風景

今日は両親を車に乗せてお墓参りに行きました。
去年相次いで亡くなった叔父と叔母が仲良く眠るお墓です。

お寺は横浜市の南西部の丘陵地帯にありました。
このお寺の隣は叔母が育った家なのです。
私の父のすぐ下の弟であったこの叔父一家とは家族ぐるみの付き合いをしていて、叔母の実家にも何度か連れて行ってもらいました。
もう遥か昔、私が小学生の頃です。
その家は広大な畑と雑木林に囲まれていて本当に長閑な田園風景の中にあったのです。
その家には叔母の甥や姪がいて子供同士で思いっきり走り回り遊び回り、土の上で小川の中で泥んこになって遊んだ思い出があります。

今日は実に久しぶりにその家を眺めました。
広大な畑はそのまま残っていて大きな母屋もむかしのまま。
でも畑のまわりは住宅地になっていて昔の田園風景は消え去っておりました。
道路も整備され車が引っ切りなしに行き交う光景はとてもここがあの長閑な土地だったとは。
月日とは残酷なものですね、あの風景はもう心の中にしか存在しないのです。
ちょっと寂しい気持ちにもなりながらお墓の前で手を合わせてきました。

でも叔母は育った家の隣に眠っているのですから、幸せな事なのかもしれません。
このお寺の住職さんは幼馴染みだそうです。
子供の頃は一緒にこの野山で遊んだ仲、そんな人に守られているのですから。
うらやましいなと、ふと思いながら帰ってきました。