日々の覚書

MFCオーナーのブログ

オヤジを売りにするな!

2009年02月17日 00時24分22秒 | あれこれレポート

しかしなんなのだ、この陽気は。週末、春一番が吹いたとかでミョーに暖かかったりしたけど、今日はまた真冬に逆戻りである。こういう急激な気温の変化は、中年と呼ばれるようになった身にはこたえる。そう、僕だって立派なオヤジなのだ。

オヤジというのは、もちろん「親父」の事であって、基本的にはお父さんを指す言葉であろうが、昔から中年のオジサンの事を「オヤジ」と呼んでいたような気もする。考えてみると不思議だ。オバサンの事を「オフクロ」とは呼ばないだろうに。ま、それはともかく、子供がいてもいなくても、中年のオジサンは「オヤジ」なのであって、これは若者から中年に対する蔑称であったような気がする。

オヤジという言葉から喚起されるイメージというと、おそらく「ダサい」「カッコ悪い」「臭い」「さえない」「鬱陶しい」といった所だろう。ネガティブなイメージばかりである。はずれてはいないが^^; そういったイメージからも分かるように、オヤジというのは、若者から忌み嫌われる存在なのである。

所が、最近、どうも風向きが変わってきたようだ。オヤジという人種が、否定的な意味でなく認知され始めているようなのだ。これは一体どういうことだ?

近頃、“オヤジバンド”という言葉をよく耳にする。その名の通り、オヤジつまり中年男たちが結成したバンドの事だ。確かに、最近こういうの多い。“オヤジバンドコンテスト”とか“オヤジバンドバトル”などど銘打たれたイベントも結構ある。中年たちがバンドをするのが、ある種のブームになっているのだ。う~む。

世間一般の分類からすると、僕もオヤジである。子供はいないけど、オヤジなのだ。だけど、“オヤジバンド”という言葉には抵抗がある。世間の“オヤジバンド”というのは、40過ぎてから楽器を始めましたとか、昔ギター弾いてたけど、20年以上押入れにしまったままでしたとか、久々にギター弾きたくなったけど、昔のは捨ててしまったので、新しいの買いましたとか、そういう人たちで構成されているのだが、その時点で既に僕とは違うのだ。高校生の頃から、ずっとドラムやバンドを続けてきて今に至る、というのが自分や自分の仲間たちの姿だと思っており、中年になってから始めてみました、という、いわゆる“オヤジバンド”とは一線を画したい気分なんである(どっちもどっちなんだけどね)。

もちろん、どういう経緯であれ、仲間と音楽を楽しもう、という姿勢は良い事である。その為に、一所懸命練習する姿は美しい。けど、近頃、どうもそこいらを取り違えているように思える連中が多いような気がする。「オヤジがバンドやってるなんて、イカすだろ?」とか「オヤジなんだから、下手だっていいだろ?」とか「練習してないけど、オヤジなんだからいいだろ?」みたいなスタンスの奴らが、確実に増殖してると思う。要するに、「オヤジである事を売りにしている連中」である。これはおぞましい。

実は昨日、高槻芸術劇場という所で開催された、「ダイナマイトおやぢ ライブ・パーティVol.1」というイベントを見に行ってきた。イベント名でも分かるように、世に言うオヤジバンドが全部で12バンド出演するイベントだ。ま、僕は12バンド全て見た訳ではなく、最後の4バンドだけしか見なかったんだけどね。

そもそも、前述したように、オヤジバンドが嫌いな僕は、この手のイベントに足を運ぶことは滅多にない。なのに、何故今回見に行ったのかというと、あの(有)かるぱっちょが出演するからである。つまり、僕はかるぱっちょのライブを見に行ったのであり、その他のオヤジバンドはついで、である(笑)

久々に見たかるぱっちょ、今のメンバーになってからは初めてだけど、堂々たるステージであった。さすが、場数を踏んでいるだけのことはある。大したもんだ。しかも、対バンがユルいオヤジバンドたちである。いやでも、かるぱっちょの見事なパフォーマンスが際立ってしまうのだった。

で、その他のオヤジバンドだが、僕が見たのは、ホワイトスネイク等ブリティッシュ・ハード・ロックのコピーバンド、女性だけのジャズ系バンド(オヤジとは言い難いが...笑)、日本のフォークやポップスをレパートリーとするバンド、の3つであった。ブリティッシュ・ハード・ロックのバンドは、最後の方しか見てないけど。

