内田樹の武道についての本は、対談集を含めて多くの著書がありますが、この本は主にブログに記載したエッセイをまとめたものです。
正直、武道を嗜まない自分には、前半の記述があまり面白く読めなかった。武道の考え方や武道を巡る様々な出来事についてコメントしているが、ちょっと分かり難い雑文のような印象がある。
おそらくこの本が、最初から武道論として書かれたものではなく、彼の武道論を寄せ集めたものであるため、話の筋が通っていない印象になってしまっているように思う。例えば、高校における武道の必修化は、一般人の視点では日本の伝統を学ぶ良い機会でありスポーツのひとつとして認識しているが、武道家としては武道をそういうふうに認識しては困ると考えている。武道とは生きるための殺傷技術であるのだから、武道を単なる伝統的なスポーツと認識するのは良くないと主張しています。(このあたりは何度か読んだけれど、いまひとつ理解できませんでした)でも、それは武道を本格的に極めた人の話であって、学校で学ぶ武道の入り口の役割としての教育はあっても良いのではないかと思いました。このようなエッセイや武道家の生活の風景がいろいろ描かれています。
分かりやすいのは後半の武士のエートス、二十一世紀的海国兵談あたりで、福沢諭吉が勝海舟について書いた「痩せ我慢の説」の話、坂本龍馬は明治時代には忘れられていた人物だった話、日本のナショナリズムや政治等、日本の核保有の話、時事関係の話題はいつもの内田樹の考え方が反映されて面白い。自分自身も同じような考え方なので、読んでいるととても気持ちが良いけれど、読み終わると思い出せないような話題が多いのが気になった。本の成り立ちのせいなのかな。
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