にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
仕事や遊び、色々書き込んでます。お気軽にコメントを書いて下さいね!

永遠の美少年

2009-06-06 00:28:07 | Weblog


行ってきました。
阿修羅展です。
雨の中50分待ちの行列の末に。

あまりにも有名な阿修羅像。
この前対面したのは中学の修学旅行でしたから遥か昔。
でもその時の印象は強烈でした。
ただしガラスのケースに収まったその姿は本当に悲しげで寂しそうな表情。

今回の展示の良かった点といえば、全くケースなどを使わずに横も後ろも見せてくれた事です。
他の八部衆や十大弟子の展示も同様でみんな自由に回り込んで見学させてもらいました。
もっとも阿修羅だけは別格、個室の中にすっくと立った姿の周りを押し合いへし合いしながらギュウギュウと回らされ。
もの凄い人の数、人の渦に巻き込まれながらの鑑賞でした。
ゆっくりと見ることが出来なかったのが残念ですが、3面ある顔のうち、左右の顔をそれぞれの正面から見られた事は大収穫でした。
ケースの中に入っていては左右の顔は横顔しか見られませんから。

確かに阿修羅像の見事さは別格なのですが、他の八部衆の像や十大弟子の像も素晴らしかった。
弟子たちの表情が生きているだけではなく、その目線が語りかけてくるんです。
その目線と向き合うと声が聞こえてくるような、そんな気がして。

老僧たちの姿をした弟子の像と対照的な少年たちの姿をした八部衆。
その表情も見る者に色々な想像をさせてくれる。
まるでハロウィーンの仮装をした少年たちのようでもあるし。
若くして散っていった子供たちを偲ぶようでもあるし。
写実と抽象とのバランスが絶妙です。
あり得ない姿形なのに、でもよく知っている近所の子供のようでもあり。
作者はいったいどういう人物で、何を考えてあのような姿にしたのだろうか。
心ははるか天平の平城京へと飛んで行きました。

実を言えば子供の頃からの仏像ファン。
中学の修学旅行で行った奈良の薬師寺や東大寺に興福寺の仏像の拝観を心待にしていたのは私ぐらい。
事前に読んでいた仏像の本で拝観する仏像の名前を全て覚えてしまい、まわりの同級生に無理矢理説明を聞かせていたものです。

今回は東京でこのような形で見学出来て本当に嬉しく思いました。
仏像たちが奈良へ帰った後もケースの中ではなく、同じ空気を共有できるような空間で拝観したいものです。
保安上の理由やその材質ゆえに保存の為には無理かもしれませんが。
遮るものが何もない、それがどんなに素晴らしい事であるか今回の展示ではっきりと解りました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