スローハンド/エリック・クラプトン(1977)
1.コカイン
2.ワンダフル・トゥナイト
3.レイ・ダウン・サリー
4.ネクスト・タイム・ユー・シー・ハー
5.ウィー・アー・オール・ザ・ウェイ
6.ザ・コア
7.メイ・ユー・ネバー
8.ミーン・オールド・フリスコ
9.ピーチズ・アンド・ディーゼル
今いくつかは知らないが、相変わらず精力的に活動するエリック・クラプトンには、ほんと頭が下がる。同世代のジェフ・ベックもそうだけど、決して勿体ぶることなく、自らをカリスマ化する事もなく、いつでもどこでも誰とでも、ギターを弾き歌う、その姿勢が素晴らしい。ただひたすら、ギターが音楽がブルースが好きなんだな、というのが伝わってくるのだ。聞く所によると、今年新作も出るらしいし、ジェフ・ベック共々、体力の続く限り頑張って欲しいと思うのである。
と、そんな(どんな?)クラプトンの1977年のアルバム『スローハンド』の、35周年記念エディションが出た。ちょっと意外な感じもする。というのも、このアルバム、確かに当時ベストセラーとなり、全米TOP10となった「レイ・ダウン・サリー」や、ライブの定番でもある「コカイン」「ワンダフル・トゥナイト」を含むアルバムでもあり、何よりクラプトンの昔からのニックネームがアルバム・タイトルにもなっていたりして、クラプトンの代表作と言ってもいいのかもしれないが、そういう派手な印象が全くない。今になって記念エディションが作られるほど、高い評価を受けてきたアルバムとも思えないのだ。つーか、クラプトンの代表作って、一体何なんだろう?
そうなのだ。クラプトンは偉大なミュージシャンではあるが、代表作は?と問われると、考えてしまう。つい『いとしのレイラ』なんて言ってしまいそうだが、あれはデレク&ザ・ドミノスというバンドのアルバムであり、クラプトンのソロという事になると、すぐには思い浮かばないのだ。う~ん、しばらく考えて、やっぱり『461・オーシャン・ブールバード』かなぁ、それとも『アンプラグド』か、って感じ。『スローハンド』と一発で答える人は少ないだろう。
不思議だなぁ。これだけのキャリアと名声のある人なのに。しかも、クラプトンのアルバムは売れない、なんて事は全くなく、この『スローハンド』にしても、次作の『バックレス』にしても、ビルボードのアルバム・チャートのTOP10に入るベストセラーだった訳だし、決して『アンプラグド』で急に売れた訳ではないのだ。“作品”より“人”の印象が強いミュージシャンなんだろうか。
と、訳の分からない事言ってるけど(爆)、『スローハンド』である。実は、このアルバム、出た当時にFMで聴いて気に入って、2年くらいしてから友人にLPを借りてよく聴いてた。中学生が聴くにしては、かなりシブい内容と思うのだが(笑)、ま、とにかく、好きだった訳だ。「コカイン」も良かったけど、個人的には「ザ・コア」が良かったな。クラプトンとマーシー・レビィが交互にボーカルをとる長い曲だけど、途中のギターやサックス(なんと、メル・コリンズである)のソロ合戦がスリリングでよろしい。淡々とした歌を披露する「ネクスト・タイム・ユー・シー・ハー」や「メイ・ユー・ネバー」もいいね。当時はシブいと思ったけど、今聴くとそれほどでもなく、聴きやすい印象を受ける。クラプトンって、ギターやブルースの神様なんて崇め奉られていたけど、実際には鹿爪らしく音楽をやる人ではない。そこいらが、今でも続く人気の秘密なのだろうし、名盤を残してない理由なのかもしれない。
レコード・コレクターズ最新号の特集は、この『スローハンド』35周年記念エディションである。発売と同時に売れ、全米アルバムチャート初登場一位となった、という記述は、どこのチャートを指しているのか分からないが、ビルボードだとすれば、明らかに誤りというか嘘なので(笑)、訂正して欲しい所だが、それ以外では興味深い記述もある。特にアルバム・タイトルについてだけど、何故クラプトンのニックネームが“スローハンド”なのか、昔から不思議だったが、ヤードバーズ時代のクラプトンはステージでよく弦を切っていて、張り替える間観客がゆっくり手拍子(Slow Hand Clap)しながら待っていた、というのが真の由来らしい。手があまり動かないのに、音がたくさん聞こえるから、というのではないようだ(笑)
そういえば、学生の時やってたバンドで「コカイン」をコピーした事がある。例の決めのフレーズを、その場にいる全員で叫んだりして、なかなか楽しかったな(笑) とまぁ、こんな事も思い出してしまうアルバムなのであった。あ、ジャケットはGを押さえてるな、クラプトンもGなんて使うんだ、しかも同じ押さえ方だし、なんて事で感激したりもしたっけ(笑)
クラプトンのアルバムは、バンド時代だとジョンメイオールとCreamの「Fresh Cream」が好きで、
ソロだと1stと「アンプラグド」かな?
曲となると「ワンダフルトゥナイト」「タルサタイム」とかいろいろありますけどね。
で、レンタル屋さん等を利用して、「ピルグラム」までのアルバムは全部聴きましたしたが、
確かに「これぞ名作!」ってのは思い当たらないですね。
同じく偉大なギタリストのジミヘンとは違って、とてもポピュラーなミュージシャンなのに、
誠に不思議な現象です。
ニックネーム「スローハンド」は、そういう意味でしたか。^^;
>クラプトンのアルバムは、バンド時代だとジョンメイオールとCreamの「Fresh Cream」が好きで、
今となると、意外とクリームいいなぁ、って思いますね。ベスト盤を結構聴いてます。
>ソロだと1stと「アンプラグド」かな?
1stとはシブいですね。僕は、この『スローハンド』と『アナザー・チケット』でしょうか。って、あまりクラプトンのソロアルバムって聴いてないんですけどね(笑)
>同じく偉大なギタリストのジミヘンとは違って、とてもポピュラーなミュージシャンなのに、
>誠に不思議な現象です。
ポピュラー過ぎるのもかもしれませんね。良くも悪くもハッタリかますタイプじゃないですしね。