日々の覚書

MFCオーナーのブログ

I Want A New Drug

2008年02月17日 22時49分46秒 | 音楽ネタ

Hotstreet  Picturethis

ご存知の人も多いと思うが、かつてアメリカを代表するバンドとして人気を博した、シカゴとヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの2バンドが、日本で対バン、すなわちジョイント・コンサートを行なうそうな。近頃の外タレには珍しく、全国5箇所で公演するらしい。名古屋飛ばしはないのでご安心を(笑) 詳しくは、こちらでご確認下さい。

しかし、この2バンド、ほんとに凄い人気だったよなぁ。と、過去形で語らなければならないのが悲しいが(笑)、正直言うと、どちらも現在では昔日の面影はない。どっちもまだ現役だそうで、本国ではツアーをやったりしてるらしいが、80年代の頃のようにヒットチャートを荒らし回ったりしている訳ではないようだ。それでも、シカゴはマメに新作を出しているようだが、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの方は、新作の話すら聞かないしなぁ。こんなんで来日公演やって大丈夫なんだろうか、なんてファンならずとも心配になってしまうが、青春時代に彼らを聴いてた世代(つまり、僕と同じもしくは10歳くらい下まで)が、懐かしさも手伝って足を運ぶのだろう。ただ、最近ロック・コンサートの客層もオジサンオバサンが目立つようになって、それはそれでいいんだけど、何か違うような気もする今日この頃(笑)

という訳で、せっかくの機会だし、僕もこの2バンドのジョイント・コンサート行こうかな、なんて考えている。どちらも、生で見た事ないし。特にファンというのではないのだけど^^;

けど、ヒューイ・ルイスはともかく、シカゴまで80年代のバンドに思えてしまうのは何故だろう? 70年代前半は、大人気だったのは知ってる。僕がリアルタイムで知ってるシカゴのアルバムは、『カリブの旋風』とかいう副題が付いてたヤツからで、「愛ある別れ」がヒットしたんだけど、当時のFMでは、ヒット中のこの曲より「長い夜」とか「サタデイ・イン・ザ・パーク」といった、過去のヒット曲の方がよくかかっていたような気がする。そして、その次作も話題になり、「朝もやの二人」「シカゴへ帰りたい」といった曲もFMで聴いたけど、それ以上に「長い夜」のオンエア回数の方が多かったような。つまり、なんとなく、シカゴは人気バンドだったけど、新曲よりも旧曲を耳にする事の方が多かった、つまりかこのバンド、みたいな物も感じていたのである。これは、アメリカでの人気とは別に、日本では「シカゴ=長い夜」というファンが多かった、という事だったのだろう。新作が出ても、「やっぱ長い夜の方がいいよねぇ~」って所か。

で、実際に、1977年の暮れか1978年の初頭だかに、メンバーのテリー・キャスが亡くなってから、シカゴは低迷していく。アルバムも話題にならず、ヒットチャートとも縁遠くなっていく訳で、70年代後半から80年代にかけての時期が、シカゴにとっての最初の“冬の時代”だった訳だ。

で、この“シカゴ冬の時代”というのが、僕が一番熱心に洋楽を聴いていた頃に当たる訳で、そんな時期に低迷していたのでは、こちらの印象が薄くなっても仕方ない所だ。そして、この冬の時代を経て、シカゴは1982年に「素直になれなくて」の大ヒットで甦る。その以降の活躍ぶりは非常に印象深いので、シカゴは80年代のバンド、みたいなイメージを持ってしまっているのだね、きっと。

余談だけど、シカゴの印象が薄い理由として、バンド名プラス作品番号、という区別しづらいアルバムタイトルも良くなかったような気もする。ジャケットも似てるし。そんな、どれも同じように思えたシカゴのアルバムの中で、唯一印象に残っているのが、1978年の『ホット・ストリート』だ。テリー・キャスの後任にダニー・デイカスを迎え、シカゴのアルバムでは唯一“タイトルのある”アルバムとなった『ホット・ストリート』、再出発にふさわしく、前向きなイメージだったのだが、今までほどは売れず、低迷のきっかけとなったアルバムとしても知られる。残念だ。良いアルバムと思うんだけどね。シングルの「アライブ・アゲイン」も好きだったし。

そんなシカゴと比べると、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは、バリバリの80年代だ。70年代から活動していたものの、チャンスに恵まれず、一時期はイギリスに渡ってエルビス・コステロのバックをやってた、というのは有名な話だが、1982年に「ドゥー・ユー・ビリーブ・イン・ラブ」のヒットでチャートに躍り出ると、翌年のアルバム『スポーツ』を大ベスト・セラーにして、アメリカのトップバンドになった。確かに、この『スポーツ』そして『FORE!』は名盤である。僕もよく聴いた。が、90年代に入ると、急激に失速してしまった。どういう訳だ。やはり、80年代に一世を風靡したホール&オーツも、90年代になったら突然失速してしまったけど、何かあったのか? いくらヒット・メーカーでも、時代の波に乗れなければダメだ、というのは分かるけど、80年代から90年代の境目で、急激に音楽シーンが変化したとも思えないのだが。

ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースは、確か1985年頃に来日公演を行なったはずで、テレビで放送されたライブを僕も見た。実に素晴らしかった。強力なボーカリストのいるバンドは、やはり強い。ただ、彼らの場合、ヒューイ・ルイスに頼りきり、というのではなく、バンドメンバーも実力者で、ボーカルを盛り立てつつ、しっかりとしたアンサンブルを聴かせていた。アメリカン・バンドらしい大らかさもあったし。いいバンドだなぁ、としみじみ思ったものだ。レコードだけでは味わえない、バンドとしての一体感が感じられた。そんな雰囲気を、20年以上を経た彼らが、また体感させてくれるなら、是非今度の来日公演は見に行きたい。

聞けば、90年代以降、ヒットの出なくなったシカゴも、レコード会社と衝突したり等々、あれこれ苦労したらしい。ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースも、レコード契約のない時期もあったらしいし。20年前を知ってる者としては信じられないけど。かつての勢いがなくなると、世間は冷たいものなのだ。ほんと、こんな話を聞くと、80’sは遠い昔になってしまった、という想いを強くする。

年取ったなぁ...君も僕も(爆)

コメント (11)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする