上海の南京東路をひと目でそれとわかる日本人男性が夜1人で歩いていると、よからぬ目的の女が寄ってくる、とどこかで読んだことがある。さっそく20歳くらいの女性が寄ってきた。というか、あきらかなその手の女性に比べると、ずいぶん遠慮がちなアプローチだ。彼女はきのみきのままで地方から上京した感じだった。かわいらしい感じとは思ったが、上海の大学生に比べるとセンスはややダサい。
「計算機関連の専門学校(大専)の1年生です。夏休みに上海でアルバイトして学費を稼ごうと思い、家族に内緒で3日前に初めて合肥から出てきましたが、仕事は見つからず、あれこれ高くて、お金が足りなくなって困っています。何か食べないと死にそうです。」
一般にこの手の話はうそが多いと聞いているが、彼女らの手口が知りたかったので、あるところまでだまされてみることにした。
「私は中国で社会調査を専門にしています。あなたを採訪(インタビュー)させていただけるのなら、何か食べさせてあげますよ。」
そして近くにあった上島珈琲に入り、サンドイッチとシェイクを食べさせた。
生のレタスは食べられないそうで、吐き出していた。まず身分証と学生証を確認させてもらった。一応偽造ではないと思われた。そのあと、姓名(L嬢)、年齢(18)、住所、学校、家庭(両親+高校生の弟)、趣味(読書)、得意学科(数学+物理)、将来の夢(卒業したら、大学へ進みたい)、今回の経緯などのほか、農村での生活状況(わずか1haの土地を耕作するほか、もっぱら父親が深センへ出稼ぎ:月収1000元)、両親の収入と学校での学費・生活費(毎年1万元)、彼氏(いない)、普段の食生活、対日感(基本的には一般的なプロパガンダと同じ)などを聞いていった。生活はかなり苦しいと思われたが、考え方はわりとしっかりしていた。
上海で最も危険の多い観光名所である南京東路。こんな人も言い寄ってきます。
中国語版はこちら。
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