横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

オライリーな一日

2007年11月14日 00時55分25秒 | OSGeo/FOSS4G
 一連のカンファレンスを終え、Tylerはようやく自由の身に、、、ならず、今日も一日スケジュールが埋まっている。
 まず、オライリー・ジャパンを訪問。日本語版「入門Webマッピング」の担当編集者のKさんと対面。何度かメールでTylerとやりとりしているのだが、こうして会うのは初めてである。挨拶の後、Kさんが持ってきたのは「入門Webマッピング」をいきなり10冊。サインをして欲しい、ということで、彼も喜んでサインを書く。
 せっせとサイン...
ところで、この10冊は販売されるのであろうか?(なわけない、Kさんのコレクションになるらしい??)

 さて、編集長のIさんも同席していただき、ランチを一緒に取る。いろいろ話をしていてわかったことだが、オライリー・ジャパンの場合、業務の大半がアメリカの本社で出版された書籍の翻訳ものの出版であるのだが、いつも翻訳者と原著者が強い結びつきがあるわけではないようだ。また、アメリカ本社と原著者とのコミュニケーションもいろいろのようだ。彼の場合は、私たち翻訳者が”顔見知り”なのでまだ良いのだが、Schuylerの場合、書店でGoogleMapsHacksの第二版が出版されていることを、日本の書店で偶然見つけるまで知らなかった(!)そうだ。
 Tylerの場合、原著(英語版)が完売してしまっていて、その後どうなるのかを全然聞かされていなくて、ちょっとイライラしているとのこと。完売はすばらしいことであるが、日本のように増刷すればよいものを...(幸い日本ではコンスタントに売れているそうだ)

 ちなみに、入門Webマッピングの場合、今度ドイツ語版が出る。訳者はOSGeoでもアクティブなメンバー達で、OpenEVの章をQGISに代えて、MapServerのバージョンも5.0にするなど、いろいろ新しくしているそうだ。

 出版に関するエピソードも聞いた。出版企画を持ちかけたのはTylerからで、オライリー本社からの採用が決定する過程では、オーナーのTimが地図分野に強い興味を持っていたことが影響しているらしい。そして、本の題名は、最初はWebという言葉が無かったそうだが、営業上の観点でオライリー側がこのようなタイトルを勧めたそうだ。結果としてそれが良かったとTylerが感想を述べていた。
 ところで、地図のことであるが、編集長のIさんが、地図出版で有名なS文社で海外ガイドブックの編集長を以前されていたとのこと。私も地図出版会社で働いていたので、意外な狭い世界を発見。

 オライリー・ジャパンの訪問を終え、八重洲ブックセンターに行き、地下の地図コーナーを見学し、そしてコンピュータ書のコーナーで「入門Webマッピング」があるのを確認。やはり嬉しい。

 その後、横浜に移動し、私の会社でOSGeoに関するディスカッションをしばし行う。その後、ホテルに案内し、いよいよ日本語版の訳者達との夕食会である。
 もちろん、こういう機会は初めてである。5名の訳者の一人が療養中で来られなかったが、4名が揃い、レストランでイタリア料理を囲む。
 Tyler Mitchellと訳者達

 ここで1つ面白い話を聞いた。Beginning MapServerという本が出版されているのだが、この著者であるBill Kroplaという人は、MapServerコミュニティの中で、誰も知らないのだそうだ。MapServerメーリングリストにも無いし、ウィニペグに住んでいるらしいことはわかっているが、過去においてSteve Limeと2度メールの交換をしただけで、そのメールアドレスも現在届かなくなってしまっているらしい。謎の人物である。

 FOSS4G関係で、今いろいろな本の企画が進んでいるらしい。その中で、日本語版が出せる機会がまた巡ってくるかわからないが、この世界はまだまだ広がりそうなので、いずれはそんなことがあるかも知れない。