にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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終わり

2007-06-22 01:19:39 | オーケストラ
ファルスタッフも目出度く千秋楽を迎え、そして私の一連のピット生活もひとまず終了。
同時に新国立劇場の監督「ノヴォラツスキー」さんの任期も満了です。
今日もカーテンコールに登場したノヴォさん、我々もラデツキー行進曲を演奏して舞台に呼び出しました。
今日も表情が硬かった、ピットから差し出された一輪のバラの花にも気がつかない程に。
緊張していたのかそれとも胸に去来する思いを噛み締めていたのでしょうか。

歴代の監督の中でもキャリアは異色、でもリハーサルにも積極的に顔を出してキャストとコミュニケーションを計っていました。
最初の歌合わせやリハーサルには必ず現れてキャストの紹介や指揮者の紹介は全部ご自身でなさっていたのです。
劇場の現場に入って自分で動かしていく感じでした。

去年に東フィルを定年退職したコントラバスのTさんのセレモニーがドン・カルロの楽日に新国であったのですが、その時もわざわざこちらに来てくださって退職されるTさんを送り出してくれたのです。
オペラの現場を知り尽くしていたノヴォさんはオケにとっても良き理解者だったようです。
何をすべきか全部わかっていて、しかし日本の劇場ではやりたいことが全てはやり遂げられなかった。
達成感と挫折感とが合わさった複雑な心境であったのではないかと。
それが舞台での表情に出ていたのではと推察しています。

ラデツキー行進曲でノヴォさんを呼び出したのには理由が。
ノヴォラツスキーさんのひいお祖父さんは何とラデツキー将軍と同じ部隊に所属していたのだそうです。
さすがはウィーン、どこかで繋がっているんですね。