にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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おっと

2010-08-26 01:02:05 | オーケストラ
今日はこの時期恒例のサントリーサマーフェスティバルの練習です。
サマーフェスと言えば現代もの、今年もやるのです。
ただし1曲だけワーグナーの「聖金曜日の音楽」があるのです、どうしてだろ?

残りの3曲が現代作品。
作曲家は2人です。

この手の作品を演奏する時には作曲家が立ち会うのが普通。
今日は居ませんでしたが次回の練習からは立ち会う予定だとか。
ただし一人だけだそうで。

今回現れない作曲家の作品が一番の難物でありまして。
まず楽譜に書かれた音符や記号があまりに特殊で、いったい何をどう演奏すればいいのかが解らない。
説明書きも無いし、果たしてどうすればいいのでしょうか?
と疑問に思いつつの一応音にしてみましたが。
作曲家がイメージして楽譜に落とした音楽がこれでいいのか確かめる術が無い。
音源も無ければ何も無い。
困ったものです。

普通、自分の作品が演奏されるとなれば。
たとえ地球の反対側であろうが駆けつけるものです。
そうしなければ作品があるべき姿に再現されないからです。

でも来ないんでしょ。
ということになれば、これくらいでいいかあ。
なんて演奏になってしまう恐れも。
本当に来なくて良いんでしょうかねえ?


昔の事になりますが。
武満徹さん。
初演の時には必ずいらしてまして、再演の時にも時折お見かけしましたが。
でも全然注文を出さない。
「大変けっこうです」と一言おっしゃるだけ。
自分はきちんと書いたから、あとは皆さんの想像力で音楽にしてくださってけっこうですよ。
と言われているような気になりましたが。
でも本当に楽譜が良く出来ていて、きちんと演奏すればあの武満サウンドが出てくるんです。
きちんとやれば、です。

数年前のサントリーフェスで武満徹さんの作品が演奏された事がありましたが。
フランス人の指揮者がきちんと勉強して来なかったのです。
スコアが簡単だからとタカをくくっていたみたい。
ですがそれではあの音楽にならなかったんです。
怖いですね。
それが武満徹さんの音楽なんです。


まあ今回のあの作品ですが。
どうなるんでしょう?