小生はオンラインで参加。当日会場ではスキップされてしまったが、後日ご回答をいただいた。
小生(事前にメールにて)
「私が派遣留学で1年滞在していたのは1998年のフライブルクでした。当時南西ドイツは、街中はいうまでもなくお役所でもほとんど英語が通じず、第二外国語としてドイツ語既習者だった私も苦労しました。外国人登録局に並ぶアフリカや中東からの出稼ぎ労働者は、我々よりはるかに流暢にドイツ語を使っていました。この数年は中東からの難民がドイツ全土へ流れ込み、英語すらままならない人も少なくないので、ドイツ社会の対応も大きく変わらざるを得なかったのではないかと思いますが、現在の様子はどんな感じでしょうか。」
来田聡子先生
「私は1996年からドイツに住んでいるのですが、当時は街中でも役所でも英語が全く通じなくて苦労した記憶があります。でも、最近では英語を話したがるドイツ人が増えたように思います。子供の学校の父母会などで、英語で私に話しかけてくる人が結構いるんです。日本人で英語を話したい人みたいな感じですかね。。。(笑)もちろん、英語ができる若い人たちが増えて、スーパーやパン屋でも英語ができる店員が多いように思います。ただ、友達に聞いたところによると、役所では英語が通じる人もいれば、できない人もいるようです。ドイツ語を話せということですかね。1998年に比べると、色々な外国人がすごく増えてたと思います。1996年頃は、「トルコ人」のことを差別する発言をするドイツ人がよくいるように思ったのですが(「トルコ人が多くて嫌だ」とか)、でも今では「トルコ人」のことを悪くいう人はいないですね。あの当時は見かけなかった肌の黒い人達や東ヨーロッパの人、戦争難民のシリアの人、経済難民の北アフリカの人が多くなりました。聞くところによると、老人大国になってしまっているドイツでは、外国人なしでは将来なりたたないのだそうです。なので、特に若い外国人の子供達をよく教育して、将来ドイツに馴染んだ人になってもらいたいのだと思います。また是非ドイツにいらしてくださいね。あまり変化のないドイツですが、お店の人のサービスがよくなっていることに驚かれるかもしれません!」
小生からお礼(後日)
「当日は通信環境の厳しい中、お疲れさまでした。教育制度のところまでは、ほぼリアルタイムで、接続を繰り返しながら楽しく追いかけることができました。動画の完成版も楽しみにしております。派遣留学前に読んだ今泉みね子さんの一連の書籍(1990年代)に加え、川口(2014)草思社文庫、浜本・柳原編(2012)明石書店、などでも触れられていたのですが、ドイツの外国人定着プログラムはかなり手厚く、放置同然の日本とはかなり差を感じてしまうところです。名古屋大での私の講義には、両親がトルコからのガストアルバイターだった男子学生もいました。歴史上有名な王族の家系だったりしたのでびっくりしましたが、とても優秀で、帰国してからも専門分野で活躍しています。移民2世では立派にドイツ社会に貢献している人が少なくないですね。昨年秋に予定されていたベルリンでの二国間会議が今秋はうまくいくことを願い、コロナ禍による空き時間を利用して、日々ドイツ語の復習を進めております。」
https://www.youtube.com/watch?v=smCyHfpi3F4