昨日、日本文学者のドナルド・キーンさんが亡くなりました。
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ドナルド・キーンさん死去 96歳 日本文学研究者、翻訳で国際化に貢献
日本文学の国際化に貢献した文化勲章受章者で米コロンビア大名誉教授の
ドナルド・キーンさんが24日、心不全のため東京都内の病院で死去したことが
分かった。96歳。通夜・葬儀の日程は未定。お別れの会を後日開く。
喪主は養子のキーン誠己(せいき)さん。
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20年ほど前、司馬遼太郎の歴史小説をよく読んでいましたが、その流れで、
ドナルド・キーンさんとの対談集を読んだのが、彼を知るキッカケでした。
ニューヨークで源氏物語と出会い、大学ではたった独りで日本人教授に師事し、
戦争体験を通じて日本軍兵士の日記に興味を持ち、日本文学を志すようになります。
日本人作家達との交友を通じて造詣を深め、一流の日本文学研究者になりました。
彼が日本文学を志すようになった日記文学関連の著作がなかなか秀逸で、
日本人でも読み難い日記を丁寧に解説してあって、とても面白かった。
また、晩年に書かれた正岡子規や石川啄木の伝記もユニークで、
多くの著作が、日本人とは違った視点で考察されていたのが印象に残っています。
90歳を過ぎても、まだまだ元気で、今後出版される本を楽しみに待っていましたが、
このようなことになってしまい、とても残念です。日本の文化の発展に貢献してくれた
彼の功績を称え、冥福を祈りたいと思います。