ボッティチェリの描く聖母はかわいらしいですね。長くてきれいな髪を、布で隠している。
結婚をした女性が髪を隠すのには、それを見せて、ほかの男を誘惑してはならないという秘密の戒めがあるらしいのですが。
イスラームの女性がかぶるスカーフなどと同じように、女性にそんなことを強いてしまうのは少しつらいことですよ。本当は、男の人の方が、女性の魅力に負けないように、自分を強くしなければならないのです。
今はそれほどでもありませんが、昔の女性は、こちらの世界に生まれてくると、非常に長く髪を伸ばしました。そういう女性の美しさを、男性が非常に好んだからです。
髪の長さというものは、霊的世界では心のやさしさを表します。心がやさしくなってくるほど、霊体の髪は長くなってくるのです。
天使はみんな、髪が長いですが、かのじょという天使は特に長くて、腰まで伸びています。そこまで長い髪をしている天使は、ほとんど彼だけです。
とても珍しい。
あなたがたは、彼という天使の、あの姿が大好きだったのです。わたしたちが人類の世界に来るときは、いつも髪を結ったり結んだりしてくるのですが、かのじょが来ると、あなたがたはいつも頼むのです。髪をほどいて見せてくれと。そうすると彼は笑って、ああいいよと言って、髪をほどいてくれるのです。
かわいらしい女性の顔をして、豊かな長い髪が流れている、あの姿を、あなたは焦がれるほど愛していたのです。
ですから、人類の女性たちはみな、こちらに来ると髪を長くのばしていたのです。長い髪の女性たちの美しい姿の元は、彼だったのですよ。
だがあなたがたは、あの姿を愛しすぎることを恐れて、いつしか女性たちに、髪を隠せと命じるようになってしまったのです。それはとてもつらいことだ。愛することを自分に禁じることに等しい。
長い髪の女性を、愛していることを、素直に認めることができていたら、こんなことにはならなかったろうに。