にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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2010-09-17 00:45:06 | オーケストラ
今日はTOC定期の本番でした。
スペイン一色なプログラム。
トゥーリナの「幻想舞曲」ロドリーゴの「ある貴紳の為の幻想曲」そしてファリャ「三角帽子」全曲版。

ロドリーゴのソロは荘村さん。
深い音色で哀愁に満ちた曲を余裕を持って演奏していました。
そしてアンコールに一曲「アルハンブラの思い出」を。
こちらも何とも優しく慈しみに満ちた演奏。
ロドリーゴが透明で、でもどこか懐かしさを感じさせるセピア色。
アルハンブラは濃い黄昏の色。
渋い色彩で奏でられたギターが素晴らしい。

そして後半はスペインらしさに溢れた三角帽子。
とにかく色彩に満ちたこの曲。
派手な原色の箇所もあれば夜の雰囲気を漂わす箇所もあり。
パロディも有ればお祭りもある。
色が沢山飛んでくる感じなんです。
いやあ、面白い。
テーマパークみたいでした。
初台スペイン村!

三角帽子の第2部で舞台裏から歌が聞こえてくる場面があります。
そこで何か会場から聞こえて来る音がありました。
オケの音もなくソロが一人だけで歌うその時。
会場から鳥の声のような高く澄んだ音が聞こえてきたのです。
しかもその音はソロの歌声に反応して音程も変化する。
断片的なその音は不思議と歌に寄り添い実に不思議な効果を出していました。

もちろん作曲者はそんな音は書いていません。
どうやら補聴器のハウリングではないかと思いますが。
それが思いのほか音楽的な音で。
実に面白かったのです。

終演後の楽屋ではその話で持ち切り。
ピッコロで吹いたんではないのか、と聞かれたのは3番フルート奏者。
本人は「まさか!」と否定していました。
もちろんピッコロの音ではありません。
でも不思議な偶然だったなあ。
あしたのサントリー定期でも聞こえないかな。