クリントの刺激的な人生。
クリント・イーストウッドの「アウトロー」という映画を見て、久しぶりに西部劇を楽しみました。クリント・イーストウッドを知ったのは、中学生の頃に見た「荒野の用心棒」ですが、それ以降は特に気になる俳優ではありませんでした。しかし、「許されざる者」でアカデミー監督賞を穫ってから、彼の映画が変わってきたように感じます。80歳の老人ですが、今でも若々しくて生涯現役を続けそうな勢いがあります。今は紳士のような物腰のイーストウッドですが、この本を読むと、若い頃はかなりワガママで相当なトラブルメーカーであったようです。特に女性関係はルーズで、度々トラブルに会いながらも止められない。何度も子供をおろさせたり、映画のキャスティングには、パワーハラスメントに近いこともやったり、とにかくあらゆる人脈やお金を遣って、自分の都合の良い方向に持っていく。一方では、政治家として地域に貢献し、住民から感謝されたり、その間にも映画を撮り続け、50本以上の主演作、20本以上も監督して、とにかく強力な意志と力で自分の人生を切り開いて行った結果、今の彼があることが判ります。
科学者の伝記をよく読みますが、ペースが遅い彼らの人生とは違って、かなりセッカチな人生にも見えます。これほど刺激の強い生活を送っていたら、早死にしてしまいそうですが、イーストウッドはそういう生活を60年以上も続け、まだまだ現役で活躍しています。タフという言葉は、彼のためにあるのかもしれない。カッコいいけど、真似たくない人生です。