洋裁用のナントカというものを使っています)で、
グリグリと穴を開けていきます、もちろん、身体の中心を狙い、脊髄の上部への導入路を造るためです。
うまく入っていれば、この時点で白い髄液が出てくることもあります、
頭蓋骨を貫通したら、いよいよ針金で神経を潰しますが、神経抜きの針金は釣具屋さんで売っています、
ステンレス線で代用できない事は無いですが、先の形状の加減が難しいので、(まる過ぎても尖り過ぎても駄目です)
よっぽど慣れるまでは、市販の物を購入することをお薦めします。
んで、さっきの穴から側線に向けてまっすぐに針金を入れていきますが、
神経経路の入り口の大きさは、1kgのタイで直径3mm~5mmです、言葉通り針に糸を通すような作業なんですが、
これが、慣れれば不思議と簡単に入るものなんです、はい。
本職になれば、穴を開けずに鼻から入れたり、とくは丸の船長なんかは、しっぽの方の身から直接入れたり、
超上級者はいろんなところから針金を入れますが、すべて、傷を目立たなくするための技法なので、
自分で消費するのであれば、しっぽを切って針金を入れるのが一番わかりやすいですね、
でも、練習して「本職」っぽくなりたいですもんね~、わかりますぅ、その気持ち…。
神経経路に針金が入ると、魚が急に暴れ出すので怪我をしない様に注意です、
針金をしごきながら、しっぽ付近まで入れていくと、
一旦暴れた魚がおとなしくなり、身が波を打つように痙攣するのがわかります。
針金を抜いた時、白い髄液がついて来れば完璧♪ 神経締めの完成です。
この後、潮水に濡らした新聞に包んで持ち帰ると美しい色のまま保存されます。
後は、とっとと家に帰りプリプリの身を楽しんでくださいませ。
書けば簡単そうですが、結構練習が必要な作業には違いありません、
また、一度違う場所を突いてしまうと、何度やってもそこに針金が入ってしまうという事もあります、
根気よく練習して下さい、今回は鯛の神経抜きの手法でしたが、
他の魚でも神経経路の入り口の場所はほぼ同じなので試してみると面白いでしょう…、
ただし、船上でゴソゴソやっていると、「何をどんくさいことやってんのや~、そんな事しとらんと早う釣らんか~っ!」
と、船長から声がかかる確率がかなり高いのでご注意を!(爆)
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