にのじ@ばよりん的日常

バイオリン弾きにのじの日常生活!
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ソリストと指揮者の

2006-03-22 23:35:22 | オーケストラ
今日もTOC定期の練習でした。
今回もメインは悲愴、オーチャード定期で既に一回の本番が終わっています。
通常は一回本番で演奏した曲はメンバーが入れ替わるとかしない限り練習し直すと言う事はありません。
あとは本番の回数を重ねる事で表現が深まって行くからです。
今日は、でも悲愴も練習しました。
主に弦楽器の音色を更に更に磨く作業に費やしたのです。
弓の圧力とスピード、ビブラートをかける速度や幅などなど事細かに指示が有りました。
流石にビオラ奏者として世界に君臨する人だけの事はあります。
本当に音が変ります、バシュメットさんの音になります。
彼の弾くビオラの音をご存じの方には良く判るかもしれない、あの音にです。
あの音を作る方法を教えてくれているのです。
滅多に味わえる物では有りません、まるで学生に戻ってレッスンを受けているような気持にもなります。

ではその音をオーケストラでどう活かすのか。
それが指揮者の仕事ですね、音を活かしつつ全体をきちっとバランス良く構築して行く。
テンポやダイナミックを指示しながらアンサンブルにも気を配り。
指揮者の仕事は本当に大変です、でもチョンさんクラスになればそれをまったく苦もなくやってしまうのです。
一方バシュメットさん、やはり指揮者というよりはソリスト。
これは仕方が無い事です、ソリストが理想とする音楽と指揮者の目指す音楽との間にはやはり違いが有ると思うのです。
そこのギャップは我々が埋めるしか無い、ともすれば即興的に音楽を作って行こうとするバシュメットさんの音楽を形にする為には我々が頑張るしかないのです。
ちょっとしんどいですけどね、正直に言うと。
でもそれが我々の仕事、明日の本番も精一杯頑張りますよ!