MFCオーナーの私的歴代最高のアルバム500
420位→401位
☆420位☆
Restless Nights/Karla Bonoff (1979)
ささやく夜/カーラ・ボノフ
リンダ・ロンシュタットが曲を取り上げた事でも知られるカーラ・ボノフの2nd。本国より日本で評判となった。いかにもウエスト・コーストなサウンドとコーラスに彩られた収録曲は、どれも水準が高く、力強いカーラの歌声と合わせて聴き応え十分。「涙に染めて」がヒットしたが、この曲、リンダからのカバー申請を受けながらも、10年近く許可を出さなかったらしい。
☆419位☆
Stormwatch/Jethro Tull (1979)
ストームウォッチ~北海油田の謎/ジェスロ・タル
トラッド3部作の最後を飾るアルバム。名盤との誉れ高い前2作に負けない好盤だ。ドラマティックな長尺曲「ダーク・エイジ」が印象的である事からも分かるように、全体的にトラッドというより、プログレ色が強い。インストの「防寒具スポラン」も素晴らしい。ベースのジョン・グラスコックの生前最後の作品でもあり、そのせいかやや暗い雰囲気もある。
☆418位☆
Rainbow On Stage/Blackmore's Rainbow (1977)
レインボー・オン・ステージ/ブラックモアズ・レインボー
名作と呼ばれるライブ盤は数多いが、本作ほどドラマティックで血湧き肉躍るオープニングのライブ盤を僕は知らない。このオープニングだけでも、本作は名盤と呼ばれるにふさわしいとさえ思う。もちろん、他の曲も素晴らしい。リッチーもロニーも絶好調、コージー以下バンドもタイトな演奏を聴かせる。長尺演奏だけど、飽きさせない。
☆417位☆
The Stranger/Billy Joel (1977)
ストレンジャー/ビリー・ジョエル
ビリー・ジョエルの出世作。なんといっても収録曲が名曲揃いで、グラミー受賞の「素顔のままで」をはじめ、「ムービン・アウト」「シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン」「エブリバディ・ハズ・ア・ドリーム」も良いし、プログレッシブな「イタリアン・レストランにて」も素晴らしい。日本でヒットしたタイトル曲もいい。ジャケットも音もなんとなくニューヨークのイメージ。
☆416位☆
Warren Zevon/Warren Zevon (1976)
さすらい/ウォーレン・ジボン
こちらもリンダ・ロンシュタットに取り上げられているので、それなりに名前は知られているが、その実態を知る人は少なかろう。本作は、1968年のデビュー以来の2作目。プロデュースはジャクソン・ブラウンである。どこを切ってもウエスト・コーストという感じの音作りが素晴らしい。リンダが取り上げた曲が3曲収録されているので馴染みやすいと思う。
☆415位☆
No Heavy Petting/UFO (1976)
ノー・ヘビー・ペッティング/UFO
UFOを知ったのは「電撃のロックンローラー」である。正に衝撃だった。あまり知られていないが名曲である。後に神となるマイケル・シェンカーも、この時既にその片鱗を見せている。UFOの他のアルバムと比べると、ややこぢんまり感があるが、「電撃のロックンローラー」のせいもあり、個人的には本作に一番愛着を感じている。
☆414位☆
Good Singin' Good Playin'/Grand Funk Railroad (1976)
熱い激突/グランド・ファンク・レイルロード
本作のプロデューサーは、なんとフランク・ザッパである。曲単位ではなく、アルバム全体のトータリティを重視しているのは、ザッパの手法か。全体的にタイトにまとめられており、聴き応え十分だが、売れなかったせいか、実質的なラスト・アルバムとなってしまった。「Can You Do It」「Crossfie」「1976」など、出来の良い曲もあるのに残念だ。
☆413位☆
Shinin' On/Grand Funk Railroad (1974)
輝くグランド・ファンク/グランド・ファンク・レイルロード
大ヒットした前作に引き続き、トッド・ラングレンのプロデュース。タイトル曲のカッコ良さには言葉もない。かなりR&B寄りの音楽性を打ち出しており、それは見事に成功している。4人組になってから、ボーカリストとソング・ライターが2人(組)になり、結果バラエティに富んだアルバム作りが出来るようになったのが実を結んだ形だ。
☆412位☆
McDonald And Giles/McDonald And Giles (1971)
マクドナルド・アンド・ジャイルス/マクドナルド・アンド・ジャイルス
クリムゾンを脱退した二人が発表したアルバム。イアン・マクドナルドによるアコースティックなサウンドとクラシカルな曲構成(曲名もクラシックぽい)、そして叙情的なメロディが素晴らしい。やはり、この人は凄い。「明日への脈動」を聴いてみて欲しい。派手さはないが、発売以来一度も廃盤になった事がない、という高い人気を誇る名盤である。
☆411位☆
Ladies Of The Canyon/Joni Mitchell (1970)
レディーズ・オブ・ザ・キャニオン/ジョニ・ミッチェル
ほとんどジョニのギター或いはピアノによる弾き語り集であるが、それまでのフォーク系とは明らかに違うコード進行やメロディ展開もあり、新鮮な感じで聴ける。「ウッドストック」「サークル・ゲーム」など、馴染みのある曲も収録されているので、その点でもとっつきやすい。彼女の登場と活躍が、後に続く女性ロッカー達に道を開いたのは間違いない。
☆410位☆
