日々の覚書

MFCオーナーのブログ

タイ・ファンク

2021年06月12日 10時21分10秒 | 音楽ネタ

今や、持ってない人の方が珍しいのではと思われる、いわゆる交通系ICカード(SuicaとかICOCAとかmanacaとかPASMOとか)をバスで使うと、金額に応じてポイントが貯まり、一定ポイント貯まるとチケットに交換してくれて、次にバスを利用した時にチケット分金額を引いてくれる、という、とても有り難いシステムというかサービスがあったのだが(バス特と言うらしい)、それが今年の春頃から廃止になった。いや、正確に言うと、大半のバス業者が廃止にした。バスを降りる際、“チケットが付きました”とか“チケットを利用しました”とか、ICカード読み取り機が喋っていたけど、そう言えば最近聞かないなぁ、なんて不思議に思ってた人も多いのではなかろうか。

廃止にした理由だが、とあるバス会社のホームページによると、チケット付与のサービスは、元々ICカード普及促進の一環として始めたのであって、普及率が高まった今、その役目は終わった、という事らしい。なんか騙されたような気分(笑) けど、メリットがないからICカード解約する、という人も少ないだろう。ICカードで移動するのに慣れてしまったからね。今さら手放せないよな。僕もそうだし。なんか、巧妙な詐欺みたいというか何というか(笑)

話は変わるが、ブログやらFacebookやらには「あなたは1年前にこんな記事を投稿しました」なんて知らせてくる機能がある。そういうの見て、あれから一年経ったのか、早いなぁ、なんて思ったりする訳だ。年をとると時間の経過が早くなる、というのはずっと感じていたが、とある人から、時間が経つのが早い=忙しい日々を送っている、或いは、充実した日々を過ごしていた、という事では決してなく、むしろ逆である、というのを最近聞かされた。

つまり、時間が経つのは早いと感じるのは、日々の生活に流されてしまっているからで、何もせず漫然と一日を過ごし、それが積み重なっていくと、何もしてないのに時間だけが過ぎた、みたいな感覚になるのだそうな。充実した日々を送っているのなら、今日はこんな事があった、今日はこんな事をした、と記憶に残る事も多く、そういう日々が続くと早いなんて感じないものらしい。何もないから、ただ早いだけなのだ。なるほど。

自分に当てはめてみると、去年の春以降、業務内容が変わり、コロナのせいばかりではないが、変化が少ない、刺激が少ない、と感じる日々を送ってきたような気がする。以前の事を思い返してみると、○○年の7月はこういう事してた、××年10月はこういう案件が進行してた、△△年1月はこういうトラブル抱えてた、みたいに、この時期何してた、というのをはっきり覚えていたりなんかして、確かに、そういう時って、一年経ってしまえば早いけど、その一年で色々あったので、その時点では決して早く過ぎたと感じていた訳ではない。そんな気がする。

それが、ここ一年はそうでもない。この一年で思い出せる事も少ない。一日の終わりに、今日は何してたんだろう、なんて気になる事も多かった。完全に流されている。早く感じるのも無理はない。切り替えねばいけない、と思う。

という訳で(は?)、最近買ったCDから。

Modechai/Khruangbin

珍しく“現在”のバンドである(笑) バンド名はクルアンビンと読む(小学生じゃねーぞ)。聞くところによると、元々タイ・ファンクをやってたバンドらしく、タイというのは国名のタイなのだが、バンド名もそっち方面(どっちだよ)の言葉らしい。と聞いて、ちょっとややこしいのかな(は?)、と思ったが、アメリカはテキサスのバンドらしいので、なんとなく安心した(なんでやねん) 男女混成の3人組(ギター、ベース、ドラム)で、本作はサード・アルバムだそうな。

CD買おうと思ったきっかけは、FMでかかってるのを偶然聴いたからだ。シングルカットされたらしい「Time (You And I)」という曲がかかったのだが、その曲がミョーに気になったものの、バンド名等が聞き取れなかったので(覚えられなかった、という方が正しいかも^^;最近よくある)、ネットで番組表やらセットリストやら検索して、ようやくたどり着いた(笑) なんというか、最近のDJって、早口だけど滑舌は今イチでイントネーションもおかしく、尚且つ、横文字だとヘンな発音になったりするから、とにかく何言ってるのか分からない事多い。これは決して僕だけではないはず。困ったものだ(苦笑)

という訳で、クルアンビンである。元々タイ・ファンクやってた、と書いたが、タイに限らず、あちこちの音楽を取り込んできたらしい。けど、ワールドミュージックという感じではない。ファンクということだが、それよりもっとクールでエスニックな印象。言い方を変えるとスビリチュアル^^; インスト中心のバンドで、本作ではボーカル曲を増やしているらしいが、特にボーカルに比重を置いた作りでもない。このサード・アルバムに至るまでに、バンド内部で色々あったらしく、そこいらのエピソードが日本語ライナーで紹介されているが、そのライナー自体がバンドのストーリーというより、自己啓発の記録みたいになってる。正にスビリチュアル^^; 瞑想のBGMにいいかも。

