キマグレ競馬・備忘録

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本「蔵書一代」

2024年09月18日 | Book
文筆家の著者が、これまでに集めた蔵書について処分することになり、蔵書に関する考察やエピソードを綴ったエッセイ。
世の中には、様々な本を集める蔵書家と呼ばれる人達がいる。主に知識人が研究や著述のために本を資料として集めたり、一般人が趣味として集めるものがある。しかし、個人で収集していくと、いずれ物理的な限界(スペースの問題)が発生し、それをどうするかという問題が出てくる。近年は、図書館への寄贈も受け付けてもらえないし。廃棄するのも忍びない。古書店は貴重本や販売価値がありそうな本しか引き取らない。 著者も増え続ける蔵書に様々な手を打ってきた。 スペース確保のために地方への移住もやったようだ。歳老いた蔵書家には、収集した愛蔵書の扱いに様々な思いがある。本を収集する楽しみの果てには、終わりがある。蔵書にも「就活」が必要ということがよく判った。
面白かったのは、ウィリアム・ブレイズの本「書物の敵」に関する話。本の敵として取り上げられたのは、火や水やガスの暴威、埃、害獣害虫の襲撃、身勝手な書物蒐集家、本の価値が判らない無知な人、子供など。本好きには、敵の存在がよく判る。これは、書物の敵というよりも蔵書家の敵と言った方が良いかもしれない。
ちなみに私の現在の未読の蔵書は600冊ほど。退職後の引越しを機に既読本を処分し、蔵書を1/4に削減した。現役時代に老後の楽しみとして買い込んだ本だが、老眼で読書ペースが落ちて読めなくなってきた。私の書物の敵は、自分自身。要するに「老眼」です
。(^^;)

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