Arthur Or The Decline And Fall Of The British Empire/The Kinks (1969)
アーサーもしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡/キンクス
レイ・デイビスは、とてつもないソング・ライターである。キンクスはロックオペラやコンセプト・アルバムを多く制作したが、これが成功したのも、ひとえにレイ・デイビスのソング・ライティングの才能あればこそ。発売時期のわずかな差で、本作は史上初のロックオペラの称号を、ザ・フーの『トミー』に持っていかれたが、内容は負けてない。
☆409位☆
Steppen Wolf/Steppen Wolf (1969)
ステッペン・ウルフ/ステッペン・ウルフ
僕にとって「ボーン・トゥー・ビー・ワイルド」が最初のロックの洗礼であり試金石だった。ここを通過して僕はロックののめり込んでいった。いわばロックの原点である。この曲や同じく『イージー・ライダー』で流れた「プッシャー」を含む本作も正にロックの原点。ブルースベースのハード・ロックで、サイケなサウンド、ワイルドなボーカル、全てが稚拙だが原石の輝きを放っている。
☆408位☆
Help/The Beatles (1965)
4人はアイドル/ビートルズ
なんといっても冒頭のタイトル曲の印象が強烈なアルバム。しかし、「ナイト・ビフォア」「アイ・ニード・ユー」「悲しみはぶっとばせ」等、映画に使われた曲は名曲揃いである。ビートルズの本当の凄さを、そこはかとなく教えてくれるアルバムであった。B面とのテンションの差は致し方ないかも。アメリカ盤の冒頭で聴ける007もどきのインストも忘れがたい。
☆407位☆
Street Of Fire -The Original Soundtrack- (1984)
ストリート・オブ・ファイア/オリジナル・サウンドトラック盤
悪党にさらわれたお姫様を主人公が家来と共に救い出しに行く、というメルヘンチックな内容の映画だったが、音楽は素晴らしい。ドラマティックなオープニングに流れるのはジム・スタインマンによる曲。ヒットしたダン・ハートマンの「あなたを夢見て」やスティービー・ニックスの曲を歌うマリリン・マーティンも良い。サントラの音楽監修はジミー・アイオヴィンとライ・クーダー。
☆406位☆
Another Page/Christopher Cross (1983)
アナザー・ヘージ/クリストファー・クロス
デビュー・アルバムで、史上初めてグラミーの主要4部門を独占した事もあり、2ndに対する世間の期待は大きかったが、あまりにも大き過ぎて評価もチャート・アクションも今イチだった。残念だ。1stにひけを取らない佳作と思うけど。シングルになった「悲しきメモリー」「オール・ライト」「忘れじのローラ」は、どれも良い出来だ。
☆405位☆
Straight From The Heart/Patrice Rushen (1982)
ハート泥棒/パトリース・ラッシェン
セッション・ミュージシャンとしても活動していたパトリース・ラッシェンのリーダー・アルバム。オシャレで小粋なディスコ・サウンド満載の一枚である。ヒットした「フォゲット・ミー・ノッツ(忘れな草)」にしても、気持ちの良いチョッパーが入るバック・トラックも可愛らしいボーカル&コーラスも、センスの良さが光る一曲。ジョージ・マイケルがサンプリングした事でも有名。
☆404位☆
Livin' On The Fault Line/The Doobie Brothers (1977)
運命の掟/ドゥービー・ブラザース
ドゥービーはこの時点で、すっかりマクドナルド体制が浸透し、本作もソフィスティケイトされた都会的なサウンドで統一されている。マイク・マクドナルドがカーリー・サイモンと共作・競演した「ユー・ビロング・トゥー・ミー」を含むが、特筆すべきはパット・シモンズの貢献ぶりで、フュージョン的手法を取り入れたタイトル曲や「チャイナタウン」は必聴である。
☆403位☆
Aja/Steely Dan (1977)
彩(Aja)/スティーリー・ダン
一流のスタジオ・ミュージシャンを集めてスタジオ・ワークに没頭し完璧なサウンドを作る、というスティーリー・ダンの方法論は本作で完成の域に到達したと言っていい。ロック・バンドらしさは希薄になったが、それだけに「ディーコン・ブルース」が目立っているように思う。個人的には、「麗しのペグ」と「アイ・ガット・ザ・ニュース」の2曲が聴けるだけでも価値がある。
☆402位☆
Animals/Pink Floyd (1977)
アニマルズ/ピンク・フロイド
『炎』以降テーマが分かりやすくなったフロイドだが、本作のテーマは資本主義。人々を犬・豚・羊に見立てたコンセプトの下、辛辣な歌詞・ソリッドな演奏・緻密なアレンジで構築された収録曲は、聴かせ所が上手く、長尺だが飽きさせない。メッセージ性と娯楽性が見事に同居している。重厚長大のプログレに変革の時期が来ていた時代の、ある意味最後の傑作。
☆401位☆
Thirty Three & 3/1/George Harrison (1976)
33 3/1/ジョージ・ハリスン
のっけからチョッパービジバシのイントロに驚くが、本作ではデビッド・フォスターはじめウィリー・ウィークス、リチャード・ティーなど、いわばAOR系のミュージシャンを迎え、都会的サウンドを打ち出している。が、ジョージ自身の本質は変わっていないのでご安心を。今思うと、かなり時代を先取りした音でもあり、ジョージの意外な先鋭性が感じられる。
次回は、400位~381位です^^