Ladies' Night/Kool & The Gang

“重心の低い”ファンク・バンドだったクール&ザ・ギャングが、ジェームス・JT・テイラーをボーカルに迎えて発表したのが本作。ここから「Ladies Night」「Too Hot」のヒットが出て、クール&ザ・ギャングの快進撃が始まった。80年代前半の活躍振りは皆さんご存知の通り。

言うならば、その成功の原点がこのアルバムという訳で、その割には、例のディスコ40キャンペーンの時にも、本作だけ再発されず、なんか不遇な扱いをされてる感がある。良いアルバムと思うんだけどね。ブラコンではなくソウルって感じなのがよろしい。収録曲も、既にクール&ザ・ギャングのイメージが確立されてて、後の「トゥナイト」「チェリッシュ」「ゲット・ダウン・オン・イット」といったヒット曲を彷彿とさせたりもする。なんか、原点って感じ。長い曲ばかりだけど飽きさせず、聴き応え十分です^^

Second Helping/Lynyrd Skynyrd

レーナード・スキナードと言ったらやっぱりこれ、でしょうね^^ なんたって有名な「スイート・ホーム・アラバマ」が収録されてるし、あの名作ライブ盤のオープニングを飾った「ワーキン・フォー・MCA」も入ってる。キャッチーなリフのこの2曲以外にも、「アイ・ニード・ユー」「カーティス・ローのバラード」「コール・ミー・ザ・ブリーズ」など、南部臭ぷんぷんの名曲目白押し。アメリカン・ロック好きなら、絶対聴くべき名盤である。レーナードは比較的CDが入手しやすいので、聴いてない人は是非。

レーナードはトリプル・ギターが売り物で、後年エド・キングが抜けた時も、2人でもいけるような気はしたけど、スティーブ・ゲインズという若手を抜擢して加入させている。で、このゲインズがギターだけでなく、曲作りでも貢献するようになった矢先、悪夢の飛行機事故で、ロニー・バン・ザントと共にゲインズも亡くなってしまい、実質的にバンドの歴史に終止符が打たれたのであった。こうして考えると、エド・キング脱退はギターが一人減るだけでなく、ソングライターが減る事も意味していた訳で、それで3人目のギタリスト(兼ソングライター)にこだわったのかな、なんて思ったりもする今日この頃(意味不明)

At His Very Best/Robert Palmer

最近、ユニバーサルが「ロック黄金時代の隠れた名盤1965-1975編」と銘打って、入手困難なアルバムを廉価で再発しているのだが、タイトルからも察せられる通り、実に渋いラインナップで、こういうのを聴いてる人が“通”と呼ばれるのだろうな、なんてジェラシーを感じたりするが(爆)、その中にロバート・パーマーの初期のアルバムも2枚セレクトされている(『スニーキン・サリー・スルー・ジ・アリー』『プレッシャー・ドロップ』)。これが結構売れているようで、アマゾンのデイリーランキングでも上位に入っていた時期もあった。日本でも根強い人気があるようだ。少々意外だが、良い事である。

そんな(どんな?)ロバート・パーマーだが、ずっと知る人ぞ知る存在みたいに思ってたけど、↑のエピソードでも分かるように、実は人気あるようで、そのせいか、意外とベスト盤が多い。これだけたくさん出てると、帯に短し襷に長し状態になってしまうのは仕方ないところだが(笑)、今回買ったこのベスト盤は、おいしい所をしっかり押さえてるのではと思われ、ベスト盤の中ではベストでは。2002年に出てたらしい。

ロバート・パーマーを一言で言うと、ハード路線とメロウ路線の混在+ニューウェーブ風味、という感じかな。あくまで私見ですが^^; 僕が唯一持っているロバート・パーマーのアルバムは、1990年の『Don't Explain』なのだが、このアルバムからしてハード+メロウである。1988年の『Heavy Nova』もそんな感じだった。このベスト盤でも、そんな印象を裏切る事なく、ロバート・パーマーの世界が堪能出来ます。全米No.1になった「恋におぼれて」や「愛しき人々」「想い出のサマーナイト」もいいが、個人的にはマービン・ゲイをメドレーでカバーした「マーシー・マーシー・ミー~アイ・ウォント・ユー」がお薦め。とにかくメロウの極み。ダンディで男前なロバート・パーマーの面目躍如である。

ロバート・パーマーは残念ながら、2003年に心臓発作で亡くなってしまったが、そのちょっと前からジャズ・ボーカル的な方向に行っていたらしい。本ベスト盤にもそれらしい曲が収録されている。ずっと元気で活動を続けていたら、どんな音楽を作っていたのだろうか? 特にファンではないが、そう思うと早逝してしまったのは非常に残念だ。

ところで、関東はいつ梅雨入りするのか?


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