江戸時代の人物画で有名な画家・渡辺崋山の伝記。彼の人物画は写実的で、当時の作風とは一線を画するものであった。画家としても思想家としても高潔な人物として知られ、その生き方はその後の人達に影響を与えた。著者は、彼が残した日記から人生を俯瞰する。
儒教の教えに忠実に従っていた崋山も、当時海外から流入していた知識や情報には無関心ではいられなかった。米露の脅威にどのように対処するか、彼自身の考えを表明した草案が問題視され、投獄されてしまう。渡辺崋山は、自分の心情をあまり書いてはいないが、彼の行動から心情を読み取ることができる。現代の法治国家日本は、多くの法律があり様々なものに規制がかかっている。しかし法の遵守は緩くて抜け道も多い。 江戸の武士の世界においては法は絶対であり、なかなか変えられるものではなかった。 武士は、最終的に死をもって罪を償う。 渡辺崋山の落ち度は少なかったが、その死を持って家族や主君を救ったとされている。
読んでみて、彼が地元田原藩を訪れ、主君の実母を探す場面や地元の人達との交流の話はとても感動的だった。江戸時代の知識人達がどのように交流しているのかが窺い知れて、大変面白かった。
儒教の教えに忠実に従っていた崋山も、当時海外から流入していた知識や情報には無関心ではいられなかった。米露の脅威にどのように対処するか、彼自身の考えを表明した草案が問題視され、投獄されてしまう。渡辺崋山は、自分の心情をあまり書いてはいないが、彼の行動から心情を読み取ることができる。現代の法治国家日本は、多くの法律があり様々なものに規制がかかっている。しかし法の遵守は緩くて抜け道も多い。 江戸の武士の世界においては法は絶対であり、なかなか変えられるものではなかった。 武士は、最終的に死をもって罪を償う。 渡辺崋山の落ち度は少なかったが、その死を持って家族や主君を救ったとされている。
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