ま、この3バンド共、いかにもオヤジバンドという雰囲気だった。女性だけのバンドもいたが、雰囲気は立派なオヤジバンドだ。どのバンドも、はっきり言ってあまり練習してないな、というのが見てとれる。仕事が忙しいから、というのを理由に、練習回数が少なかったり、練習はしても、常に一人は不参加がいる、という状況で本番に臨んだのだろう。人前で演奏するのに、満足な練習をしない、という神経が信じられない。

どのバンドのメンバーも、それなりに技量はあるようだ。だが、練習してなくても本番ではバッチリ合わせます、というほどのレベルではない。一人一人は実に楽しそうにプレイしていたが、あれは合奏するのを楽しんでいるのではなく、自分が楽器を弾くことを楽しんでいたのだと思われる。アンサンブルなんて二の次といった感じ。

要するに、どのバンドもまとまりとか、グルーブみたいなのが、ほとんど感じられなかったのだ。これは、バンドとしては失格である。例えば、ドラムがテンポ速かったりすると、他のメンバーから苦情が出るのが普通だが、それはテンポが速いと合わせて早く弾かざるを得ず、大変なので速くならないように、と注文が出るのである。が、この日見たバンドたちでは、そんな苦情は出ないだろう。何故なら、ドラムのテンポが速くなっても、誰もそれに合わせていないからだ。

女性だけのジャズ系バンドは、ホーン含む7人編成で、どの曲もテーマを演奏すると、後は各楽器でソロ回し、という単純な構成で、演奏にも起伏がないから飽きてくる。ソロを取る楽器がサックスだろうとピアノだろうとヘースだろうと、バッキングは全く同じだ。もう少し考えたらどうか。そのソロにしても、いかにも譜面見ながら吹いて(弾いて)ますと言わんばかり。結局、自己満足なんだな。

最後に出てきたフォーク&ポップスのバンドは、このイベントの主催者のバンドらしい。レパートリーは、普段カラオケで歌ってるのを、バンドでやってみました、という感じ。それはまぁいい。やたらとリズムがふらつくのが気になった。マジで練習してないな、こいつら。

正直言わせて頂くと、僕の友人たちで、こんな演奏するバンドはない。早い話、このイベントに出てたバンドは、かるぱっちょを除けば、普段まともに演奏する機会もなく、練習もしない、言うなれば志の低いバンドたちなんである。リハビリの為にバンドやってます、とのたまうヤツもいた。練習した後のビールが楽しみ、なんて言ってるのもいた。気持は分かるが、それは少し違うだろ。練習してないから、演奏のレベルも低い。合わせ方も分かってない。自分が気持ち良ければ、他のパートに気を配ることもしない。そういうバンドが、曲がりなりにも有料(500円だけど)のイベントに出てきて、自己満足にしかすぎない演奏を披露して、「楽しかったです」なんてほざくのである。

それでも、なんとなく許されてしまうのは、奴らが「オヤジバンド」だからである。いや、本人たちが、「オヤジバンド」であることを免罪符として利用しているのだ。下手でも練習不足でも、「オヤジだから」で済ませてしまう。聴いてる方も納得したりする。いつから「オヤジ」という言葉に付加価値が付くようになったのだ。単なる使用済み下着でも、「ギャル」とか「女子高生(最近はJKとか言うみたいね)」とか言うだけで、値段が何倍にも跳ね上がるのと、大して変わらないではないか。ブスでもバカでも女子高生なら許す、という大人がいるのと同様に、オヤジだから許す、という人たちがいるのだ。それを良いことに、オヤジたちは、自己満足を垂れ流して悦に入っている。ミュージシャンとしての向上心もくそもあったもんたじゃない。そういうのと一緒にされたくない、という僕の気持ち、分かってくれますか?(爆)

ほんと、オヤジを売り物にするのは見苦しい。オヤジというだけで持ち上げてしまう連中にも腹が立つ。下手でも、オヤジバンドなら許される、などという理不尽があっていいものか。本当にバンドやりたいなら、もっと真摯にやれ。人に聴かせる、という事をもっと真面目に考えろ。楽しければいいではないか、という反論もあるだろう。だけど、昨日だって、聴いてるこっちは楽しくなかったのだ。身内なら、喜んで聴いてくれるだろうけど、いつまでもそれが続くと思うなよ。

と、怒ってばかりでは何なので(笑)、よく撮れてないけどかるぱっちょの写真なぞ。

200902151850000

あ、掲載許可は貰っておりません(爆)

コメント (14)
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